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配信テイマー、我が道を行く!〜戻って来いと言われても知りません!僕は大切な仲間と一緒に冒険してるんだから!  作者: ゆん。
第十章

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襲撃、黒きドラゴン!

「ゴギャァァァァ!!?グギャァァァ!???」


「やった!上手くいった!」


「あ、ありがとうございます!」


 ソードは少女にお礼を言うと、彼女はソードの手をギュッと握る。すると体がキラキラと光りだした。


「あの、これは?」


「貴方に補助魔法をかけました。これで普段よりも力が出せると思います!」


「本当だ、力が湧いてくる……ありがとうございます!貴方はシュリさんですよね!兄上の配信で見ました!」


 ソードは剣を握りながら、緑髪の少女……シュリに質問した。


「えっ、兄上?……もしかして、貴方はティム君の弟さんですか?」


「はい!」


「なら、あの魔王が言ってた事は本当なんだ……。」


「はい、俺は兄上の……あれ?シュリさんあの場に居ましたか?」


「えっ!?あ、うん!私も会議に参加してたんです。そ、そんな事より、まずはあのドラゴンを何とかしないと!」


 二人はドラゴンに目を向けた。ドラゴンは立ち上がると二人を睨みつける。


「ゴギャァァァァ!!!?ピギャァァァァァ!!!!」


「来ます、援護は任せて!」


「はい!行くぞドラゴン!」


 ソードが剣に魔力を込め走り出す。対するドラゴンは息を吸い込み、腹部を大きく膨らませた。


「ゴギャァァァァ!!」


「見えた、そこだ!」


 口から黒いブレスを吐くドラゴン。ソードは加速し、ブレスの下をくぐり抜ける。


「これが俺達の力だ!ソードアッパー!」


 魔力を持った剣をぶつけて一気に上に振り上げるソード。その剣は光を放ちながら敵を縦に斬る。


「ゴギャァァァァ!」


「次はこれだ!メガフレイム!」


 続いて剣の先を斬りつけた場所に当て、火の魔法を叩きつける。


「ここだぁぁぁーーー!!」


「ゴギャァァァァ!!!!」


「うわっ!?」


「危ない!」





 しかし、ドラゴンの足がソードの背中に当たる……直前、シュリがバリアを展開。彼は吹き飛びつつも、すぐに着地出来た。一度距離をとったソードは、ドラゴンの様子を観察する。





「そ、そんな!確かに斬ったのに、傷が……。」


 ドラゴンの腹部の傷はもう治りかけていた。煙を上げながら傷が塞がりはじめ……そして完全に元通りになった。


「やっぱり駄目ですか……毒の攻撃を仕掛けないと、あのドラゴンは倒せません!」


「で、ではどう対抗すれば!」


「ソードさん!魔物の毒針とか、毒の武器とかありませんか!?」


「え、俺は持ってません!」


「なら今出来る事は!ハァッ!」


 今度はシュリが杖に魔力を込め、ドラゴンの側に壁を数枚展開する。


「私達で足止めします!ティム君が来てるなら、対策を持って来てくれるはずです!」


「兄上!そうだ、兄上もここに向かってるんだ!何とか抑えないと!」


「ゴギャァァァァ!!!」


「そこっ!ホーリースパーク!」


 壁で動きを止め、隙間から魔法で攻撃を仕掛けるシュリ。それを見て、ソードも両手をドラゴンに向けた。


「もう一回だ!メガフレイム!」


 放たれた炎は形を変え、小さな玉になる。これが隙間を抜け、敵に着弾すると一気に燃え上がる。









「ゴギャァァァァ!!!ゴギャァァァァ!!???」


 光と炎が体にまとわりつき、暴れるドラゴン。だが壁に阻まれ、動きが鈍る。


「このまま、このままです!」


「シュリさん凄い……俺も負けません!」










 二人でドラゴンを足止めしていると、突然ドラゴンが動きを止めた。体には目立ったダメージは無い……シュリは首を傾げた。


「と、止まった?」


「ガギャァァァァ!ガギャァァァァ!!!!!」


「な、何だいきなり!?」


「い、今の鳴き声は一体……。」

















「……え、嘘!?」


「シュリさん?どうしました?」


「あ、あれを!」


 シュリが指さす方向を見るソード。見えたものは黒い霧だった。


「何ですかあれは!?こっちに、近づいて来てる?」


「もしかして……なら時間が無い!ま、まずはこのドラゴンを止めます!」


 シュリは壁を展開し、攻撃用の隙間を埋めた。更に地面に手をつき、魔力を送り込む。


「アースニードル!」


「こ、これは!?」


 ドラゴンのいる地面が盛り上がり、そこからトゲが突き出す。ドラゴンの体を貫き、完全に動きを止めた。


「はぁぁぁぁぁ!」


「ゴギャァァァァ!!ゴギャァァァァ!???」


「あ、あんなに大きなドラゴンを止めるなんて、何て力だ……!」


「これで少しは時間を稼げるはずです!次はあれを!」



 もう一度、遠くの黒い霧を指さしたシュリ。ソードも目を凝らして確認する。


「あ、あれは霧じゃない!?魔物の群れだ!」


「恐らくこのドラゴンの魔力に釣られてここに来たんです。あんなに来るなんて!」


「ど、どうしますか!?このままじゃ街を守れない!」


「ここは一度門に戻りましょう。ここで戦ったら囲まれてしまいます!」


「でも、そうしたら街が!」


 剣を持ったまま迷うソード。彼にシュリが近づく。








「もし私達が倒れたら、魔物達が一気に攻めて来ます。そうしたら皆逃げ切れない!ここは下がるべきです!」


「た、確かにそうですが……」


「門の前で戦うんです。そうすれば敵は門からしか入れない!こちらも迎撃しやすくなります!」


「わ、分かりました!一度中に入りましょう!」


 動きを止めたドラゴンを確認し、急いで門の中に戻る二人。入り口についているレバーを握り、力を込める。


「一度門を閉めて!少しでも時間を稼ぐんです!」


「はい!」


 二人で必死にレバーを降ろし、門を閉じ始めたその時……

















「お、おーい!ちょっと待ってくれ!俺達も入れてくれー!」


「もう少しよ、皆頑張ってー!」


「もう!だから急ごうと言いましたのに!」



 魔物達が来る方向とは別の場所から、三人の男女が門に向かって走って来たのだった。

今回も読んで頂き、ありがとうございます。続きが気になる、面白かったと思って頂ければ幸いです。もしよろしければ、ブックマーク、評価を入れて頂ければ嬉しく思います。

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