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配信テイマー、我が道を行く!〜戻って来いと言われても知りません!僕は大切な仲間と一緒に冒険してるんだから!  作者: ゆん。
第八章

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謁見、忠告と……依頼報酬!

「来てくれてありがとう!今日はね、ちょっと皆に伝えたい事があって来てもらったの。」


「なるほど。それはどういった内容でしょうか?」


「それは……ふぁーあ。」


「ジュリア様?」


 カズハさんが女王様……ジュリア様と話してると、突然ジュリア様が口を開けて欠伸を見せた。僕達の顔が一斉に向くと、ジュリア様は顔を真っ赤にして咳払い。


「ご、ごめんなさい!私昨日は忙しかったのよ。色々仕事があってね。」


「はあ。」


「ちょっとカズハ、そんな顔しないでよ!じゃあ、本題に入りましょう!まずは……。」


 するとジュリア様は椅子から立ち上がり、僕達の所へ。緊張する……。












「貴方達のおかげで神殿は光を取り戻したわ!まあボロボロになった所もあるけど、それは直せるからね。

 異形の魔物の情報も集められたし、この国周辺の黒い霧への対処……これから始めようと思うわ!」


「それは良かった。しかし感謝するのは私達の方です。貴重なヨツバソウ、これを頂いたのですから。」


「そうそうそれ!二つ目に言いたい事はそれなの!」


 ジュリア様はこちらに更に近づき、頭を下げた。






「報告が届いたの。国の魔法使いシュリ、警備隊長のリード、そして警備隊と冒険者の皆を助けてくれて……本当にありがとう!」


「気にすん……気にしないでくださいよ!俺達に出来る事をやっただけですから!」


「特にリードの事は感謝しか無いわ!貴方達のヨツバソウ、これを使って助けてくれたのでしょう?」


「はい。でも彼が元気になってから、すぐに見つけてくれました。おかげで依頼主に持って帰る分は確保出来ています。」


「ええ、報告はもらってるわ!もう、貴方達には本当に感謝する事ばかりね。」


 そしてもう一度、ジュリア様は僕達に頭を下げた。


「ジュリア様?私達は冒険者です、女王様が何度も頭を下げては、威厳が落ちてしまいます!」


「それで感謝が伝えられるなら何度でも下げるわよ?だって、皆は私の大切な仲間を助けてくれたんだから!」




 それからは依頼の詳細についての報告へ入った。

 配信で映像は残ってるけど、バリアアントの襲撃、地面が抜けて地下へ墜落した事、そして……異形の魔物との戦い。起きた内容を改めて説明したんだ。











「という事があったんです。」


「ティム君、説明ありがとう!本当に大変だったわね。私は後で配信を見直して、復習するとしましょうか。」


「そうだ!僕達からもお伝えしたい事があります!」


「伝えたい事?何かしら?」


 そう、伝えたい事!冒険者の中に混じっていた、あの人達の事だ!









「シュリを狙った冒険者?」


「はい!明らかにシュリさんを殺そうとしてました。最初に会った時も、一緒に逃げないで彼女を置いていったんです。」


「奴らが神殿で爆弾を使ったから、リードが大変な目にあったんだよな。神殿から出た時には居なかった……女王様、彼らは早急に捕らえるべきです!」


「ねぇカズハ、その冒険者の事だけどね……。」


「何か?」


「ちょっと待ってて。……例の者たちを連れて来なさい!」


「ハッ!」










 すると警備隊の人達が冒険者を連れてきた。あっ!この人達だ!


「この冒険者達、他の皆が捕まえてくれたの。間違い無いよね?」


「はい!間違いありません。」


「離せ!俺達を誰だと思っているんだ!」


「な、おい暴れるな!」


 勢い良く暴れる冒険者達。この人達は何であんな事を?自分達も死んじゃったかもしれないのに!






「よっしゃ!邪魔だクズ共!」


「ぐあっ!」


 しまった警備隊の人達が!僕達も動こうとするけど、奴らの方が速い!



「死ねぇぇぇ!」


「ふーん。まだ暴れるんだ……。」


 ジュリア様が冒険者達に少しずつ近づく。そして……








「ひっ!?」


「っ!さ、サキさん!?」


「お、おわわ……か、カズハっち!い、今の……。」


「ああ……もう終わってるよ。」










「ブギャ!?」


 僕達の目の前には、暴れる冒険者達を一瞬で地面に叩き伏せ、頭を踏みつけているジュリア様の姿があった。


「これ以上動くと……どうなるかしらね。」


「お、俺達にこんな事してタダで済むと思っているのか!俺達はグランド王国の冒険者、俺達を捕まえたら勇者様が来るぞ!」






 勇者!?シャーユのことだ……!


