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配信テイマー、我が道を行く!〜戻って来いと言われても知りません!僕は大切な仲間と一緒に冒険してるんだから!  作者: ゆん。
第九章

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閑話 いざ、王国会議へ

今回はストーレのリーダー、カインとディムの家族の話になります。よろしくお願いします。

「さて、着いたぞ。いよいよ王国かな。はぁ。」


 一人の男性がある街から歩き続け、王国の入り口を見る。彼はため息をつきながら門に到着、門番に声をかける。


「すいませーん。王国会議に呼ばれて来ましたー。」


「ん?誰だ一体……お、お前は!」


 驚きの声を上げる門番。もっとも、驚くのも当然である。ここに居たのは……








「一応手続きはしておかないとね。ほら、ボディチェックでも何でもすればいいさ!」


 ストーレの街のリーダーである、カインその人だったのだから。チェックを通過し門の中へ、すると飾り付けられた街並みが目に入った。


「王が何を考えているかは知らないけれど、もし俺達の居場所を奪うようなら……こっちもやるだけさ。」













「あれは……見て!カインさんよ!超凄腕の冒険者にして、街のリーダーをやってるのよね!」


「だが、奴がやっているのはゴミ共の掃き溜め、ストーレのリーダーだ。奴の実績も名声も、それだけで地に落ちる。」


「本当よね。勿体ないわ……。」




「言いたい放題言ってくれるよ。そうやって他の種族や気に入らない人間を追い出すから、俺が街を作ったんじゃないか。」


 周りの声を聞き、苦笑いしながらも足取りは乱れない。会議場所である城に向かって一歩ずつ進んでいった。










 そして城に到着。もう一度騎士達から検査を受けた後、城の一室に案内された。


「ここに入れ。会議は二日後だ。全く、貴様のような奴を入れなければならないとは。」


「それは大変だったね。別に俺は何もしないから、安心してよ。」


「当たり前だ。掃き溜めのリーダーなんぞに何か出来る訳が無い。」


 そしてカインは部屋に押し込まれ、乱暴に扉を閉められた。



「部屋はちゃんとしてるんだな……この対応俺だからやってるんだよね?他の参加者にやっていたら大問題だぞ?」


 自分では無く他の者を心配しながら、彼はベッドに寝転んだ。


「さて、少しのんびりと過ごしますか。そのうち呼ばれるでしょ。疲れてるしちょっと寝よう……」


 カインはそう言って、ベッドの上で昼寝を始めるのだった。

















 ◇◇◇


「父上、いよいよですね。」


「ああ。王からの呼び出しとは驚いた。何をするのかは分からないが、早めに来ておいて正解だったな。」


 一方、彼らはテイマーであるティムの家族である。父である剣聖のガイアと、同じ剣聖で弟のソード、二人は何人かの部下を連れて王国に顔を出していた。


「最近王国に批判的な意見が出てますよね。それについての対応でしょうか?」


「勇者が絡んでいるようだからな。確かにあの勇者では問題が起きるのも当然だろう。」


「あの男が兄上を……。」


「まあそのおかげで、ティムは配信者として元気にやっているのだ。それは一旦置いておこう。」


 ソードは木刀を素振りしながら険しい顔をしている。ガイアは彼をなだめたが、彼の顔もまた険しかった。


「最近黒い霧を纏った魔物が増えている。奴らの対処が議題に上がるかもしれない。ここで情報を集めて、何らかの手を考えたいな。」


「失礼いたします!」


 それからガイアが木の陰で考え事を始めてすぐに扉が開き、執事が現れる。




「旦那様!坊ちゃま!おやつの時間ですぞ!今日は我々でクッキーを用意しました!……もしかしてお邪魔でしたか?」


「おお、助かる!ちょうど小腹が空いていた所だ。皆を集めてくれ、一緒に食べようではないか!」


「承知しました、すぐに連れて来ます!」


 執事はメイドや料理人を呼びに慌ただしく出ていった。



「俺も丁度いい所ですし、ここで休憩にします!」


「そうだな。では皆で食べながらこれを見ようではないか!さて、どれにしようか……」


 ガイアが取り出したのは魔導パソコン。彼がチェックした配信を探している間、ソードは窓の外を覗いていた。



「兄上……負けませんよ!俺は必ず立派な剣聖になります!そして父上も兄上も、絶対に超えてみせますから!」


「ソード、準備出来たぞ!」


「はい!俺も行きます!」



 一言空に呟いてから、ソードは家の者達と一緒にティータイムを楽しむのだった。












 ◇◇◇


 それからしばらく。遂に王国会議の日が訪れた。国王や勇者はもちろん、他の国の要人も参加するこの会議に向けて、多くの者達が歩いている。


「す、少し体が……。」


「あまり固くなるな!いつも通りでいいのだ!」


 ソードの背中を押して、ガイアは会議場へ向かう。すると入り口には、青髪の男性が立っていた。



「おや?貴方はカイン殿ですかな?」


「えっ?……け、剣聖ガイア!?」


「貴方の活躍は聞いている。ストーレの街をより良くする為にも、王国会議、共に頑張ろう!」


「ち、父上待って下さい!」


 ソードはカインにペコリと頭を下げて、一緒に中に入っていった。










「王国は嫌いだけど、あの人は嫌いになれないんだよなぁ……。」


 カインは中に入った二人から少し遅れて、会議場へ足を進める。


「なら俺も頑張るぞ!何の議題が出ても、俺なら大丈夫さ!」


 カインは自分を鼓舞し、中へ入った。



 王国会議がもうすぐ始まる。それぞれが自分の席に向かって歩いて行くのだった。

今回も読んで頂き、ありがとうございます。続きが気になる、面白かったと思って頂ければ幸いです。もしよろしければ、ブックマーク、評価を入れて頂ければ嬉しく思います。


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