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配信テイマー、我が道を行く!〜戻って来いと言われても知りません!僕は大切な仲間と一緒に冒険してるんだから!  作者: ゆん。
第十一章

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閑話 少女テイマー、少年テイマーを想う

今回はサリアとギルの話になります。よろしくお願いします。

「遅いぞサリア、ティムと犬っころの動きは更に速い!」


「ま、まだまだっす!あーしを舐めないでもらいたいっすよ、ギル!」


 ストーレの街に着いて数日後。今あーしが取り組んでいるのは高速戦闘の練習。小技で足止めし、大技をぶつける……このメインの戦い方を中心に、練習しなければならないっす!


「[魔技] シャドウサイス!」


「しまった!?」


 スピードを上げて鎌をぶつける中、影を刺されて動きを止められた。そしてあーしの首元にはギルの鎌が当てられたっす。


「……少し休むか。あまり急いでも成果は出ないからな。」


「いえ、もう一回勝負っす!闘技大会に向けて練習あるのみっす!」


「やる気があるのは良い事だ。だが休める時は休んでおけ。時間はあるのだからな。」


 ギルは鎌をしまい、ストーレの街へ入る。……あーしも一緒に休むっすかね。









「サリア、食事を持ってきたぞ。ここで昼食にしようではないか。」


「ありがとうっす。ここに置いて欲しいっすよ。」


「分かった。後で良い、これに目を通しておいてくれ。」


「あーい。これは?」


「良いクエストを探していたのだ。歯ごたえのある物を選んできた。修行にもなるからな、今の我らには実戦が必要だ。」


「ですね。……ストーレの復興は、もうすぐ終わりっすね。王国で貰ったこれを使えば。」


 あーしは王国で貰ったカバンを机に乗せる。中にはたくさんのゴールドが入っているっすよ。


「シュリと言ったな。アースラの魔法使いと言うだけはある。ティム達の配信を改めて見たが、奴は出来るぞ。」


「分かってるっす。今回の件で、彼女以外にも色々見たし、警戒は怠らないようにするっす。」


 経験を着実に積んでいるラルフ。スピードとパワーを両立しているミー。カズハは一撃が重いし、アオハは連撃で隙が無い……真っ向からやり合えば苦戦する相手っす。


「負ける気は無いっすけどね。こっちも鍛えてるから、油断しなければ大丈夫っすよ!」


「サキとびー、あの二人もティムと協力すれば手強い。マイラとリッチも居るな……リッチの魔法操作は一流、マイラも我と互角だろう。認めたくは無いがな。」


「他にも強敵はたくさん来るっすよ!さあ、ご飯を食べて、クエストを受けるっす!」


「……了解だ。ならば我は道具を揃えるか。すぐに戻る。」


 今はごちゃごちゃ考えるよりも、とにかく特訓!あーしはもーっと強くなって、ティムを超える最強のテイマーになってみせるっす!
















「うーん。やっぱりストーレのご飯はおいしいっすねー。手も口も止まらないっすよ!」


 今あーしが食べているのはカレーライス!ピリッと辛く、そして野菜が溶け込んだルーが最高っす!コップの水を飲みながら、ギルの持って来た依頼書に目を通す。








「今はお金はあるから、強い魔物が出るクエストを受ける感じっすかね。いや、数の多いクエストを…………いやいや駄目っすねこれじゃ!もうあーしとした事が!」


 依頼の先には困っている人達が居る。それを考えずに受けようとするなんて……あーしはまだまだっすね。


「もっとちゃんと考えよう。緊急性のある物を……。」


 一人になると色々考える。あーしはテイマーって事で、ティムと同じように偏見も結構貰ってたっすよね……。







 でも……依頼が終わって、依頼者が喜んでくれると、とっても嬉しいっす!


 今のあーしにはパートナーが居る、認めてくれたこの街の人達も居る。だから平気っす!









 ◇◇◇



「私の息子達の勇姿を見れるのだ、こんなに嬉しい事はない!」


「流石兄上です!でも俺も強くなりました、兄上には負けませんよ!」









「さーて。じゃあ先生の用事も済んだし、王国会議の配信も終わったな!先生はこれからどうする?」


「は、はい。僕は一度特訓しようと思っています。闘技大会はきっと強い人達が集まる筈です。期間もありますし、今のうちに鍛えようかなと。」


「なら俺とやらないか?俺も特訓考えてるんだよ。一緒にやったらもっと上に行けそうな気がするんだ!」


「それ、ミーも一緒にやっていいかな?三人でやるともっと効率よくなると思うよ!」










「わん!わん」


「びー!びー!」


「ティム様!私、頑張ります!」





 ◇◇◇











「ティム……。」


 同じテイマーのティムと、側に浮かぶ顔。あの子にも、たくさんの友達が出来たんだ。それに、家族も……。







「うらやましいなぁ……」


 私には家族なんて居ない。だから、ティムが眩しく見える時がある。同じスキルを持ってるけど……家族と仲が良いのを見てると、本当に嬉しくて、でもちょっと羨ましくて……。






















「どうしたサリア?やはり疲れているのか?」


「……ギル?」


 あーしは寝てたみたいっすね。ギルの言う通り、疲れが溜まってるっすかね……。


「荷物は揃えた。いつ頃出発するのだ?」


「……ありがとうっす!あーしは何時でも行けるっすよ!これなんかどうですかね?」


「ウム……これならば問題無いな。ならば出るとしよう。終わったら我が奢ってやろうではないか!」


「それは嬉しいっすね。でも急に何でですかね?」


 ギルはあーしの前に立って、顔を見てきた。な、何か付いてるっすか?


「お前がティム達を見てる時、何か寂しそうだったからな。家族から絶縁された時を思い出したのだろう?だが心配するな。我も、この街の者達も、皆お前の味方だ!勿論ティム達もだぞ!」


「ギル……。」


「更に強くなって、追い出した奴らを後悔させてやれば良い!さあ、行くぞ!」


 荷物を背負い歩くギル。……本当に、ギルがパートナーで良かったっす!










「ティム、私頑張るから。アンタに負けない、最強のテイマーに!必ずなってみせるわよ!」


「何か言ったか?」


「いえ!張り切って行くっすよ!」



 気持ちを切り替えっす!闘技大会……必ず勝ってみせるっすよ!



今回も読んで頂き、ありがとうございます。続きが気になる、面白かったと思って頂ければ幸いです。もしよろしければ、ブックマーク、評価を入れて頂ければ嬉しく思います。

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