 ……待って、それじゃシュリちゃんが狙われたのは、シャーユが関わってるの!?






「だから何?別に勇者なんて怖くないわよ。」


「な、何だと?」


「あんな乱暴者、勇者なんて認めないわよ!何なら本人が来れば良いのよ。真正面から迎え撃ってやるわ!」


「だ、だが勇者様が本気を出せば」


「言いたい事はそれだけ?質問するまでも無かったわね……ありがとう、連れて行って。」


「ハッ!」


「お、おい離せ!どうなるか分かってるのか!?王国だぞ!王国が来るんだぞ!?」



 冒険者達は暴言を吐きながら、奥の通路に連れて行かれてしまった……。












「マジかよ……い、一瞬だったけど女王様の魔力が…………。」


「こ、これがジュリア様の力……。」


「ラーチャオ、ティム君!?怖がらせちゃったかな……?」


 ジュリア様はまたこっちを向いて、僕達に話しかける。


「ごめんなさい。本当はこの場で確認を済ませるだけの予定だったんだけどね。」


「か、確認?」


 カズハさんも声が震えている。いきなりの事で動揺してるんだ……。


「ええ。あの冒険者達、グランド王国から潜り込んだスパイだったみたい。どうやら色んな街や国に仲間を送り込んで、探りを入れてるようなの。」


「そ、それは一体?」


「それは分からないわ。ただ、どうもグランド王国の様子が変なのよね。だから……貴方達も気をつけて。何が起こるか分からないから。これを伝えておこうと思ったのよ。」


「ご、ご忠告感謝します。確かに、私達も注意する必要がありそうだな……。」


 するとジュリア様は手をパンと叩き、にっこりと笑ってこちらを見た。








「はい!じゃあ暗い話はここまで!今度はお待ちかね……ご褒美の時間よ!例の物を!」


「ハッ!」


 こ、今度は警備隊の人達が大きなカバンを持ってやって来た!


「シュリの救出、深緑の神殿調査の報酬だよ!他の皆にも配ったけど、皆は遅れちゃったからね。はい!」


 カバンの中には、たくさんの果物と……ゴールドが入ってる!?



「アースラ特産の果物と、報酬金として百万ゴールド!ちゃんと人数分あるわよ!受け取ってもらえないかしら?」


「た、大金がドカンと……。」


「……これもらっていいのかな?俺こんな大金を見るの初めてだし……?」


「頂かないと失礼だろう。……ありがとうございます。では、頂きます。」


 僕達はそれぞれカバンを受け取り、足元に。これを冒険者さん皆に配ったって事は……この国はそれだけ豊かなんだ。冒険者さんが帰って宣伝すれば、国力をアピール出来るんだね。










「さて、話す内容はこんな物かしら。ごめんね、何かごちゃごちゃしちゃったわね。手短に済まそうと思ったんだけど。」


「だ、大丈夫です。それでは、私達はここで……。」


「今から依頼主さんにヨツバソウを届けるのよね。私としてはもっと居て欲しいんだけど……そっち優先ね!」


「申し訳ありません……。」



 そして最後に……ジュリア様は大きな声で一言!






「今回の事、本当に感謝してるの。何かあったらいつでも言って!その時は力になるよ!」


「その時はお願いします。では、私達も。」


 カズハさんに合わせて僕達は立ち上がる。いよいよここを出る時だ……!





「お世話になりました!また来た時はよろしくお願いします!」


「うん!その時は色々案内するから!名所とか、食べ物とか、楽しみにしててね!じゃあ……」


「がおー!」







 がおー?








「がおー!」


「あっ!?ちょっと駄目だよ今出てきちゃ!」


「がおー!」


「びー!」


 ジュリア様の胸から緑色の生き物が……あの子はシュリちゃんの友達のドラゴン君?


「びー!」


 びー君とドラゴン君はくるくる回転しながら飛んでいる。お別れの挨拶なんだ!



「がおー!?」


「はいまた後で!……じゃあ皆、元気でね!」


 胸にドラゴン君を隠して、ジュリア様は走って行ってしまった。さっきの一瞬は怖かったけど、おっちょこちょいな人だったなぁ。








「ビビったわぁ……ジュリア様めちゃつよじゃん。あれなら勇者も怖くないな!」


「そうだな。さて……私達も行こう!挨拶は済んだからね。」


「カズハさん?まだシュリちゃんに挨拶してませんよ?」


「……そ、そうだったな。じゃあ待ち合わせ場所に行こうか。」



 僕達は外に向かい、シュリちゃんを待つ事に。早く来ないかな?ちゃんとお礼を言わないと!

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