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配信テイマー、我が道を行く!〜戻って来いと言われても知りません!僕は大切な仲間と一緒に冒険してるんだから!  作者: ゆん。
第十章

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加速する脅威、走れ王国へ!/剣聖の誇りを持って

「皆さん、あれを見て下さい!」


「マイラ?どうしたのじゃ?……なるほど!」


「ちょっと待ってくれ!あれって……ああ!あれか!」


「ラルフ達は何を見たんですかね?あーし達は今配信中っすけど。」


「二人は集中しててね!僕が見るから!……おっ!あれだね!」


「もう!あれって何なんですか!?教えて下さいっす!」


 僕達はカメラの前で配信中!その時マイラさんが大きな声を出した。それに合わせてラルフさんとリッチ、アオハ君が先の光景を見てるみたい。


「先生、サリア!もうすぐだぞ!うっすらだけど、王国が見えてきた!」


「遂に来たか……!犬っころ、準備は出来ているな!?」


「わん!わん!」


 レルの足元には空になったポーションが袋に詰められている。僕達もきっちり飲んだから、体力も魔力も万全だよ!


「ギル、運転変わるっすか?」


「このままで行くぞ!我なら止めた後すぐに行動出来る!」


「外に居た方が動きやすいもんね。レル、僕達は中で待機だよ!」


「わん!わん!」


 一応武器を確認……数もあるし壊れてない!いいぞ、これならすぐに戦える!


「サリア、一緒に頑張ろうね!」


「ええ!あーし達の力、見せつけてやりましょう!」


 ふー、ふー。うん!やれるぞ!僕達ならできる、僕達ならできる!


「さあ行こうぜ!王国へ突入だ!俺達の」



 ……あれ?急に空気が変わっ









「ゴギャァァアァァアァア!!!ゴギャァァァアァアァ!!!!?」












 …………えっ!?



「わあああ!?びっくりした!?」


「アオハ!くっ、一度止まるぞ!」


「お、俺達もだ!」


 何!?ドラゴンが咆哮をあげたの!?



「カズハさん、ラルフさん!大丈夫ですか?」


「危ねぇ!手元が狂う所だったよ!あっ、タルト大丈夫か!?ひっくり返ってるぞ!」


「か、かー。かめー。」


「よしっと。カズハ、そっちは?」


「こちらは問題無い!ギルの方はどうだ?」


「貴様達と同じだ!それよりもあれを見ろ!」


 一度馬車を止めて上を見ると……ドラゴンが居ない!




「皆さん!前を!」


「前?……え!?」


「これはまずいっすね……ティム、配信は出来てるっすか!?」


「う、うん!」


 僕達はすぐに魔導カメラの方を向いた。い、急がないと!








「王国の皆さん!緊急事態です!ドラゴンが急にスピードを上げて……ああ、もうあんな所に!」


「ちょっと失礼!王国の人達!もう時間が無いっす!ティムが言った通り、ドラゴンが急加速してるっす!たぶん、数分もしないうちに到着するっす!」


「僕達は今追いかけてるけど、追いつくのには時間がかかります!だから、街の人達の避難を最優先に、街の防御を!」


 これで伝わったかな?でも、一気に余裕が無くなっちゃったよ!?


「あまり猶予はありません!私が先に行きましょう!」


「駄目だ!単独で動くのは危険過ぎる!貴様はヘルキマイラだ、下手を打てば一緒に攻撃されるぞ!」


「では直前で人に戻りましょう。時間は必要ですが……皆さんよりは早く着く!」


「お願いするっす!少しでも戦力が必要ですから!」


「では、先に行ってますよ!」


 マイラさんは翼を大きく動かして加速!ドラゴンを追跡し始めた!


「我らも行くぞ!」


「おう!でも、馬が怪我したら追えなくなるから、無理なスピードは出せないぞ!」


「こうなっては仕方が無い。王国の方に期待するしか無いな。ここまでは上手くいってるんだ、次も上手くいく……そうだろう、リッチ?」


「じゃな!ティム達がちゃんと伝えてくれたから……きっと大丈夫じゃ!」





 ギル、ラルフさん、カズハさんがスピードを上げてドラゴンを追う!


 大丈夫、大丈夫!僕達なら大丈夫だ!















