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配信テイマー、我が道を行く!〜戻って来いと言われても知りません!僕は大切な仲間と一緒に冒険してるんだから!  作者: ゆん。
第八章

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発見、ヨツバソウ!そして……

「お疲れ様です!ティム様!」


「サキさん!ありがとうございます!」


「終わったな!もうヘトヘトだし!」


 異形の魔物を倒してから少し経って、僕達はその場にぺたんと座り込んでいた。皆で頑張って倒せたけど、手強い相手だった……今のままじゃ駄目だ、まだまだ強くならないと。



「皆お疲れ様。さて、私達はもう一仕事だ。早く立ってくれ。」


「カズハっち?俺もう立てないっしょ!」


「お前、何の為にここに来たのか分かってるのか?」


「何かあったっけ?」


「はあ……。」




 カズハさんが頭に手を当て上を見る。何か……あっ。



「そうだ!ヨツバソウ!」


「君も忘れてたのか……まあ無理もない。こんな事態になるとは思ってなかったからな。」


「じゃあ、僕が一緒に行きます!ラーチャオさん達はここで休んでて下さい!」


「そ、そうだった……ごめんな。じゃあ、二人とも気をつけてな!」





 ラーチャオさん達にはここに待機してもらって、僕とカズハさんで周囲を探索する。


 でも、今の僕達じゃ瓦礫は動かせない。だから空いてる部屋を覗きながらちょっとずつ調べる事にした。


「この部屋は無いか。ここは……駄目だな、埋まってる。ティム、そっちはどうだい?」


「駄目です!こっちも見つかりません!」


「そうか。何とか見つけたいが……。」


「ぴゅー?」


「えっ?レイクドラゴン君?」


 僕達の後ろに着いてきたレイクドラゴン君。瓦礫をそっと動かしながら、部屋に首を入れていた。



「もしかして……探してくれてるの?」


「ぴゅー!」


「本当か!?助かるよ!ありがとう!」


「ぴゅー!」


 よかった、これで瓦礫の山も調べられる!どうにかして見つけないと!











 それからしばらくして……。








「ぴゅー!ぴゅわー!」


「えっ!?本当に!?」


「どうしたティム!」


「ありました!レイクドラゴン君が見つかったって!」


「本当か!分かった、そっちに行こう!」


 遂に、遂に見つかったんだ!僕達はレイクドラゴン君の所に歩いて行くと……ドラゴン君は大広間にある空洞を覗いていた。



「ぴゅー!」


「ここ?どう……あっ!」


「あれか……やったなレイクドラゴン!」


 目の前にあったのは、四つの葉っぱを付けた、緑色の植物。きらきらと光るその植物は……間違い無い!ヨツバソウだ!


「後はこれを持ち帰れば、私達の依頼も完了だな!」


「はい!」


 丁寧に掘り出して、これをそっと袋に入れた。このまま帰って、マスターさんに届ければクエスト達成になる!






「よかったー!これで……」


 あっ……安心したら急に眠く…………


「ティム?……ティム!どうした!?しっかりしろ!ティム!ティ…………」































 僕が次に目を開けると、そこに映っていたのは綺麗な天井と、見た事のある部屋。


「んー……あれ?ここは?」


「すぅ、すぅ。」


「び。」


 僕の側にはサキさんとびー君が寝ていた。僕はベッドの上に。……あそこで倒れちゃったんだ!?



「二人とも、起きて下さい!」


「び?……びー!びー!」


「ふぁぁぁ……。びー君?ティム様はまだ起きて……ティム様!?」


「は、はい!起きました!」


「よかった……すぐに皆様を呼んできます!」


 慌てて部屋を飛び出すサキさん。僕とびー君はこの場でじっと待つ事にした。










「無事かティム!?どこか痛い所は無いか!?」


「は、はい。今は痛くありません。これはシュリちゃんが?」


「ああ!あれから彼女が私達皆の怪我を治してくれたんだ。君は丸一日寝ていたんだよ。ここはシュリの城で、君の部屋だ。アイツが運んでくれたんだよ。」


 カズハさんはラーチャオさんに交代すると、彼は僕の手を握ってくれた。


「ティムっちぃぃい!俺達ホント心配したんだし!でも、起きてくれてよかったぁぁぁ!これで安心っしょ!」


「そうなら良かったんだが……。」



 言葉を濁すカズハさん……何かあったんだ。話を聞かないと!




「カズハさん。顔色が悪いですけど、何かあったんですか?」


「ああ。シュリのお付きのリザードマン、彼の事なんだ。」


「リードさん?……そうだ、リードさん魔物の攻撃で倒れちゃったんです!怪我は良くなりましたか?」


「うん。怪我は治ったんだ。だが……。」



 カズハさんは顔を伏せて、言葉を続けた。










「あれからずっと目を覚まさないんだよ。」





「そ、それって……僕みたいに疲れて眠ってるって事は……。」


「シュリは最初に彼を治療して、すぐに外に連れ出したんだ。怪我は軽かったから時間はかかってない。それに彼女の側近だから、優先しても誰も文句は出なかったよ。」


「でもよ、それからずっと安静にして、シュリっちが回復魔法を掛けてるのに、全く起きないんだよな……。」


「まだ一日しか経っていないが、相手は未知の魔物だ。ちょっと心配でね。」


 そ、そんな……。






「それで彼の様子を見てる時に、ふと思いついたんだ。彼のあの様子……どこかで見たと思ってね。」


「そ、それは?」


 カズハさんがコホンと咳払いをして、また一言、言葉を続けた。



「襲われて以降目を覚まさない……私達の依頼主、あのマスターの息子と同じだよ。」


「えっ!?」


 そう言うカズハさんが出した手には、僕が採集したヨツバソウが乗っかっていた。

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