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配信テイマー、我が道を行く!〜戻って来いと言われても知りません!僕は大切な仲間と一緒に冒険してるんだから!  作者: ゆん。
第八章

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閑話 掲示板にて、視聴者の感想と驚き

「おい!またあの子が凄い手柄を挙げたぞ!」


「見る見る!もう俺達の生活からは外せないな!」


「今日更新されてたわよ!早速チェックよ!」


 ここは魔導パソコンで繋がる掲示板。今日も多くの視聴者が自分の好きな配信者を追いかけている。その掲示板で、最近の話題をさらっている配信者の動画が更新されていた。


 地竜の国、アースラに集まった冒険者による調査。多くの冒険者が配信していたが、特にテイマーのティムの配信、これに注目が集まっていた。





 ◇◇◇



「うわああぁぁ!?」


「皆気をつけろ!下がどうなってるか分からないぞ!」


「んな事言ってもどうにもならないっしょ!?どうすんのよこれ!?」







「水属性の魔法使いさんっている!?」


「ああ!それも私が兼任だ!どうするのだお客人!?」


「下に思いっ切り打ち出して下さい!深い水を張れば、衝撃が和らぐはずです!」


「うむ、ならば……ウォータースピア!」






 ◇◇◇



 まず映っていたのはバリアアントの襲撃、そして神殿から落下していく冒険者達の姿。ティムはアースラの警備隊や冒険者達に指示を飛ばし、全滅の危機を回避していた。





「よく考えられるな。俺達なら頭が真っ白になるよ……。」


「それにしてもあの警備隊長、リードって言ったわよね?あの一瞬で水と風の魔法を使うなんて器用よね……。」


「他の冒険者達も凄いぞ!不安定な空中で魔法を放てるんだぜ!」


「地竜の国……レベルの高さが見えるな。流石といった所か。」













 ◇◇◇



「今だ!あの部屋から出すんじゃねえぞ!」


「「「「「おー!」」」」」




「ティム様、もう一度!」


「はい!ファイアブラスト!」


「私もだ!ブラックアロー!」





「ピギャ、ピギャァァァァァァ!!!」


「ぐ、おお!皆踏ん張れー!」





「無理矢理来る気だぜ!どうする?」


「ここは俺に任せろし!でも今は攻撃を続けてくれ!」


「分かった!」





「皆さん!そろそろ魔法を止めて下さい!」


「いいのか?奴が出てくるぞ?」


「はい、奴が毒で弱るまで魔力を温存して下さい!それに万一失敗しても、魔力があれば逃げるチャンスがあります!」


「じゃあ……切るぞ!皆武器を構えろよ!」








「お前の相手はこっちだぜ!ウォークライ!」


「ピギャァァァ!!?」


「そこだっ!」



 ◇◇◇



「一斉攻撃よ!よくこの短時間で合わせられるわね。」


「そりゃ警備隊が入ってるのもあるだろ。統制が取れてるって事だ。」


「それに合わせる冒険者達もヤバいな。集まってる奴らも腕利きってわけだ!」


 今度は異形の魔物と戦う場面。ここでは魔法を放った後、すぐに行動を切り替えた冒険者達に注目が集まっていた。



「アースラってこんなに地力があったんだな。珍しい植物を育ててるだけの国かと思った……。」


「来ましたわ来ましたわ!早速やってますわね!」


「いらっしゃい。ちょうどいい所みたいよ!」


「失礼しますわ…………これが即席の連携!?お見事ですわ!ちょっと粗がありますけど。」


「急だからしょうがないだろ。それと俺はあのサキって子にも注目してる。前の配信もそうだったが、火の魔法が強い!」


「確かに……あの子、鍛えれば化けるぞ。種族的にも才能は一級品だ!」


「あれはティムが一緒だからだよ!魔物の力を引き出してるから強いんだよ。」


「知らない顔が増えてきたな。だいぶ彼も名が売れてきたようだぞ!」


「この感じ堪らないわ!推してる冒険者が活躍してるのはいい気分よ!」



 ティムの配信が少しづつ有名になってきた為か、実力のある冒険者もここを覗くようになっていた。それぞれで意見を述べ、他の視聴者の反応を楽しんでいるようだ。









 ◇◇◇


「ぴゅわー!」


「ピギャァァァァァァァァァ!!????」


「今だ!合わせて!」


「びー!」





「はぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」


「びー!びー!」


「突っ込めーーーー!」




「とりゃぁぁぁぁぁぁ![魔技] ヴェノムスパイラル!」


「ピギャァァァァァァァァァ!!!!」







 ◇◇◇



「「「「「「「「「「「……………………。」」」」」」」」」」」


 そして配信の終盤、ティムがびー君の力を借りて技を使った場面が映る。そこには……以前魔王と戦った際に使った奥義、[魔技]の一部が映されていた。初めて見る視聴者は大騒ぎ、以前見た者も驚愕していた。





「武器がか、変わった!?」


「魔物の力を最大に引き出したのか?いや、何か違う……こう、もっと……あー!よく分かんないけどいい技だな!」


「力と心を合わせる?そんなのテイマーしか出来ないだろ!?全くティムは凄えな!」


「お見事!あの魔物、情報の無い未知の魔物ですわよ!きっとあちこちで話題になりますわ!」


「この配信を最初に出したのは彼で、最初にデータを手に入れたのはアースラか……。今後に影響が出そうだな。」


「そうだ。ティムは要チェックだが……サリアって子も気になるな。ほら、彼と一緒に魔王と戦ってたテイマーだよ。魔技って彼女が最初に使ってたよな。」


「彼女の配信も見ようかしら。彼とは違う良さがあるかもしれないわ!」


「本当テイマーって凄いな……俺達見る目が全く無かったんだな。」


「しかしグランド王国の奴ら馬鹿だな!こんな有望株を自分から追放したんだからよ!」







 グランド王国の話が出てきた時、場が一瞬静かになる。そして一人が言葉を発した。



「そういえば最近、グランド王国で色々不祥事が起きてるみたいだな。」


「それ知ってるわよ!勇者が魔王と戦わずに駆け落ちしたのよね!」


「騎士団長は民衆を置いて逃げたらしいし、色んな街で悪い噂も聞いているよ。」


「俺達も気をつけなきゃな。まあ、今は配信を楽しもうぜ!」


「ええ!」


 静かになった掲示板は再び盛り上がる。皆自由に配信を見て、ある者は戦いの参考にし、ある者は娯楽として楽しんでいるのだった。

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