表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
配信テイマー、我が道を行く!〜戻って来いと言われても知りません!僕は大切な仲間と一緒に冒険してるんだから!  作者: ゆん。
第八章

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

170/279

街へ向かって。さらば地竜の国!

 僕達はお城の側で五人、シュリちゃんを待つ事にした。体操したり、空を見たり、それぞれで待っているとラーチャオさんが突然声を上げた。


「そういやさ、リードもジュリア様もだけど、何かトントン拍子に話が進んでるよな?まるでもう帰るみたいじゃね?」


「そうだぞ、今日ここを出る。」


「へえ。今日……今日かよ!?」


「ああ。」


「えっ!?」


 焦った顔のラーチャオさん。うん。正直僕もびっくりした。だって皆お別れみたいに挨拶をするから……赤ちゃんドラゴン君もお別れの挨拶をしてたし……。






「驚く事でも無いだろう。私達の目的はこれだ。すぐに帰らないと依頼主が心配じゃないか?」


 そう言って出したのはヨツバソウ。確かに一番大事な事だ!


「そ、それなら言ってくれよ!そうしたら昨日色々買う物あったのに!」


「それは悪いと思っている。だけどお前達は相当疲れていただろう。言ったら慌てるだろうし、二人には落ち着いて休んで欲しかったんだ。」



 カズハさん、今日遅れて来たよね。リードさん達は僕達が帰る前提で話をしてたんだ……まさか!





「カズハさん、まさか今日寝坊したのは!」


「そうだ。シュリ達には昨日伝えておいた。いきなり居なくなるのはまずいからね。幸い彼女は徹夜だったから、城に行けばすぐに会えたよ。」



 僕達何にも気にしないで寝ちゃったんだ……反省しないと。





「そろそろかな……うん。皆、シュリが来たぞ!」


「おおい!?まだ俺心の準備が出来てないし!?」


 あ……僕達が話してると、シュリちゃん達が走ってこちらにやって来た!ど、どうしよう!?もうお別れなんて、僕も心の準備が……。









「やあまた会いましたな!五人とも、女王様との話は終わったみたいで良かった!」


「皆お待たせ!あれ?二人ともどうしたの?」


「私がさっき伝えたのさ。二人とも驚いてるよ。」


 シュリちゃんとリードさんが合流、シュリちゃんはカズハさんをじーっと見てる……。


「だが実際、依頼の品が手に入った時点で帰ることは決まってたんだ。最優先はこれを届ける事、だろ?」


「ま、まあね。でも、やっぱり教えてあげても良かったんじゃないかな?」


 三人で和やかに話してる。僕達はそれをじっと見てから、二人で顔を合わせて、それから……




「ま、まあ確かにな!カズハっち、サンキューな!」


「カズハさん、僕達の体を気遣ってくれてありがとうございます。」


「ありがとう。私も次は気をつけるよ。」


 同時にカズハさんにお礼を言った。僕達の事を考えてくれてたんだ、感謝しないと!










