表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
配信テイマー、我が道を行く!〜戻って来いと言われても知りません!僕は大切な仲間と一緒に冒険してるんだから!  作者: ゆん。
第二章

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

23/298

閑話 見習いテイマー、パートナーの強さを知る

今回活躍するのは、冒険者のラルフになります。楽しんで頂ければ幸いです。

 俺はラルフ、冒険者と配信者の兼業をしている。今回俺が入るダンジョンは、Dランクのダンジョンなんだ。道具を揃える為、街役場のカウンターへ向かうと、そこには受付の男性が立っていた。


「お、万年Dランクのラルフじゃないか。クエストを受けるのか?」


「いや、今回は練習したいことがあるから、普通にダンジョンに入るんだよ。一攫千金の夢は諦められない!目指せ有名配信者だ!」


「程々にしておけよ。身の丈にあった所で稼ぐのが一番だぜ?」


「心配ありがとな、こっちも気をつけるよ。」


 顔馴染みのいる受付って気が楽で良いよなぁ。俺はそう思いながら、ダンジョンに突入する為に現場へ足を運ぶ。





 ダンジョン、それと冒険者には幾つかのランクがある。下はEランクから始まり、D、C、B、そしてA。上に行く程危険度や強さが上がっていき、報酬もガッポリもらえる。

 ……まあ、俺は下のDランクだ。まだまだ未熟だから、受けれるクエストも低レベル。そんな俺がクエストを受けずにダンジョンへ向かうのは……。







「よーっし!配信準備オーケー!早速始めるぞ!」


 そう、配信する為だ!配信者で有名になれば、人気が増えて収入も増える。実力も示せればランクアップにも繋がる!そうしたら何買おうかな?食べ物、飲み物、旨いものをたくさん食べられる!今の貧乏生活から抜け出せるんだ!



 ……まだどっちも未熟だけどね。ついでに魔物の魔石も集めようかな。魔石は魔物から稀に出る玉で、これがいい値段で売れるんだよな。












「えー、どうも皆さん。冒険者をやってるラルフです。今回はフリーで来ています!ダンジョンは[小鬼の道]、ここに突入します!」


 カメラを飛ばし、俺は剣を構えながら入り口をくぐる。ここは[小鬼の道]。ゴブリンを中心とした魔物が出てくるダンジョンだ。奴らは大群で現れるから、頑丈な戦士を中心としたパーティーで向かう事が多い。そんな場所に、俺は一人で来た!いや、正確には……。


「かめ。」


「行くぞタルト!俺達での初配信だー!」


「かめー!」


 そう!俺の新しい友達、タルトと一緒だ!ティム先生は、魔物と仲良くなった方がより強くなるって言ってたな。それも確認したいが……見れば見るほど可愛いなあ。


「タルト、しっかり背中にいてくれよ?」


「かめ。」


 タルトは背中にがっちりとしがみ付いている。今回が初めてだから緊張してるんだろうな。










 ここのダンジョンは植物が多い森の中だ。しばらく進むと、ダンジョンの中でゴブリンが集まっている。その真ん中には……ゴブリンリーダー!?


「ギギッ、ギャア!」


「「「ギャアギャア!」」」



 ……ヤバいな。ゴブリンは弱い魔物だが、ゴブリンリーダーは危険な存在になる。リーダーはゴブリンよりも力が強いから、俺みたいな冒険者は気をつけないといけないんだよな。


「……まだ気づかれてない。迂回するか。」


「かめ。」


 俺達はそっと道を引き返し、別のルートを通る。俺が配信で上手く行かないのは、強敵相手に逃げるからかもな。そんな事を考えて道を歩いていると、突然ゴブリンが前に立ち塞がった。


「ギャッギャッ。ギャア!ギャア!」


「なっ、しまった!」


 嘘だろ!?仲間を呼びやがった!俺達に最初から気づいてたって事かよ!……すぐ後ろから足音が聞こえてくる…。早く抜けないと!


「逃げるぞタルト!」


「かめ。」


 タルトはギュッと強くしがみつく。それを確認した俺は剣を抜いて、前のゴブリンを斬りつけた。


「オラァ!」


「ギャッ!?」


 さすがに一体ならすぐ勝てる、だが問題は後ろの奴らだ。さっさと逃げないとな!


「かめ!」


「あっ、タルト!何やってんだ!?」


 突然タルトが地面に降りて、ゴブリン達をじっと見ている。そして追いついたゴブリンリーダー達は、俺達を見て笑っていた。


「ギャッギャッ!ギャッギャッ!」


「タルト、早く背中に戻れ!」


「か……か……。」


 タルトが震えている。早く逃げないと危ないぞ!急がないと!












