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配信テイマー、我が道を行く!〜戻って来いと言われても知りません!僕は大切な仲間と一緒に冒険してるんだから!  作者: ゆん。
第八章

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少年テイマー、ヨツバソウの効果を見る

「カズハさん、これは!」


「ああ。私達が見つけたヨツバソウだ。」


「ま、待って下さい!」


 僕はカズハさんを止めた。彼女が次に何を言おうとしてるのかが分かったんだ。


「これはマスターさんの息子さんの分です!それを使うと……。」


「だが、今はこれしか無い。それにここで効果があれば、彼にも使う事が出来る。どうかな?」


 わ、分かるけど……リードさんには早く治って欲しいし、効き目のテストも出来る!でも今ここにあるだけじゃ……。


「わ……分かりました。な、なら後で一緒に来て欲しいんです!」


「一緒に?」


「はい。ヨツバソウはここでリードさんに使って、効き目を確かめましょう。それで効果が出るのは時間がかかると思いますから、そこで待っている間にもう一つ探して来ます!」


「ああ!じゃあ行こう、早速シュリに渡さないとね!」



 リードさんに効き目があれば、マスターさんの息子さんも安心して使える。その為に……もう一つ!後で探さなきゃ!



「ラーチャオ、お前はどうする?」


「任せろし!先に行ってるからな!」


「わ、私も一緒に行きます!」


「びー!びー!」


「そうか……ありがとう。」


「ちょ照れるって!そっちも早くしろよ!」



 ラーチャオさん達は先に深緑の神殿に走って行く。ここで見つかれば一番良い。でも……まずはシュリちゃんだ!








「君はここで待っていてくれ。私が最初に入るから。」


「はい!」







「シュリ、入るぞ!」


「あっ……カズハ。どうしたの慌てて?」


 カズハさんが入ったのは豪華な部屋。ここにリードさんが寝かされている。彼の体に手をかざしながら、シュリちゃんは魔法を使っていた。


「リードの調子はどうだ?」


「だ、駄目。全然起きないんだよ……。私リードさんがふざけてると思って、さっき思いっ切り叩いたの。でも、起きないの……。ハッハッハ、冗談ですぞー!……って今にも言い出しそうな顔色なのに。」


 リードさんの見た目は落ち着いている。僕からすれば普通に寝ているようにしか見えない。でも何をしても起きないなんて……。


「そうか……シュリ、君に渡したい物があるんだ。手を貸してくれないかい?」


「な、何?」


 シュリちゃんが手を出すと、そこにカズハさんがヨツバソウをそっと置いた。







「これって……ヨツバソウ!?」


「ああ。彼に使ってくれないか?依頼主に持っていく前に、ここで効くかを試してみたいんだ。」


「だ、駄目だよ!これはその依頼主さんに使う物でしょ!私が使ったら、ヨツバソウ無くなっちゃうよ!?」


「大丈夫だよ。私達でまた探しに行くから。」


 不思議そうな顔をするシュリちゃん。そろそろだ!



「私達?」


「ティム!来てくれ!」


「はい!おはようシュリちゃん!」


「ティム君!?起きたの!?怪我とかは大丈夫!?」


「うん!シュリちゃんのおかげでどこも痛くないよ!」


 僕はガッツポーズで彼女に答える。でもシュリちゃん、やっぱり不安そう……。


「ね、ねぇ……本当に使っていいの?」


「ああ。また探せばいいさ、どうせ待つのに時間を使うんだ。あの神殿ならもう一つ位すぐに見つかるよ。」


「ティム君も?」


「うん。だから早くリードさんに使ってあげて!」


「……分かった。これ、使わせてもらうね!」


 シュリちゃんがヨツバソウを手に取り、すぐに駆け出す。彼女の向かった先には、大きな鍋や薬が置いてある部屋だった。


「ここで薬を作るんだ!二人も手伝って!お願い!」


「任せろ、何をすれば良い?」


「カズハはお鍋に湯を沸かして!えーっと、これとこれと……うん!ティム君はここに書いてあるポーションを持ってきて!」


「はい!」


 カズハさんは鍋にお湯を注ぎ、僕はメモにある薬品を持って行く。ポーションってこんなに種類があるんだ。間違えないように……。





「はい持ってきたよ!」


「ありがとう!確認するね……毒消し、解呪のポーション、魔力補給用のポーションに……。」


 お店で買えるものから貴重な物まで、色々必要なんだね。これだけ揃えられてるのは、きっと女王様のおかげだ!


「うん!これで全部だよ!」


「シュリ、こっちも終わったぞ!」


「ありがとう!じゃあ始めるよ!」


 シュリちゃんはお鍋にポーションを複数入れていく。最初は透明な水が入っていたけど、だんだん色が付いてきて……緑色の綺麗な液体になった!


「準備はこれでいいかな?後はヨツバソウを!」


 ヨツバソウを細かく切り、それをお鍋に入れると液体が光り始めた!シュリちゃんは自分の魔力を手に集め、お鍋にかざす。


「はぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」


「わっ!?」


「眩しいな。ティム、気をつけろ!」


 液体が更に光り出し、僕達は目を閉じる。こんなに輝くなんてびっくりだよ!












 しばらくして輝きが無くなり、僕達はそっと目を開けた。完成したのかな……?


「お、終わった?」


「うん!出来た!出来たよ!」


 お鍋の中にはトロッとした液体が入っていた。

 ……量減ってない?た、たったこれだけ……?


「シュリちゃん、これは……?」


「う、うん。煮ているうちに量が減っちゃってね。で、でも効果は完璧なはずだよ!だって私が作ったんだから!」


 それから液体を冷やして、瓶に詰める。シュリちゃんの顔はきらきらと輝いていた。



「これがあれば……きっとリードさんも治せる!」


「シュリちゃん早く行こう!リードさんが待ってるよ!」


「きっと上手くいくさ!これはシュリが作ったんだからな!早く飲ませてやろう!」


 僕達は道具を置いたまま急いでリードさんの居る部屋に!



「リードさん、これを飲んで下さい!」


 シュリちゃんが口に薬を流し込む。効いてくれるといいけど……。




「さて、私達はしばらく待つか。ティム、ヨツバソウを探しに行こうか!」


「はい!じゃあ行ってきます!」


 僕達は外に走る、ラーチャオさん達に合流しないと!






「う……うーん……。」




「「えっ?」」


 リードさんの声!?嘘、もしかして!


「ティム、聞こえたかい?」


「は、はい!」


 僕達が後ろを振り向くと……。









「ん……ああ。よく寝た気がするな。お、シュリ様!それとお客人達、どうしたのだそんな顔をして?」


 ぱっちりと目を開けたリードさんが体を起こしているのが目に入ったんだ。


 もしかして……もう治ったの!?

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