 ◇◇◇


「暇だな。」


「暇だな。」


「あの配信、嘘とは思えないが……来ないなら一安心だ。」


「だな。アタシは後で何か食うか。シンマも一緒にどうだい?」


「実に良い!どこで食べる……お、あれは……ドレイク!空を見るのだ!」


「空?何に……おい!何だありゃ!?さっきまで無かったぞ!?」


 ベランダから外を覗く王二人。見えたのは今まで無かった黒い魔物が、こちらに全速力で飛んでくる光景だった。






「クソッ!やっぱりあの子達の言ってた事は本当だったんだ!」


「ではどうする?やはり動くか?」


「いや、ここはジュリア達に任せるしかないだろ。さっきも言ったがアタシが手を出す必要は無いし……ハァ、出すわけにもいかないからな。」


「騎士団長と勇者だな。分かった、なら出来る事はここを死守する事だな。」


「ここは一つ、お手並み拝見といこうか。」


「仕方あるまい。ここは頼むぞジュリア!」


 二人はジュリアを心配しつつも、外の様子を眺める事しか出来なかった……。













「シャーユ!来たぞ!黒い魔物だ!」


「き、来たか!いいぜいいぜ!どんどん暴れろ!弱った時が貴様の最期だ!」


「一応騎士達を集めて、ここの守りを万全にしましょう。……おい!命令だ!他の騎士達をここに呼べ!」


「ハッ!」


 王とシャーユ達は高みの見物。向かって来る魔物の様子をワインを飲みながら楽しんでいるのだった。





「お嬢様……」


「ここまで腐っているとは思わなかったのう。じゃがそう望むのならそうしてやろう。ルー、一切手を出してはならぬぞ。」


「でも……」


「これが王国じゃ。それに向こうにはティム先生がついておる。何とかしてくれる筈じゃ。」


 一方のライアもワインを飲んでいる。しかし、その鋭い目は正確に黒い魔物を捉えていた。























「来たぞー!魔物が来たぞー!」


 門から響く門番の声。それと同時に人々が慌てだした。


「おい!魔物が攻めてきてるぞ!早く逃げろ!」


「ふざけやがって!どうして誘導が無いんだ!どこに逃げればいい!?」


「上の連中は私達の事を何だと思っているのよ!?」


「あの剣聖のガキが!よくも俺達を騙しやがったな!もっと早く逃げるように言えよ!」



 ソードが警告していた住民達が喚きながら逃げ出す。一方、ソードは門に向けて走っている。



「み、見える、あれがドラゴン!急がないと!」


「急げ!早く王の下へ!」


「「「おー!」」


 彼が門に向かっていると、逆に城に向かう騎士達とすれ違った。



「……え!?待って下さい!敵はどうするのですか!?」


「知るか!俺達は王の警護があるんだ!勝手にやっていろ!」


「な、何を!そもそも貴方達の仕事は」


「時間の無駄だ!じゃあな!」


















「そ、そんな……」


 騎士達はそのまま城へと帰っていった。そのタイミングで執事やメイド達と合流する。


「坊ちゃま!坊ちゃま!いよいよです、準備は出来ていますか!?」


「お、俺、もうどうすればいいか……騎士さん達は一斉に逃げ出してしまったんです。不安になってしまって……。」


「坊ちゃま……そうだ、これをご覧ください!」


「こ、これは?」


 それは一つの配信。兄であるティムが魔物の動きを配信している。馬車に揺られながら、敵の様子を伝えている様子が映っていた。





「ティム坊ちゃまも頑張ってます!それにもうすぐここに到着するようです!」


「兄上…………。」


「今皆を守れるのは坊ちゃまだけではありません!我々もおります!」


「避難誘導ならお任せ下さい!この状況なら、話を聞いてくれますよ!」


 皆の言葉を聞き、配信を見たソードは力強く剣を握り、空へと掲げた。








「そ、そうだ……そうだ!俺は父上の、剣聖ガイアの息子なんだ!俺は剣聖ソード!皆の事は、俺が守ってみせます!俺なら出来る、俺達なら出来る!」


「坊ちゃま!」


「はい!皆さん、街の人達をお願いします!」






 避難場所を執事達に伝えたソードはすぐに門に到着。外に出ると、ドラゴンが迫って来ているのは一目で分かった。


「こ、来い!お、俺が必ず止めてみせる!……兄上、見ていて下さい!」



 近づくにつれ、更に大きく見えるドラゴン。敵は高速で街に突進し…………














「ホーリーヴェール!」


「ゴギャァァアァァアァア!!!ゴギャァァァアァアァ!!!!?」


「……えっ?」


 王国の門の直前で、現れた白い壁に弾き飛ばされた。




「あ、貴方は!?」


 ソードが横を振り向くとそこに立っていたのは……緑色の髪を揺らし、竜のアクセサリーをつけた少女だった。












「貴方の誇りに敬意を持って!この戦い、私もお手伝いさせて頂きます!」

今回も読んで頂き、ありがとうございます。続きが気になる、面白かったと思って頂ければ幸いです。もしよろしければ、ブックマーク、評価を入れて頂ければ嬉しく思います。

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