テイマー一行、特訓完了!/まだ見ぬライバル達の影
次回から闘技大会に入る予定になります。よろしくお願いします。
「ロットンー!ここで一度飯にしようぜー!」
「何言ってんだラルフ!ティム君達はまだ特訓中だぞ、お前ももう少し頑張れ!」
「先生は先生、俺は俺だぞ!無理したら体が保たないよ!だいたい何時間走ったと思ってるんだ!」
「知らね。俺だって鍛えてるんだし、厳密に数えてないからな。ざっと六時間と二十分くらいじゃねぇかな。」
「きっちり数えてる。お前やっぱ凄いよな……あっ、先生!結構動いてるなあ。」
「こっちに近づいてきたか、ありゃ格闘の練習って訳だな。ちょっと観察してみるか。」
「そこです!」
「いい動きだね、でもまだまだー!」
僕とミーさんは接近戦の真っ最中。僕の蹴りをミーさんが受け止め、空に放り投げる!
「落ち着いて……ミーさんは着地を狙って来る!」
「そうかな?残念、ミーは空中戦も出来るのだ!」
「えっ!?」
飛び上がったミーさんのパンチが、僕のお腹を捉える。慌てて魔力を纏ったけど、やっぱり痛い!
「体勢が崩れた!そこ……あっ!?」
「引っかかりましたね、これが作戦です!」
僕はミーさんの拳をがっちり掴んだ。これで逃げられないぞ!
「えいっ!」
「わ、わわっ!?」
僕は体を丸めて腕にしがみつく。よし、ミーさんの体勢も崩れた!
「ちょっ、ちょっと待って!これだと墜落するよ!?」
「それが狙いです!突っ込めー!」
地面に一気に落下、ミーさんと一緒に地面に体が叩きつけられた!
「きゅー……」
「だ、だから言ったのにー。」
あれ、ちょっとぼーっとしてたみたい。魔力は纏ったけど、やっぱり無茶しすぎたかな……。
「でもみんな、この準備期間でだいぶ特訓できたね!ミーももーっと強くなったよ!」
「僕も色々動いてみて、視野が広がった気がします!」
「だねー!闘技大会では何があるか分からないし、一人での戦い方も練習しておかないと!」
「はい!レルの力をもっと引き出す為にも、僕自身の力を上げなきゃ!」
レルとの特訓は勿論毎日やっていたけど、僕もこれで一段と強くなった!レルに負けないように頑張ったんだ!
「わん!わん!」
「お疲れ様、レル!僕今日も頑張ったよ!」
「わふー!」
「じゃあ、そろそろごはんにしよう!何があるか楽しみだー!」
「はい!楽しみだね、レル!」
「わん!」
一度村に戻ろう。そろそろ皆も揃ってるはずだよ!
「ラルフさーん!戻りましたー!」
「おかえり先生!こっちからも二人の様子が見えたぞ!先生自分から地面に落ちていくんだな。」
「はい。ミーさん凄く慌ててましたし、意表を突く戦い方の練習になりました!」
「でもあれは無茶だったね。ダメージを減らせても魔力が無くなっちゃうから。」
「ま、先生なら何とかなるだろ!ここは飯にしようぜ!」
自信満々のラルフさん、この期間にちゃんと準備出来たんだ。でも僕もバッチリだ!レルと力を合わせれば、僕達は強いんだ!
「んじゃ俺が久しぶりに作ってやるよ。何がいい?」
「ロットンが作るの!?えっとね、それなら高級ディナー!」
「俺ケーキ!」
「アホかお前は!そんな腹に残る物食ってどうすんだ!やっぱりこっちで考える、ここはサンドイッチと軽いスープにしとくか。」
「「やったー!」」
「ロットンさん、お願いします!」
「おう!楽しみに待ってろよ!」
村の入り口に入って、早速……
「兄上!兄上ー!」
「あ、ソード!皆も帰ってきたんだね!」
「はい!俺達の特訓も完了です!」
先に居たのはソード達だ!ダンジョンに潜って特訓するって言ってたんだよね。この村の近くのダンジョン、あそこには強い魔物がたくさん居るから!
「おお、ティム達も来たのかの!ワシらは連携について練習したのじゃ。闘技大会、何で勝負するか分からんからの。」
「リッチ!どう?だいぶ手強かったでしょ?」
「確かに強かったのじゃ。でもな、ワシらはチームで戦ったから割と余裕で進めたぞ!な、びー君、サキ!」
「びー!びー!」
「た、ただいま戻りました、ティム様!」
びー君とサキさん、それにリッチ。皆前よりも更に強くなってる!
「おかえりなさい!でも、僕達も強くなりました!闘技大会、お互いに頑張りましょう!」
「兄上、俺は兄上を超えてみせます!特訓の成果を見せるのが楽しみです!」
「ワシもワシも!勝負になったら手加減はせぬぞ!全力で戦おう!」
「びー?びー!びー!」
「うん!あの、びー君と私はティム様の味方です。だから……一緒に勝ちましょう!」
「はい!よろしくお願いします!」
皆でのんびり話しながら、リースさんのお家に集合。闘技大会はもうすぐ、どこでやるのか楽しみだなー。後で荷物を確認しておかなきゃ!
サリア達にカズハさん達も……絶対に万全の準備で来るよね、でも負けないぞ!僕達は強いんだ、凄いんだ!
「レル!ここでテイマーの凄さをもーっと皆に知ってもらおうね!」
「わん!わん!」
◇◇◇
「ここに居たのか。そろそろ王国会議から一ヶ月になる。闘技大会の日程が出る筈だ。」
「…………そう。」
「俺は当然出るつもりだ。お前も出るだろう?」
「…………うん。」
「なら支度をしておこう。何が起きても良いようにな。」
「わかった。」
「テイマーか……あれ程の使い手なら、良い戦いが出来そうだな。もっとも、誰が相手でも負ける気は無い。優勝は俺が頂く!」
「がんばってね。」
「……て、訂正しよう。優勝は、俺達のどちらかが頂く!」
「がんばるね。」
◇◇◇
「遂に……遂にこの時が来たぞ!このオレ様がガキどもをなぎ倒し、栄光を得る時が!待っていろ世界!このオレが名を刻んでやるぜ!」
ゴトン。
「得物の調整も終わってる。もう待ち切れないぜ!」
◇◇◇
「ハア、ハア……かわいいわぁ……。」
カタカタ……ポチッ。
「切り抜いた画像もいいけど……実際に会って、配信で見た通りの子達なら嬉しいわ!お姉さん張り切っちゃう!わっ!」
コテン。
「い、いたた。慌てない慌てない、もうすぐ会えるんだから!でも今日はもう寝ようかしら?おやすみー。」
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