「かめーーー!!!」


「ギャッ!?」


 突然タルトが砂を吐き出した。いや、あれは……ブレスか!?砂を使って出してるのか!?


「かーー!!!」


「ギャッァァァ!?」


 吐き出した砂のブレスはゴブリンの胴体に直撃、辺りの木々を突き抜けながらすっ飛んていった。


「た、タルト……。」


「かーめー!」


 なんて強さだ……。結構マズイ状況だが、タルトの力を借りれば、奴らを倒せるかもしれない!


「タルト頼む!力を貸してくれ!」


「かめ。」


 タルトは首を縦に振った。任せろって言ってるのか?いや、考えるのは後だ!まずは目の前の敵をどうにかするんだ!


「ギャッギャッ!」


「そこだっ!」


「ギャッギャッギャッ!!」


「ならこっちだ!」


「ギャッ……ギャア!?」


 俺はゴブリンを斬りつけるが、木に登られて避けられる。更に後ろからもう一体!俺は剣を振り、今度は倒す事が出来た。だが、隠れられちゃ手出しが出来ない。俺は一度見晴らしの良い場所に移動する事にした。


「ギャッギャッギャッ!!」 


「か、かめ!」


「しまった、タルト!」


 俺は移動しようとしたが、タルトがゴブリン達に叩かれ、動きを止められた!その数……十体!?判断ミスをしちまったか……!でも、ここで戦えば俺も無事じゃ済まない。まずは移動を優先して……。












「かめー!?かーめー!?」


「いや……違う!俺のやるべき事はこれだー!」


 俺の体は森の外とは反対……ゴブリン達の方へと向かっていた。ゴブリンとはいえ相手は複数。しかも格上のゴブリンリーダーもいる。だけど、俺の目の前には友達がいるんだ!


「やめろーーー!!」


「ギャア!?」


 俺は闇雲に剣を振り回しながらタルトの側に駆け寄る。そして剣を持ってゴブリン達に相対した。


「か、かめ……。」


「怖くないぞ……!タルトは俺の友達なんだ!手を出したら許さないぞ!」


 口ではそう言うが、俺の足は震えている……本当は怖いさ!でも、見捨てる事なんて出来ない!





「か、かめ!」


「タルト?どうしたんだ?」


 タルトは俺の前に出ると甲羅に体を引っ込めて、魔力を込め始めた。何をするつもりなんだ……すると突然体中が光りだした。


「かめ!かめ!かー!」


 掛け声と共に放たれるのは……砂のブレス。だがさっきよりも大きい!?こんなの普通のサンドタートルじゃ出来ないぞ!?



 体を引っ込めた甲羅の隙間からブレスが飛び出し、それらはゴブリンを的確に貫いている。逃げる者もいたが、その背中にもブレスが直撃。……タルトって、俺よりも強いんだな……。












 俺が気づいた時、周りには幾つかのゴブリンの魔石と、倒れている木に堂々と登ったタルトがいた。


「かーめかめ!」


「ハハハ……マジか……。」


 俺はその場でへたり込む。そりゃあ、勝つ事は出来たけど、自分の弱さを再確認してしまったからな……。


「か……かーめ!かーめ!」


「タルト?」


 落ち込んでた俺に、タルトは手を乗せ、スリスリと動かしている。温かいな……きっと心配してくれてるんだよな。なら、次に俺がやる事、それは……!


「かめ!かめ!」


「タルトぉ……。俺、もっと強くなるよ……!お前に頼り切りにならないように頑張るからさ!」


「かー!かー!」


 俺は気持ちを切り替える。単純な奴だなって自分でも思ってしまったけど、今はそれでいい。タルトみたいに強くなって、いつか……一緒に旨いものをたらふく食べてやるんだ!


「かめ!」


「おー!……あっ、見苦しい所を映しちゃったかな?これは反省しないと。えー……それでは今回はここで配信を終わりたいと思います。ご視聴ありがとうございましたー!さ、行くぞタルト!まずはここから脱出だ!」


「かめー!」


 カメラの前で挨拶を終えた俺達は、急いで入り口に戻る。そして安全を確認してから、カメラのスイッチを切り、街へと帰る事にした。

今回も読んで頂き、ありがとうございます。続きが気になる、面白かったと思って頂ければ幸いです。もしよろしければ、ブックマーク、評価を入れて頂ければ嬉しく思います。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