皆それぞれ、新たなる目標へ!
「報酬!待ってました!で、君はえーっと……。」
「は、はい。私はシュリって言います。地竜の国、アースラの魔法使いです。」
「そうシュリだ!配信見てたからすぐ思い出したよ!な、タルト!」
「かー。」
「あれ、タルト?」
あ、タルトは寝ちゃってる。ミーさんはじっとラルフさんを見てた。
「ラルフ絶対忘れてたよね?はじめまして!ミーは配信者をやってるんだ、よろしくね!」
「わん!わん!」
「はい、ミーさんよろしくお願いします!……えっと、直接会うのは初めてだよね?私はシュリ。ティム君の友達なんだよ!よろしくね、レル!」
「わん!わふー!」
シュリちゃん、報酬って言ってたよね。でも……
「シュリちゃん、僕達は街からの依頼で色々やってたけど、ここに来たのは依頼じゃなくて、ドラゴンを追っていたからなんだ。シュリちゃんの言う報酬って?」
「勿論、そのドラゴンを倒した報酬だよ!皆のおかげでたくさんの人が助かったの!だからそのお礼を……私達がお渡しします!」
「あの、すみません。」
ソードも何だか不思議そうな顔をしてる。気になるなら聞いた方がいいよ!
「どうしてシュリさんが報酬を?ここは王国ですし、もし出すなら王様の筈ですが。」
「ソードさん、そう思いますよね。アハハ……ここの王様、勝手に冒険者が守っただけだから、出すつもりは無いって言ってたんですよ。だから私達が代わりにお渡ししようと思います!」
「それは本当っすか!?貰えるなら嬉しいっすね!」
「確かにな。話を聞かせてくれ。」
「えっ本当に?僕も行く僕も行く!シロメも早くー!」
「うけー。」
「アオハ、シロメ!全くお前達は……シュリ!君も来ていたのか?」
「カズハ!うん、私も用事があったの。今回も助けてくれてありがとう!」
サリアとギル、それにアオハ君達とカズハさんも合流!シュリちゃんは周りを見渡してる!
「後はえっと……マイラさんとリッチさん、街のリーダーのカインさんにフェイクさん。それと三人の英雄さんも!ティム君、皆ここに居るかな?」
「うん!ほらあそこに!」
僕が指さすと、皆は気づいたみたいでこっちに来てくれた!最初はマイラさんだ!
「おや、呼びましたか?」
「何かな?ワシも呼ばれたかの?」
「俺達もか、フェイク立てるかい?」
「ああ。カイン、貴方の方は……大丈夫そうだな。」
「お、俺もか?俺あんまり活躍出来なかったけど。って引っ張るな!足が痛いんだよ!」
「いいから行くわよ!皆に続きなさい!」
「私達の名を上げるチャンスですわ!きっちりアピールしますわよ!」
皆集まった!今回の戦い、こんなにたくさんの人達が手伝ってくれたんだよね!
「コホン。では、今回は皆を助けてくれてありがとうございます。とりあえず、はいティム君!」
「こ、これ?ちょっと見ていい?」
「うん!どうぞどうぞ!」
渡されたのは大きなカバン。中を見ると……たくさんのゴールド!?待って、どれくらいあるのこれ!?
「先生ちょっと見せてくれ。いち、じゅう、ひゃく……万………………待て待て待て!?こんなに入ってるのか!?」
「私の持ち合わせはこれだけなの。場所を教えてくれればちゃんとした額を送金するから!」
「多すぎる!?これ貰えるのか!?」
「ラルフ!これみんなで分ける物だよ!」
「じょ、冗談だって!これは先生達が受け取ってくれよ、今回は大活躍だったもんな!」
ラルフさんがカバンを閉じようとしたら、そこに鎌が差し込まれた。ギル?
「そうだな。我らで受け取るとしよう。額は……よし、分けるとしようか。シュリと言ったな、小さいカバンはあるか?」
「はい!そう言うと思って用意しておきました!」
「感謝する。お前も手伝ってくれたのだ、一緒に分けるぞ!」
「えっ!?は、はい!」
それからギルが手早くゴールドを詰めていく。これだけの量を上手く分けるなんて、ギルは器用だね。
「これで良し。まずはお前だ、受け取れ。」
「俺!?いいよいいよ!俺勝手についてきた訳だからさ!」
「そうはいかん、最初に約束しただろう?報酬はお前の活躍次第だと。……助かったぞラルフ、お前が居て良かった。」
「本当か!?喜んでもらえて俺も嬉しいよ!」
「さて、後は順番に分けるか。均等にしたから問題はあるまい!さあ掛かってくるがいい!」
それから報酬を分配してちょっと休憩。そしていよいよ……僕達はそれぞれで動く事にした。闘技大会、出るからには絶対に勝つぞ!