「じゃあ、いよいよお別れになるんだね……。」


「本当に急ですまないと思っているよ。でも、これが私達の仕事だからな。」


「うん、分かってるよ。だから……これ!リードさん、お願いします!」


「これは?」


「うむ。これはな、シュリ様からの贈り物だ!」


 リードさんが持ってきたのは大きな箱。中身は……



「おおー!俺の欲しいアクセサリーがたくさんあるし!これ貰っちゃっていいの!?」


「うん!ラーチャオこういうのが好きだと思って買っておいたんだ!」


「マジ助かるし!嬉しいなぁ!」


 箱を受け取り大喜びのラーチャオさん。続いてカズハさんに箱が渡される。



「カズハにはこれ!この国周辺の魔物の素材だよ!警備隊で保管していた物をちょっとだけ分けてもらったんだ!皆からのお礼だよ!」


「こんなに……ありがとう!大切に使わせてもらうよ!」


「次に、はい!サキちゃんとびー君!」


「わ、私にもですか!?」


「びー!?」



 二人にも箱が手渡されるけど、びー君は持てないからサキさんが持ってあげてるね。




「二人には果物とハチミツの豪華セットだよ!両方とも特産の物を用意したから、たくさん食べて強くなってね!」


「あ、ありがとうございます!」


「びー!びー!」




 そして最後に、シュリちゃんは僕の方を見る。な、何か恥ずかしいよ……。


「ティム君にはこれを!」


「こ、これは?」


 渡されたのは一本の短剣。持ち手と刀身が緑に光っている短剣だ。


「ティム君って軽い武器を使うよね。だから短剣をプレゼント!私が頼んだ特注品なんだ!」


「あ、ありがとう!でも、カズハさんは昨日帰るって言ったんだよね?すぐに用意できる物なの?」


「うん!これはリードさんが治ってからすぐ用意したの。元々お礼として作るつもりで、材料はあったからすぐに準備できたんだよ!」


「なるほど……。これ、大切に使うよ!本当にありがとう!」


 僕は短剣を自分の腰に掛けた。うん、似合ってる!これで僕も少し大きくなったぞ!










「しっかし色々あったなー。シュリっちと会って、ここで依頼を受けて……。」


「本当だね!私なんて初めて会った時、ラーチャオに拘束されたもんね!」


「何!?ラーチャオそれはどういう事だ!?」


「り、リードさん待って下さい!?」


 槍を突きつけるリードさん、ラーチャオさんは真っ青だ!


「ちょ!?待てし、あれはシュリっちがスパイだと思ったんだよ!よくあるだろ?逃げ出した子が敵と繋がってて情報を教えてるとか!

 普通偉い人が、あんな場所に、少ない護衛で来ないだろ?逃げた奴らと同じ一味と思ったのよ!」


「!!」


 早口で話すラーチャオさん。槍の先が近いから慌ててるんだ……サキさん?一瞬顔色が悪くなった?あっ違った。気のせいかな。



「私も初めはおとぎ話の読み過ぎと思っていたが……今ならそう考えるかもな。確かに不自然だった。」


「だ、だってあの時は人手が足りなかったんだもん!」


「でもラーチャオさん、シュリちゃんは悪い人じゃ無かったですよ!」


「ああ!本当にありがとうな!」


「そういう事なら私も疑うかもしれないな……次は気をつけるように。」


 リードさんが槍を下ろしたね。これで一安心だ!








「じゃあ、そろそろ行くかな。」


「うん!依頼主さんの所へ早く行ってあげて!」


「今回は忙しかったから、今度はちゃんと遊びに来るし!その時はかわいい子を紹介してくれよ!」


「ラーチャオさんと気の合う人がいればいいですね。」


「探すのは難しいな。」


「えぇ……。」





 僕達は門の外に歩き、森の方を見る。ここからまた馬車に乗って帰るんだ。道中何も無いといいけど……。




「そうだ!私達の仲間が街まで送ってあげる!皆来てー!」


「ぐおーー!」


「ぐおおーー。」


「がおー!」


 シュリちゃんの掛け声で来たのは……ワイバーン!?そうだ、忘れてたけどここは地竜の国、ドラゴンの仲間も暮らしてるんだ!


「この子達に乗っていってよ!馬車よりも早く着くよ!」


「助かるよ!それではお言葉に甘えて。」


「がおー!」


「びー!」



 あっ、赤ちゃんドラゴン君!ワイバーンの上に乗ってる!そこから降りてきてびー君と回ってるね。




「そうだシュリちゃん。ジュリア様の所にドラゴン君が居たんだ。もしかして迷子だった?」


「えっ!?そ、そうなの?……たぶん探検中だったんじゃないかな?色々飛んで遊ぶ子だし。」


「ティム、準備出来たぞ!君も早く乗れ!」


「はい!じゃあシュリちゃん……またね!」


「うん!また来てね!その時は色々紹介するよ!名所とか、食べ物とか!」


 そして僕達はワイバーンの背中に乗ると、ワイバーンが翼を広げて空に浮かぶ。ここからまた空を飛ぶんだ。急いで依頼主さんの所へ!




「ありがとう!また来るからねー!」


「うん!頑張れ皆ー!私達、応援してるよー!」



 さあ帰ろう!早くヨツバソウを届けるんだ!





















 ◇◇◇


「行ってしまいましたな……。」


「そうですね。」


「シュリ様?寂しく無いのですか?」


「も、もちろん寂しいですよ!でも、近いうちにまた会える気がするんです。だから……平気です!」


「それはいい予感ですな。……シュリ様、その手紙は?」


「はい。これは……。」







評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