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配信テイマー、我が道を行く!〜戻って来いと言われても知りません!僕は大切な仲間と一緒に冒険してるんだから!  作者: ゆん。
第十章

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王国会議、暴かれる王国の悪事

「う、嘘だろ……お前は、魔王!」


「おお!駆け落ち勇者と騎士団長ではないか!久しぶりじゃのう!」


「か、駆け落ち……」


「だ、黙れ!貴様はここで俺が倒す!」


 唐突に現れた魔王ライアとメイドのルー。この二人に勇者シャーユは接近して剣を振る。


「……やはり成長しておらんな。」


「なっ!?」


「ほいっ。」


「げふぅ!?」


 しかし剣は指一本で止められ、軽く動かした拍子にシャーユは壁に叩きつけられた。





「ま、こんなも」


「お嬢様!」


「……ほう!」



 ライアが他の参加者に目を向けると、今度はドレイクが手を首に突き立てていた。


 一方、ルーの側にはカインが移動し剣を向けている。


「流石にいい動きです。これなら私も楽しめそう!」


「馬鹿者!儂らは戦いに来たわけではないのじゃぞ!お主達も剣を降ろしてくれぬか。お願いじゃ!」


「……それをアタシ達が信用するとでも?」


「君達が魔王か……サリアが世話になったね。」


「お、おお!お主カインじゃな!サリアの配信もチェックしておるぞ!た、頼むのじゃ、剣を、剣を降ろして欲しいのじゃーー!」


 ライアの叫びの後に沈黙が続く。状況が動かない中、今度はシンマが声を上げた。











「分かった。ならここに座るといい。」


「おいシンマ!何のつもりだ!?」


「ドレイク、冷静に見るのだ。もし魔王達が我々を倒しに来たのなら、さっきの一瞬で終わっている。」


「アタシ達がやられるって意味か?」


「状況次第だな。足元を見てみるといい。」


「足元?……あ。」


 ドレイクが魔王二人の足元を見ると顔色を変える。そこには植物のツルが絡みつき、足をきつく縛っていた。



「……現れた瞬間に仕掛けたのか。相変わらず凄ぇなジュリア。」


「いざとなれば私が殺るわ。それに魔王が来たのなら、何かいい知恵があるかも。話を聞いてからでも良いんじゃないかしら?」


「えっ……それだと儂、最後に死んじゃう……?」


「ったく、分かったよ!ホラ、座りな!」


「……急に手を出して済まなかったな。」


「あ、いえ!大丈夫ですよ!こちらも急に来てごめんなさい……次は扉から入りますね。」


 武器を降ろし、席を勧めるドレイク達。それを見たライアとルーは礼をしてからそこに座り、会議が再開される。
















「まあいいか。そのティムって子にも事情があるんだろうな。ならジュリア、この配信で取れたデータを一番に貸してくれ!報酬には色をつけとくから!」


「なら後で送るわ。って言ってもだいたい配信をまとめただけよ?」


「我らにもくれ!実に良い情報だ、是非持ち帰りたい!」


「ま、待て!」



 各地の王が盛り上がっていると、グランド王国の王がストップをかける。三人はすぐにそちらを向いた。


「そのデータ……王国で預かる!早急に寄越すのだ、これは命令だ!」


「え、嫌だけど。」


「な、何だと!?王国のピンチなのだぞ!?データをありがたく貰ってやろうというのに何という態度だ!」


「……そういう態度で来るのね。ならここで新しい議題の提案といきましょうか。最近あちこちで聞く話だからね。」


 ジュリアは書類を取り出し、それを板に映してもらう。そこにあるのは、地竜の国に居た王国の冒険者達だった。





「や、奴らは!」


「今はこちらの牢屋に閉じ込めているわ。私達の国の冒険者達と、警備隊長がずいぶん酷い目にあったのよね……。これも配信があるわよ、ティム君のね。」


「き、貴様!王国の権威を貶めるつもりか!」


「それについて、俺からも言いたい事がある!」


「私からもだ。一応まとめておいて正解だった。」




 手を同時に挙げるカインとフェイク。二人も持参した書類と魔導パソコンを持って、板に映してもらった。内容は自分達がリーダーを務める街の事。


 カインの持って来た物は、ストーレの街に勇者と王国の冒険者が現れ、その後ブラッドゴーレムが襲って来た事についての書類。


 フェイクの用意した物は、カーノンの街への人さらい襲撃事件。それに関わる王国との裏取り引きの書類だった。





「勇者シャーユ!あの時は随分とやってくれたじゃないか!掃き溜め掃き溜めって、そんなに俺達の街が気に食わなかったのか!?」


「私も彼と同意見だ。騎士団長ジャンヌ……兵器の納品はきっちりと行っていた筈。実権を握る為とは言え、何故街の者達を危険に晒したんだ?そんな事をすれば生産も遅れるだろう?」


 カインは怒りながら、フェイクはあくまで冷静に話す。王の横に居るシャーユとジャンヌ、二人は滝のような汗をかいていた。





「おいおい、もし本当ならこりゃ酷えな。どうしてこんな事したんだ?メリット何にも無いだろ。」


「実に良くないな。他国に知れれば王国の威厳は保たれまい。」


 ドレイクとシンマはこれを見て呆れた顔をしている。一方、剣聖ガイアはまたしてもノーコメントである。


「ち、父上。勇者達がこんな事をしているのに、何も言わないのですか?」


「落ち着けソード。これは王の問題だ。今はまだ……我らが口を挟む事では無いのだ。」













「こっちは怪我人も出たし、証拠になる配信だって残ってるんだ!いい加減認めて謝ってくれ!」


「知った事か!俺がやった証拠なんて無い!」


「こっちで捕まえた冒険者達を突き出しただろう!奴らを呼べばすぐに分かる!」


「し、知らないな!第一、俺は勇者だぞ!俺に逆らったらどうなるか教えてやろうか?」


「望む所だ、やってやる!俺に勝てる自信があるんだろう!」


「こ、今回は見逃してやる!感謝して手を引け!命令だ!」




 その後の会議は荒れ、王国から被害を受けた者達と勇者達で言い合いが続いた。カインとシャーユの応酬、それを腕組みをしながら聞いていた魔王ライアが唐突に手を挙げた。




「はーい!儂ちょっと良い考えがあるのじゃ!」


「何だ!?」


「そこまで言うなら、先生を呼んだらいいじゃろ?」


「…………は?」


「じゃから、先生にここへ来てもらえばいいのじゃ!」


 シャーユがポカンと口を開け、周りも静寂に包まれる。その反応を見て、ライアはニヤリと笑った。



今回も読んで頂き、ありがとうございます。続きが気になる、面白かったと思って頂ければ幸いです。もしよろしければ、ブックマーク、評価を入れて頂ければ嬉しく思います。

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