「じゃあ、これでだいたい終わったかな?」
「うん!シュリちゃんありがとう!そうだ、僕達一度特訓するんだけど、シュリちゃんも一緒にどう?」
「あっ、ごめん!私出られないんだ。魔王も言ってたでしょ?」
「ライアが?ううん、配信では王様以外は誰でも出ていいって言ってたよ?」
「えっ!?あっ!?そ、そうだっけ?えーっと……そう!私女王様のサポートしないと!こう見えても結構偉い魔法使いだから、ね!」
シュリちゃんは顔に手を当てて恥ずかしそうにしている。それを見てると後ろからゴトンと音が聞こえた。
「サリア!良かったら一緒にどう?」
「いーえ。あーしは一度ストーレに帰ってから特訓するっす。カインも居るっすから。ティム、今度会うのを楽しみにしてるっすよ!」
「では、我も行くとしよう。ティム、犬っころ!闘技大会、楽しみに待っていろ!」
「そっか……分かった!お互いに頑張ろうね!」
「わん!わん!」
「はーい!はい!はい!」
あ、次はアオハ君!
「僕も一度実家に帰ろうと思うんだ。友達が増えたって皆に教えてあげないと。ね、シロメ!そうだ、カズハも帰ろうよー!二人で修行すればもーっと強くなれるよ!」
「うけー。」
「……そうだな。私も一度帰るとするかな。ティム、君達とまた会うのが楽しみだな!」
「僕もです!カズハさん、ありがとうございました!」
僕の顔を見て、カズハさんは気合を入れた。僕もカズハさんと戦ってみたい!
「では私も皆と帰りましょうか。リッチ、貴方も一緒にどうですか?」
「えっ、ワシもいいの?そうじゃな……せっかく皆と知り合いになったのじゃ、もうちょっと厄介になろうかの!」
リッチは僕達と合流するんだ、魔法の使い手だし頼りになるぞ!マイラさんにも特訓をお願いしよう!
「俺達はもう少し残るよ。あの勇者と王に一言、言ってやらないと気がすまない!」
「私もだ。会議は途中で終わってしまったからな。はっきりと言っておこう。」
「カインさん、フェイクさん。気をつけてください!」
「ティム、心配するな!彼らは私がお守りするから、皆は心配しないで帰るんだぞ!気をつけてな!」
「父上……はい!では、行ってきます!」
「じゃあ、ここでお別れっすね。」
「皆、今回は世話になったな。闘技大会でまた会おう。その時は楽しませてもらうぞ?」
「負けないよ!サリア、ギル、またね!」
「ええ!ティム、レルそれと皆も元気で!」
まずはサリアとギルが外へ踏み出す。その後すぐに、カズハさんとアオハ君達!
「では、私達も行こう!次会う時は敵同士だ!」
「それを言うならライバル同士でしょ!?皆友達なんだからね!」
「うけー。」
「そ、その通りだな。すまなかった。では、また!」
三人は外に出て、今から家に帰るんだ。あっ、二人が手を繋いでる!
「あの三人仲良しだなー。でも俺達だって!な、行こうぜ皆!」
「かー!」
「はいラルフさん!レル、僕達も!」
「わん!わん!」
「ミーも行くよ!みんなで特訓だー!」
「では帰りますか。村の皆の顔が浮かびますね。」
「ワシも楽しみじゃ!のうソード!」
「はい!兄上の住む村……楽しみです!」
さあ……帰ろう!僕達の村に!
「目指せ一番!僕達なら絶対に出来る!頑張るぞー!」
「わん!わん!わふー!」
「あっ違う!?数日のんびりするって言ってただろ!?ちょっと待ってくれ!」
「えー?もう出ちゃったよ?ミーは早く特訓したいなー。さあ行こう!」
「あ、こらミー離せ!俺はまだのんびりしたい…………いや、そうだなあ。うん、やっぱり早く帰ろうかな。皆といた方が楽しいし。」
「でしょ?さあ、しゅっぱつだー!」
…………さあ、帰ろう!僕達の村に!
「さて、俺達も帰るか!ゆっくり歩いてっと……痛て!」
「大丈夫?しばらく休んだらどう?」
「そうですわ!ここで傷を治して……」
「あ、あの!アーマさん、ウィーさん、ラディさん!」
「シュリ?どうしましたの?」
「もしよければ……皆さん、アースラに来ませんか?」
「アースラ……地竜の国に!?どうして急に?」
「は、はい。女王様に三人の事を伝えたら、とても感謝してたんです。それでお礼に、私達の国に招待したいと。それと私の家に訓練場があるんです。闘技大会に備えて……一緒にどうですか?」
「ど、どうする?俺達ランク低いし……。」
「でも、大会は誰でも出れるのよね?なら私出てみたい!」
「私もですわ!闘技大会……今度は自分が主役になりますの!興味しかありませんわ!」
「そうか、そうだよな!」
「「「是非お願いします!」」」
「こちらこそよろしくお願いします!アースラの魔法使い、シュリの名にかけて、皆様にふさわしい待遇をお約束します!一緒に頑張りましょうね!」
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