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配信テイマー、我が道を行く!〜戻って来いと言われても知りません!僕は大切な仲間と一緒に冒険してるんだから!  作者: ゆん。
第十章

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集まる増援、黒きドラゴンの咆哮!

「もうすぐ到着しますね。急がなければ王国が危ない!」


 空を飛び王国に向かうマイラ。ティム達の下を離れてから、全力で移動している。


「リッチの予想通りなら、王国にも味方が居るはず。協力すればきっと倒せるはずです。……おや、あれは?」


 そのマイラの向かう先、そこに人の姿が映る。見つけたのは獣の耳と尻尾を持った少女だった。


「もしもし!貴方も王国に向かっているのですか!」


「え?うん!ミーも、ってあなた誰!?」









 マイラが見つけた少女は、ティムとラルフの二人と一緒に配信していた少女、ミーだった。


「貴方は!そうか、この姿では分かりませんよね。距離的にも丁度いい。ここで姿を変えましょうか。」


 マイラが地面に着地し、魔物から人の姿へ。それを見たミーは、目をパチパチとさせていた。



「あ!」


「分かりましたか?」


「うん!マイラだよね、ティムの村で一度会ったもんね!」


「はい。この方向、もしかしてミーも?」


「そうだよ!ティムが配信で言ってたでしょ?王国にドラゴンが近づいてるって。ラルフも一緒だったし、ミーも協力するために来たんだよ!」


 マイラはホッと一息ついて、ミーを見た。


「ありがとうございます。今は私一人です。ティム達は後で合流します。」


「へー……マイラの方が速いから、先に来たって事だね!じゃあ、皆はすぐそこに来てるんだ!」


「ええ。彼らが追いつくまで敵を食い止める事が私の仕事です。一緒にやりませんか?」


「もちろん!レアな配信も撮れるからね!」


 二人は軽く拳を合わせると、王国に向けて走り出した。



















「これでどうだ!!」


「ギャァァァ!ギャァァァ!!?」


「グワッ!?」


「ガウウ!?」


 カインの剣の一振りで、多くの魔物達が吹き飛び倒れていく。彼が門を見ると、足元が滑り、地面に倒れ込むドラゴンの姿が映った。


「いい調子だね!これならサリア達が来るまで何とかなりそうだ!そらっ!」


 また剣を一振り、そして敵が飛ぶ。カインは魔物の大群を余裕を持って迎え撃つ。


「にしても数が多いな。少し下がってアーマとラディに合流……駄目だな。二人を巻き込んだら危ない!ここで敵を減らしていこう!」


 更に押し寄せる魔物の大群。カインはそこに剣を向け、突進していった。
















「はぁ、はぁ……。」


「ゴギャァァァァ!!!」


「疲れてきました……斬っても燃やしても、まるで効き目が無い!」


「ダメージが入るのは毒を仕掛けた後、ですね……。」


「も、もう無理……ポーションがあっても、体力が追いつかないわよ。」


 ソードとシュリはドラゴンの前に立つが、疲労が溜まっているのか息が上がっている。ウィーはその場に座ってしまい、動けなくなっていた。


「あと少しだ、そうすれば兄上が来てくれる!皆さん、もう少し力を貸してください!」


「勿論です!必ず奴を倒しましょう!」


「お、おー!でも、ちょっと休ませて!」













「ならここは私がやろう!三人は休んでくれ!」



「ゴギャァァァァ??!!」


「えっ?」


「貴方は!」


 三人の頭上を誰かが飛び越え、ドラゴンを斬りつける。ドラゴンの咆哮が響く中現れたのはフェイクだった。


「武器は色々持って来た。これで少しは持つだろう!」


 剣を鞘に収め、次に出したのは小型のマシンガン。轟音とともに弾丸がドラゴンに襲いかかる。


「ゴギャァァァァ!???ギャァァァ!!!」


「今のうちに後ろへ下がるんだ!ポーションは新しく持って来た!」


「ありがとうございます!シュリさん、ウィーさん!」


「お願いします!フェイクさん!」


 三人を退避させ、マシンガンを撃ち続けるフェイク。彼はだんだんとドラゴンへ接近する。


「そろそろ弾切れか。次はこれだ!」


 マシンガンをドラゴンの後ろに投げ、次に出したのはバズーカ砲。空中に飛び上がり、背後を取ると引き金を引いた。



「ゴギャァァァァ!!!ゴギャァァァァ!!」


「こっちを向いたらどうだ?よそ見している暇は無いだろう!」


「ゴギャァァァァ!!????!」


 門の外へ降りながらバズーカを連射。地面に着くとすぐに、落としたマシンガンに弾を込める。ドラゴンはよろけて、門の外へ歩き出した。


「弾薬はまだあるぞ、全弾持っていけ!」


「お、おいアンタ!気をつけろよ!そのドラゴン、傷がすぐに治っちまうらしいんだ!」


 アーマが遠くから忠告する。彼の少し先では、ラディが高速で移動しながら魔物を引きつけていた。


「あれは……なるほど、了解した!」


 フェイクは二人の作戦を予測し、あまり近づかないよう位置を決める。


「よし、これなら邪魔にならないだろう。このまま動きを止めてみせる!」


 マシンガンを構え、ドラゴンへ発射するフェイク。態勢を崩したのかドラゴンは先程から動けず、彼を睨みつけながら攻撃に耐えていた。



















「この調子だ。まずはソード達が復帰するのを待つ。その後は皆で攻撃して、ティム達が来るのを待てばいい。まだ弾はある……撃ち続けるんだ!」


「…………ゴギャ。」


「このままだ……このまま。」


 距離を維持して攻撃をするフェイク。だがドラゴンはそれを動かずに耐え続ける。


「ここでもう一度だ!火薬を詰め込んだ弾薬を使う!」


 再びバズーカを構え、弾を込めて引き金を引く。だが、この間もドラゴンは動かない。




「……待て、何故動かない?奴は何を考えて……?」


 フェイクは自分の位置を確認する。自分とドラゴンは門から離れて、少し進んだ場所。先ではアーマとラディ、更に奥ではカインが戦っている。そして門の中はソード達が奥に退避している。








「皆の距離的に、ここが中心に近い……中心?」


 フェイクの予測は、ある場面に行き着いた。



「ティムがアースラのダンジョン……そう、神殿でこれに近い魔物と戦っていた。その時に魔物は衝撃波を出していた。…………まさか中心に来たのは!?」


「…………ゴギャァ。」


 ニヤリと笑ったかのような、ドラゴンの声。それを聞いたフェイクは頭で状況を分析する。



「奴はここに私をおびき寄せた!?ソード達から離れて追撃を避けつつ、外で戦う三人にも攻撃が当たる場所……ここを目指していた!よろけた動きは演技だったのか!」










「皆気をつけろ!このドラゴン、大技を」


 フェイクが警告を発した時、同じ様にドラゴンも口を開いていた。








「ピギャァァァァァァァァァァ!!!!!!!」


 ドラゴンの咆哮。それは地面を抉り冒険者達を襲う。衝撃波が王国の城壁を砕き、魔物を巻き込み広範囲へ広がっていった。




「ピギャァァァァァァァァァァ!!ピギャァァァァァ!??!!」












 城壁が砕け、王国の街がドラゴンの視界に入る。それを見て、ドラゴンは一歩ずつ進んで行った。

今回も読んで頂き、ありがとうございます。続きが気になる、面白かったと思って頂ければ幸いです。もしよろしければ、ブックマーク、評価を入れて頂ければ嬉しく思います。

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