少年テイマー、友人達と再会する!
「ひ、広い……それに他の冒険者さんもたくさん居る。皆ここで食べてるの?」
「ええ。だいたいの人はここで食事を頂いてるっすよ。仲間と食べたり、情報収集も兼ねてるっすね。というより、それを狙って企画されてると思うっすよ。ほら、こっちですよ!」
サリアはそう言って、僕達を机に案内してくれた。
「あーしはここで食べてるっすから。ティム達も行ってくるっすよ!」
「ありがとう、行ってくるよ!行くよレルー!」
「わん!わふー!」
どれにしようかな?おいしい物がきっとたくさんだ!
「ラルフ、ミーこのお肉全部食べるよ!配信もしないと!」
「良いなそれ。俺もやろう!タルトー、好きな物を言ってくれー!」
「かー!かー!」
タルトはラルフさんの取った料理を眺めて、サラダとお肉の乗ったお皿をつつく。それをラルフさんが降ろして、一緒に食べてる!楽しそうで僕も嬉しくなるよー!
「僕達はどれにしよう?レルは欲しいご飯ある?」
「わん!わん!」
「分かった!はい!」
レルに取ったのは、大きなパンにお肉が挟んである料理。これなら問題無く食べられるぞ!
「いただきま」
「びー!びー!」
「あっびー君!」
びー君がはちみつパンを持ちながら飛んできた、なら!
「やあティム、こっちこっち!」
「ティム様ー!私達と一緒に食べませんかー?」
「リッチにサキさんも!」
急いで移動したら、二人もご飯の真っ最中!リッチは骨付き肉、サキさんはリンゴのジュースを両手で大事に持っていた。
「ジューシーな肉!骨身にしみるのう!」
「んっ……やっぱり甘いものは落ち着きます。ティム様もどうですか?」
「はい!僕にもください!」
皆で食べるご飯、やっぱりおいしい!それに色とりどりの料理を見てると、どんどんお腹が空いてくるよー!
「そうじゃティム、この勝負はワシらの勝ちじゃのう!ワシらはそっちよりも早く着いたのじゃよ。」
「そうみたいだね。ここは負けちゃったけど、大会では負けないよ!」
「その意気じゃよ!さ、食べよう食べよう!」
「うん!頂きます!」
お肉にミルクに、チーズもあるぞ!たくさんお皿に乗せて、配信をしながら食べよう!
「いただきまーす!」
「よっ、食ってるな諸君!」
「ろ、ロットンさんお久しぶりです!」
「ま、三日しか経ってないがな!ティム君達もお疲れ様だったな!」
ロットンさんもこっちに来た!無事に到着したんだね!あ、ラルフさん口に野菜を詰めたまま向かって来た……
「ふぉっとん、ほれたちもついたそ。」
「かめー。」
「悪い、何言ってるか全っ然分からん。」
ゴクン。
「ロットン、俺達も着いたぞ!お前も無事で良かったよ!」
「まあな!相当時間がかかると思ったから、役場職員のコネを使わせてもらったぜ!」
「何それ?」
「前言ったろ?いざという時の為に、他の役場とも連絡位は取ってるんだよ。そこで彼にご協力頂いたのさ。」
ロットンさんが振り向くと、そこには……!
「やあ、やはり君達も来たんだな。」
「ふぇ、フェイク!」
「ラルフ達の配信も定期的に覗いている。ちゃんと活躍しているようで何よりだ。」
「そうだろそうだろ!それでロットンが言っていたのは何だ?」
フェイクさんも来てたんだ!確かに冒険者が集まるこの場所なら、商品の宣伝にもってこいだね。
「それは私達の街の船を出した事だ。ここに来る予定もあったからな。そこにロットンが現れたんだ。」
「そういう事だ。カーノンの街は凄いぞ?武器のノウハウを活かして、頑丈な船を造ってたんだからな。おかげで俺も楽に来れたぜ!」
「羨ましい!俺達結構大変だったんだぞ?」
「ラルフ、お前達も頑張った頑張った!勿論それが普通だろうな。だがこの試験はきっと…………いや、何でもねぇ。」
ロットンさん……シュリちゃんと同じ所で言葉を区切った?この予備試験に必要な要素は他にもあったのかな?
「ほら今は食った食った!後二日あるんだ、のんびり過ごそうぜ!」
「ならロットン、ここで一勝負するぞ!どっちがたくさん食べられるかをな!」
「いいぜ?俺に勝てるかな?」
「じゃあ先生、俺一度向こうに行ってくるよ。お互い楽しもうな!」
「はい!また後ほど!」
ラルフさんはロットンさんを連れて別のテーブルに歩いて行った。
「さあワシらも食べるぞー!」
「は、はい!ティム様こちらへ!」
「びー!びー!」
「わん!わん!」
「うん!」
とりあえず僕も食べるぞ!たくさん食べて大きくなるんだ!
◇◇◇
「ほう。ティム達も到着したようだな。」
「ええ。今は友達とご飯の真っ最中っすよ。」
「サリア、お前は行かなくて良いのか?」
「……今はライバルっすからね。向こうから来なければ、距離は空けておくべきっすよ、ギル。」
「ならば、我らはここで食事の続きとしよう。大会までは後少しか、楽しみだな。」
「私も同感です。強い戦士と手合わせできるのですから、楽しみですよ。」
「「マイラ!?」」
「はい。私です。ティム達も到着したようですね。今回の勝負は私の勝ちですか、当日中に着きましたからね。」
「いきなり何の話っすか!?そもそもいつの間にここに!」
「貴様……何の用だ!」
「私はこの会場を歩いて、情報収集をしているのですよ。中々面白い方達も居るようですから。では、ティム達の確認も出来ましたし、私はこれで。」
シュッ。
「消えたか……油断も隙もない奴だ。」
「本当びっくりしたっすよ……ギルはこれからどうしますか?」
「我は体を慣らしておこう。移動ばかりで戦闘が無かったからな。早めに動かさねば。」
「お互い頑張るっすよ、ギル!」
「ウム!サリアはどうするつもりだ?」
「……あーしも後で歩いてきますかね。警戒するべき相手は結構居るっすから。」
「ほれー!ジュースを凍らせると冷たいぞー!」
「やめてよリッチ!?急にびっくりさせないでよー!?」
「…………そうでしょう、ティム?」
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