表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
配信テイマー、我が道を行く!〜戻って来いと言われても知りません!僕は大切な仲間と一緒に冒険してるんだから!  作者: ゆん。
第九章

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

190/280

作戦変更!街からの脱出!

 僕達は合流した後、一度拠点の民家に戻る。皆で集まってすぐに、リッチも入って来た。


「お疲れ様じゃな。皆で集まったという事は、何か重要な話があるのじゃろう。」


「リッチ!僕凄いでしょ!皆やっつけたんだよ!」


「俺も頑張ったぜ!今回一番の大活躍だ!」


「アオハもラルフも、二人とも凄いのう!よしよし。」


「もっと褒めてくれてもいいよ!」

「もっと褒めてくれてもいいぜ!」


 アオハ君とラルフさんはお互いに手柄を主張している。二人の力があったから勝てたんだ、本当に頼りになるよ!


「かめ……。」


「うけ……。」


「二人とも、彼らが頑張ったのは事実だよ。……私達も頑張ったんだけどね。」


 カズハさん達三人は複雑な表情……皆で頑張ったんだもんね。


「リッチ!僕達も頑張ったよ!」


「もちろんじゃ!皆なでなでしてあげるぞ!」


「悪いがそれは後にしてくれ。今から話があるのだからな。」


「わん!わん!」


 ギル!それにレルも!二人で何を話してたんだろう?




「あまり時間が無い、早速始めよう。サリアも来てくれ。」


「あーい。どんな話かしっかりと聞かせて貰うっすよ。」


 皆で机を囲み、準備完了!それを確認して、ギルが口を開いた。









「貴様達のおかげでこの街を守り抜く事が出来た。本当に感謝している。」


「ああ!どうだ!俺も役に立ったろ?」


「そうだな。思ったよりは強くなっていたようだ。頼りになる。」


「だろ!」


「これからも頼むぞ!……では、本題に入ろう。」


 ギルはそう言うと、僕達を見渡して……







「ここに来た敵は一通り倒す事が出来た。当分は安全だろう。」


「ギル?どうしたの?」


「ティム。いや、これは我と犬っころで考えた事なのだが……。」


「何ですかいったい?早く教えて欲しいっすよ。」


「ええ。何をするにしても、敵の居ない今が好機。早く動かねばなりません。」


「分かっている。我の考えは……」






 ギルの考えは……?













「敵の居ない今、この街の者を外へ逃がす事だ。」




 ………………。





 突然の提案に、皆沈黙していた。



「ちょっと待った!外に出るとぐわっと……もわっと?とにかく、結構重いぞ!?それに、ここで迎撃作戦を立てたのは、街の人達の安全を守る為だろ?」


「ラルフ、貴様の言う通りだ。しかしこの霧が晴れる様子は無い。敵も……次が来ないとは限らんからな。何度も来られては守り切れなくなる可能性がある。」


「なら俺達がここに居る間に山を調べたらどうだ?サリアとギルってかなり強いだろ?山の原因を何とかすればいいんじゃないか?」


「それも考えた。では……もし我らがしくじった時はどうする?我らで勝てない相手に、貴様達で勝てるのか?」


「そ、それは……。」


 ラルフさんが口を閉じる。……僕の知っている限り、サリアとギルのペアは本当に強い。単純な強さはもちろん、二人のチームワーク……これは僕達よりも上かもしれない。負けてるつもりはないけど、もしこの二人が負けるなら……。




「それとレルが言っていたが……その外の空気、段々と強くなっているようだ。このままでは我々も危険になる。」


「待て!それでは街の人達が耐えられない!その状態でここを出るのか!?」


 今度はカズハさんが口を開く。ギルは首を縦に振って、彼女の意見に賛成していた。


「それも分かっている。しかし、出るなら今しかない。我々が弱るようなレベルで、普通の人間が暮らせると思うか?」


「だが……。」


「貴様達、一度巨大な魔力を感じただろう?あそこではマイラがバリアを張ったから、何とも無かった。……手を貸してくれるか?」


「なるほど、私が街の人達を外に連れ出すのですね。敵が居なければ……ええ。すぐに避難できるでしょう。」



 マイラさんが手を挙げてアピール。これで決まり……かな。


「魔物達も、マイラがここに居るのは分かっている。これは大きな利点だ。消耗した今なら、マイラ相手に奴らも出てはこれまい、これがチャンスになる!」


「ね、ねえ……皆マイラマイラって……強いのは分かるけど、マイラはそもそもどんな魔物なの?」


 このタイミングでアオハ君の質問!あ、後の方が……。



「はい。私はヘルキマイラですよ。」








「「ヘルキマイラ!?」」


 アオハ君と……カズハさんが同時に驚いた!カズハさんはその場に尻もちをついちゃった。


「ティム、本当か?マイラが……ヘルキマイラ……。」


「はい!でも、とってもいい人ですよ!カズハさんならきっと分かるはずです!」


「……そうだな。会ったばかりだが、確かにマイラは悪い奴じゃない、とは思うよ。でも、驚いたよ……。」


「僕も驚いちゃった!それなら魔物達も逃げ出すわけだね!」


アオハ君が手をポンと叩くと、ギルが机を軽く叩き、注目を集める。



「さあ、話はここで終わりだ!荷物をまとめてくれ!我らは教会に行ってくる。依頼主と交渉して、了解を取り次第ここを出るのだ!」


「行き先はストーレで良いっすよね?あそこなら誰でも歓迎っす!」


「調査は中断か……いや、命の方が大切だよな!分かった、先に入り口に行ってるぜ!」


「かめー!」


「私達も行こう!警戒を続けておくんだ!」


「ま、待ってよー!」


「うけー!?」


 ラルフさん達は一度入り口に向かう。そしてこの場に残ったのはマイラさん、僕達、そしてサリア達!リッチもいるよ!


「ワシ空気じゃった?」


「そんな事ないよ!もうひと踏んばり、一緒にお願い!」


「わん!」


「よかろう!ワシに任せるのじゃ!」









「山を調べるのはどうするっすか?あの魔力、やっぱり気になるっす。」


「後回しで良い!まだ動く事は無いだろう。後で改めて来れば良いのだ。」


「了解っす。んじゃ、行くっすよ。皆こっちっす!」








 それからあっという間。僕達は教会に辿り着いた!早く事情を説明して、ここを離れないと!



「どうもー、って開かないっすね。何か奇妙な感じ……。」


「敵が近づいた時の為に厳重にしてあるのだろう。……聞こえるか!大事な話がある、ここを開けてくれ!」






「わ……わふ!?わん!わん!」


「れ、レル!?これ!?」


 返事がない……ううん、それどころか、人の気配が無い!?



「サリア、大変だよ!早くここを開けて!」


「ええ!何か気になるっすね!後ろに下がって!」



 サリアが鎌を取り出し、斬撃を放つ。それが扉に当たると、扉がガタンと外れて隙間ができた!


「フンッ!」


 ギルが力を込めて扉を開ける。僕達はそっと中の様子をチェックすると……。







「な、何ですかこれ?」


「ど、どうして……。」


 視界に入ってきたのは……寝かされている街の人達だった。気づいた異常を除けば、皆眠っていて、すやすやと寝息を立てていたんだ。















 身体中が干からびたみたいに痩せ、肌がどす黒く変色している事を除けば。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