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配信テイマー、我が道を行く!〜戻って来いと言われても知りません!僕は大切な仲間と一緒に冒険してるんだから!  作者: ゆん。
第二章

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少年テイマー、強大な魔物と出会う

「あっ、魔導カメラ!よかった、無事だったよ!」


 僕達は通路に入った所で魔導カメラを発見した。カメラはプロペラをぶんぶん回し、僕達の周りを飛んでいる。


「もしかしたら、これを見てる人が助けを呼んでくれるかも。このまま配信は続けよう!」


「びー!」






 僕達は通路を進んで行くけど、不思議な事に敵の気配は全く無い。しかも通路がだんだんと白く、綺麗になっていく。こんな事、今まで一度も経験してないから、より気をつけないと。




「立派な扉がある……。ここが最深部?」


「びー?」


 通路の終着点、そこには豪華な装飾の施された扉が道を塞いでいた。おそらくこの奥にはお宝……或いは上層とは比べ物にならない魔物がいる!


「びー!びー!」


「えっ!?……もしかして、この奥に君の仲間が居るの!?」


「びー!」


 まずい。この奥に仲間がいるって事は、[ここを通れる何かがいる]って事だよね。この扉はポイズンビーじゃ開けられないから……。


「上には戻れない。でも何が起こるか分からない。こうなったら……!」


 僕は肩に乗ったポイズンビーを降ろして、そっと話しかけた。


「……よし!たぶんこの奥に君の仲間が居る。」


「びー!?」


「でも、パートナーが居ない僕じゃ力になれないかもしれない。それでもいいかい?」


「びー……?」


 ポイズンビーは何となく不安そうだ。でも、正直に言っておかないと。


「もしこの先が出口に繋がってたら、迷わず飛んでいって。それで助けを呼んで欲しいんだ。出来るかな?」


「びー!?」


「大丈夫、仲間が居たら助けるから!……それじゃ、行くよ!」


 僕は扉に手を掛ける。そのまま力を入れたけど、扉は動かない。僕は体を押しつけて、一気に体重を込めた。


「うー!うりゃぁぁぁ!!」


 やがて少しずつ扉が動き、僕達が通れる隙間が現れた。敵がいるなら早くしないと。周りを警戒しつつ、一気に扉を抜けていった。












 ◇◇◇


「き、綺麗……。」


 扉を抜けた先には、広大な空間があった。白い床と壁に囲まれた、まるで教会のような場所。僕が思わず見とれていると、ポイズンビーが激しく羽ばたき出した。



「びー!?びー!びー!」


「どうしたの?仲間が見つかった?」


「びー!」


 ポイズンビーが威嚇している所。そう、僕達の目線の先には……想像を絶する魔物がいた。














「へ……ヘルキマイラ……!?」


 目の前に居たのは、獅子の体、ガーゴイルの羽、それにドラゴンの四肢……強力な魔物のパーツを併せ持った魔物、ヘルキマイラだった。滅多に見つからない魔物。それがこの場に……。


「な、何でこんな所に……!」


「びー!びー!」


「えっ、……あ、あれが!」


 よく見ると、ヘルキマイラの足元には小さなハチの巣が落ちている。それは間違い無く……ここに居るポイズンビーの仲間であった。


「おそらくヘルキマイラが、自分のご飯として持って来たんだね。取り返すなら、一瞬でやらないと。」


 幸いヘルキマイラは寝ているようだ。目を閉じ顔を伏せている。


「静かにしててね。すぐに持ってくるから!」


「びー。」


 僕はそっと、足音を立てずにヘルキマイラに近づく。万が一起きた時の事を考え、レルのブレードは背中に用意してあるけど……もし起きれば、間違い無く戦闘になる。慎重に、慎重に……。






(ヘルキマイラの前足あたりだ。踏み潰されないように、そっと……。)


 僕はポイズンビーの巣をそっと引き抜き、慎重にその場を離れた。どうやらうまくいったみたい、ヘルキマイラはまだ起きてない。


(はい、これで間違い無いかな?)


(びー!!びー!!)


 よかった喜んでる!それなら一旦扉を出なきゃ!僕はリュックに巣を入れる。汚れちゃうけど仕方ないかな。大きいのを持って来て正解だったよ!……次は出口を探す為に作戦を立てよう。ヘルキマイラが起きる前に扉へ移動しなきゃ!












「そちらにいるのは……人の子ですか?」



 ……え?



 僕の体は固まり、額から汗が流れ落ちる。まさか。いやばれてない!気づかれてない!そんな事ある訳……。


「もう一度聞きます。人の子ですよね?」


 僕は声のした方向に首を少しずつ動かし、言葉を発している何かを探した。すると……そこには完全に目が覚めたヘルキマイラが、堂々と立っていた。

今回も読んで頂き、ありがとうございます。続きが気になる、面白かったと思って頂ければ幸いです。もしよろしければ、ブックマーク、評価を入れて頂ければ嬉しく思います。

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