探索結果と……最後の謁見へ
あと数話でアースラ編終了の予定になります。よろしくお願いします。
「ティム!ティム!早く起きるのだ!帰ってきたぞ!」
「むー、リードさん……?」
朝になって。僕の体を揺らしながら起こしてくれたのはリードさんだった。
「知らせたい事があるのだ!早く大広間に来てくれ!」
「知らせたい事!?はい、今行きます!」
もしかして、ヨツバソウが見つかった!?僕は慌てて着替えてすぐに大広間に向かう事に!
「おはようございます、ティム様!」
「おはようございます、サキさん!」
「おっ!ティムっちおはよう!」
「びー!びー!」
皆はもう大広間に。でも皆眠そう……やっぱり疲れてるんだね。
「み、皆おはよう。また私が遅かったようだね。早起きは大変だな。」
「気にすんなし!おっ、主役の登場じゃん!」
奥から来たのはリードさんと、目をこすってるシュリちゃんだ!
「ね、眠い……お仕事徹夜だったよー。」
「ハッハッハ!気持ちの良い朝ですな!」
「リードさん、もー……。」
二人が席に着いて、それから僕達が席に着く。するとすぐにリードさんが口を開いた。
「さて、諸君に伝えたい事があるのだ。昨日ヨツバソウの捜索を担当しただろう?その結果を報告させてくれ。」
「ど、どうだった……?」
カズハさんが不安そうな顔をして質問する。それに対するリードさんの顔は……ちょっと嬉しそうだった。
「この通りだ!さすが我が警備隊、ヨツバソウはちゃんと確保できたぞ!」
そう言って出した彼の手には、ヨツバソウが入った袋だった。
「「「おー!」」」
「良かった……。これで依頼主の下に届けられるよ。ありがとう、リード!」
「何、気にする事は無い。私達の感謝の気持ちだ!」
カズハさん、椅子に寄りかかって大きく深呼吸。これで一安心だ!
「そうそう感謝と言えば……。」
リードさんが咳払いをして、もう一度話し始める。何だろう?
「女王様からの連絡でな。これを伝えたら大至急城の方に来るように、という事だ。すぐに向かってくれ!」
「女王様がですか?」
「えっ!?私そんな事言った!?」
「もー!シュリ様寝ぼけてますな!言ったのはジュリア様ですぞ!」
リードさんの言葉の直後、シュリちゃんの顔が一気に真っ赤に。間違えると恥ずかしいよね。
「へっ!?あっ!?そ、そうですよね!私疲れてるのかな……。」
「一応案内をつけようか。誰がいいかな?」
「わ、私が行きます!」
「シュリ様?まだ眠いでしょう?」
眠そうに目をこするシュリちゃんは腕をグーンと伸ばすと、すぐに僕達の横に来てくれた。
「い、いえ!部下の恩人の皆様です、責任を持ってお連れします!」
「部下……かっこいい言葉だ、シュリ様背伸びしてますな!」
「もう!からかわないでください!い、行こうティム君!皆も早く早く!」
「うん!」
「おっと待ってくれ諸君!ここで言わねば手遅れになる!」
顔を赤くするシュリちゃんとは反対に、リードさんは真顔でこちらを向いた。な、何か重要な事が!?
「お客人達。今回は依頼を引き受けてくれてありがとう!神殿の黒い霧も晴れたし、何より異形の魔物への対処法が分かったのだ!
これは大きな情報になる。本当に感謝していますぞ!」
「そう言ってもらえりゃ俺達も嬉しいっしょ!また何かあったら呼んでくれよな!」
「ああ。こちらもお礼を言わせて欲しい。こんな貴重なヨツバソウを分けてもらったからね。本当にありがとう!」
「しかし皆凄いですな!これだけ強いなら、今後が楽しみだ!応援してるぞ!」
「ありがとうございます!」
依頼達成の報告をして、それからマスターさんの所へ帰ってヨツバソウを渡して……忙しくなるぞ!
「ではさらばだ!私は警備隊の拠点に向かわねばな。この情報を整理しないといけないのだ。最後にもう一度……ありがとう!また来てくれ、その時は歓迎するぞ!」
「「「「ありがとうございます!」」」」
そして僕達は同時にお礼を伝え、シュリちゃんとお城に向かう事にしたんだ。ここに居るのもあと少し……ちゃんとお礼を言わなきゃ!
「じゃあ、後はここを真っすぐだよ!ってもう分かってるよね。」
「まあな!んじゃシュリっちも行こうぜ?」
「えっ!?わ、私はお仕事があるから……。」
「そうなの!?シュリちゃんお仕事終わってなかったのにお願いしちゃった……ごめんね……。」
「あっ、そっちは終わってるよ!でも、ちょっとだけ用事があって、今から人と会うお仕事があるの。」
シュリちゃんは手を合わせて申し訳無さそうな顔をしてた。頼んじゃった僕達も反省しないと……。
「終わったらすぐに迎えに来るからね!じゃあまた後で!」
廊下を走って行くシュリちゃん。と、とりあえず今は女王様の所へ行こう。
「シュリっちも頑張ってるんだ、俺達も張り切って行こうぜ!」
「はい!」
「皆そろそろ行くぞ。女王様が待ってるんだからな。」
「びー?びー!」
「や、やっぱり緊張します……。」
「サキは私の後ろに来てくれ。何かあってもフォロー出来るからね。」
「お、お願いします。」
僕達は扉を開ける。すると、女王様が座っている光景が目に入った。
「来たわね皆!早くこちらに!」
「はい。」
女王様の声だ。カズハさんが先頭になり、僕達は再び女王様にひざまずく。
一体……何の話なんだろう?




