魔王からの提案!次なる戦いの合図!
今回から新しい章が始まります。よろしくお願いします。
「はいティム、気持ちいいかな?」
「ミーさん、ありがとうございます。気持ちいいですー。」
「わん!わん!」
「あー、レルそこ押してくれー。ずっと馬車でその後戦闘……色々あってすっかり疲れちゃったよ。」
配信では王国会議が一段落ついて、今は王様達でパーティーをしてるみたい。父上がたくさんワインを飲んでたけど、まだ終了の挨拶ってしてないんだよね。
「ティム、何か気になるようだな?」
「ギル!うん、王様達のあの様子って配信されてるでしょ?何か考えがあるのかな?」
「奴らも言っていただろう。これが新しい一歩だとな。あの形式の方が話が進む、それに外へのアピールになるからな。上手い事を考えたものだ。」
「なるほど!これも作戦なんだね!」
「ウム。では我は向こうに行ってくる。何かあるなら呼んでくれ。」
ギルは奥に歩いて行った。仲良くなるための第一歩……なら大切な事だよね!急にワインを飲み始めたから、ちょっと心配しちゃった!
それで今、僕とラルフさんはミーさんとレルにマッサージしてもらっている最中!何だか眠くなってきちゃった……
「……何してるんですかアンタ達?」
「あっ、サリア!今ミーさんが体をほぐしてくれてるんだよ。サリアもどう?」
「そうですね……確かにあーしも疲れたし、後でお願いしたいっす。」
「いいよー!皆マッサージしてあげよう!ミーは体を動かしてリラックスできるし、一石二鳥だね!」
それから少し時間が経った!うん、体調ばっちり!体が軽くなったみたいだ!
「レル!もふもふさせてー!」
「わん!わん!」
「君達は本当に仲が良いな。見ていてこちらも楽しくなってくるよ。」
「だね!僕ももふもふしようかな?シロメー!どこー?」
カズハさんとアオハ君がこっちを見て笑ってる!奥からはリッチ達がこっちを見てる。皆で休憩すると楽しいなー!
「私達は今から外に出ようと思うが、ティム達も一緒にどうかな?」
「あっ、僕達はここで休もうと思います。」
「分かった。じゃあ行ってくるよ!行くぞアオハ!」
「待って!シロメ見つけたからー!そっち行っちゃ駄目ー!」
二人は外に出て、シロメを追いかけていった。
「よーしレル、僕達も少し動こう!一緒にストレッチだ!」
「わん!わん!」
僕達は他の人達の邪魔にならないよう外に出て、足をほぐす。それから体をピンと伸ばすんだ!
「伸びると気持ちいいね!レル!」
「わん!わん!」
「ティム、何だか楽しそうですね。見てるこっちも楽しくなるっす。」
「そうだ、サリアちょっといい?」
僕はサリアに戦利品を見せる。あのドラゴンを倒した時に手に入れた、黒い玉だ。
「サリア、これってどうする?あのドラゴンを倒した時に出てきたけど。」
「これっすよね。魔石みたいな物ですから、今は取っておく方が良いっす。使うその時が来るまで、保管しておくべきっすよ!」
「分かった、ちゃんと持ってるからね!」
異形の魔物を倒した時に出てきた黒い玉。きっと何かの役に立つと思うし、今はしまっておこう。僕は荷物に黒い玉をしまって、もう一回体を伸ばした。
「おーい!先生ー!ちょっと来てくれー!」
「ん、ラルフっすか?何かあったんですかね?」
「と、とにかく行こう!レル、一緒に!」
「わん!」
あっ、ラルフさんの声!一度戻ってみよう!
「どうしたんですかラルフさん!?」
ラルフさんは今も配信を見てるけど、何だか凄く興奮してる!
「今、会議の配信で何か凄い発表があるって言ってたんだよ!先生もサリアも一緒に見ようぜ!」
「あーっ駄目!ティムとはミーが一緒に見るの!はいティムこっちこっち!」
「二人は自分の魔導パソコンで見ると良いっす。ティムはあーしと見るんですから。さあティム、ここに乗るっす!」
「わっ!?」
「わん!」
サリアの膝に乗って、一緒に配信を見ることにした。そこに映っていたのは……ライア?
◇◇◇
「ふーっ!皆で飲むと旨いのう!こんなにたくさん飲んだのは久しぶりなのじゃ!」
「もー!閉会宣言!お嬢様ちゃんとして下さいよ!」
ごくごくとワインを飲んでから、顔を赤くして画面に話しかけるライア。それをルーが怒っている場面が現れた。
「フッフッフ。儂、いい事を思いついたのじゃ!これは皆にメリットがある事なのじゃー!」
「適当な思いつきで話すのはやめて下さい!お嬢様は魔王なんですよ!?」
「聞くが良い、この配信を見ている皆の者達よ!儂ら魔王と、他の国の王様達、これからちょっとずつ協力関係を作りたいと思うのじゃ。これは見ている者なら知っているはずなのじゃ!」
「それはさっき言いましたからね!その後皆で飲み始めたんですよ!ずっと言ってますけどまずは会議を終わりにして下さい!」
「ルー。閉会宣言はまだ……つまり会議は終わってないのじゃ。これはさっき、こっそりと他の王達にも許可を取ったのじゃ!」
「ええ!?いつの間に……。」
「では発表するのじゃ!それはな……。」
「そ、それは!?」
「皆の者!儂ら合同で、闘技大会を開くのじゃーーー!」
◇◇◇
「闘技大会?何だそりゃ?」
「大会っすか……何を考えてるっすかね。」
「大会?中身はどんな感じなんだろうね。それってミー達も出られるのかな?」
「続きを見てみるっすよ。今説明すると思うっすから。」
突然出てきた言葉……闘技大会?気になるなぁ、配信ちゃんと見ておかないと!
「レル、一緒に見よう!」
「わん!わん!」
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