迫る敵……迎撃作戦開始!
「僕達はここだよ!みんなやっつけてやる!」
「うけー!」
「レル、力を貸して!」
「わん!わん!」
守りについたのは街への入り口。ここで向かってくる魔物を防ぐんだ。
「どれどれ……近づいて来てる。数は……多いよ!?ティム、大群で来るよ!」
「了解!僕が抑えるから、アオハ君は後ろから手伝って!」
「任せてよ!安心して攻撃に専念して!」
僕の隣にはレルとシロメ。二人とも、気をつけてよ!
「来たのじゃー!入り口、山側両方から押し寄せてくるぞー!」
リッチの声だ!もう一度外を……居る。かなりの数だ!
「見えた!行こうレル!」
「わん!」
僕達は街の外に出る。一瞬重い空気を抜けて、入り口の前に陣取るんだ!
「「ヒュー……ヒュー……」」
「あれは……シャドウプランク!ギルが言った通りだ!」
迫って来たのはゆらゆらと揺れる魔物。黒い影みたいな魔物……シャドウプランクだ。爪の攻撃に当たらないようにしないと!
「はあっ!」
「ヒューー!?」
「ここは通さないぞ!」
「ヒュー!」
まずは一体、ブレードで斬りつけ、続いて二体目は足で蹴り飛ばす!
「ヒュー!?ヒュー!?」
「ガゥゥゥ!グガァァァ!」
レルは前足で敵を攻撃しながら、背中のブレードを目の前に落とす。それを咥えて、前方に一閃!何体かのシャドウプランクを巻き込み遠くに吹き飛ばした!
「レル!後ろお願い!」
「わん!」
ブレードを地面に突き刺し、思いっ切り魔力を込める!
「いっけー!グラウンドブレイク!」
「ヒュー!?」
地面が揺れ、割れた場所から岩が突き出す!シャドウプランクはこれに当たって地面に落ちる!
「ヒュー!ヒュー!」
「「「「「ヒュー!」」」」」
しまった、奴らが一斉に空に飛んだ!元々浮いている魔物だから、高く飛んで岩を避けてるんだ!
「レル!」
「わん!」
追いかけなきゃ!僕達は足に魔力を集め、突き出した岩にジャンプ!ここで力いっぱい踏みしめて……とうっ!
「ヒュー!?」
「跳んだぞ、これなら届く!そりゃぁぁ!」
空中でブレードを一振り!斬撃でシャドウプランクを吹き飛ばしたぞ!
「ガゥゥゥ!」
レルも同時にブレードで攻撃!奴らは……バラバラに分かれて動き出した!?
「抜けられた!アオハ君お願い!」
「オッケー!当たらないよう気をつけてね!」
僕達は攻撃を続けながらアオハ君の動きを確認……邪魔になりそうなら、すぐに避けよう!
「さーて……まずは一番近い君からだ!」
アオハ君が手を伸ばし、人差し指をシャドウプランクに向ける。……指先が光りだした?もしかしてあそこから攻撃を!?
「ドカンと一撃!ブレイクアロー!」
指先から出たのは矢だ!カズハさんとそっくり、でもスピードはアオハ君の方が速い!
「ヒュー!?」
ぶつかった矢はピカッと光って爆発!?シャドウプランクは地面にゆらゆらと落ちてきた!
「どんどん行くよー!避けられるかな?」
指先から次々と矢を撃ち出す。連射スピードも速い!
「ヒュー……。」
「ヒュ……ヒューー!?」
「僕達も負けられない!レル、行くよ!」
「わん!わん!」
落ちてきたシャドウプランクを攻撃しながら、街の入り口を防衛する。この調子なら追い払えそうだ!
「うけー!」
「ヒュー!?」
シロメ!?くちばしで敵をつついてる……
ポカン、ボカン!
わっ!?爆発した!?
「うけー!うけー!」
「ヒュー!?」
逃げた敵を追いかけ、シロメは遠くに行っちゃった……。
「アオハ君、シロメどっか行っちゃったよ!?」
「大丈夫大丈夫!今はここを優先して!」
「わ、分かった!」
今はひたすら攻撃だ。ここを死守するんだ!
「ヒュ、ヒュー!」
「こ、これで終わりだ!」
ブレードで斬りつけ、シャドウプランクを地面に落とす。け、結構やっつけたよ……そろそろ……。
「アオハ君、そっちはどう?」
「ふぅ。何とかなってるよ!にしても多いなぁ。見てよあそこ、やっつけたシャドウプランクが重なってるよ。」
本当だ、あんなに固まって……僕達、たくさん倒したんだ。
「どう、まだやる?この辺で帰ってくれると嬉しいんだけど?」
アオハ君が指を突きつけて、敵を威嚇する。奴らは固まったまま動かない……
「ヒュ……ヒュー!!」
「「「「「「「「「ヒューーーー!!!」」」」」」」」」
あっ!一斉に飛び立った!後ろを振り向いて……来た道を引き返していく。
「や、やった!追い払ったぞ!ありがとうティムー!大っきなブレード使ってるのにあんなに素早く動けるんだね!」
「うん、レルの力を借りてるからね!アオハ君も凄いよ!あんなに矢を撃てるなんて!」
「それほどでもないよ!威力はあんまり無いし数でごまかしてるんだよね。まあこれで一安心、かな?」
「そうだね。ちょっと座ろうかな?結構多かったからね、レルも座ろう?」
「わん!わん!」
僕とアオハ君は地面に座り、少し休む。レルも足元で一休み!警戒を続けながら、僕は息を整えていた。
「ふー……そうだアオハ君、シロメはまだ戻って来ない?」
「そろそろ帰ってくると思うよ。シロメは狙った獲物は逃さないんだ!やっつけて戻って来るさ!」
「それなら良かったー!」
「うけー!」
「お、この声、噂をすれば!」
「うけーーーー!!」
シロメの声だ。僕達は声の聞こえた方を振り向く。
「シロメー!おか、え……り?」
「えっ……嘘でしょ!?アオハ君立って!あれはまずいよ!」
「わん!わん!」
「う、うん!シロメー!早くこっちに来てー!」
僕達の見た光景は、シロメが走って来る光景と……
「ビューーーーー!」
シャドウプランクがシロメを追いかけている光景だった。
「あ、あれは……!」




