表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
配信テイマー、我が道を行く!〜戻って来いと言われても知りません!僕は大切な仲間と一緒に冒険してるんだから!  作者: ゆん。
第八章

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

162/279

少年テイマー、覚悟を決める!

 どすん。どすーん。


「ぴゅー!ぴゅー!」


 ぎーーーーっ。ぱたん。


「ぴゅー!……ぴゅー?」


「「「「「ギィィィィ!?」」」」」


 どすん、どすん。


「ぴゅー。」


 じーっ……。








「ぴゅー!ぴゅーぴゅーー!」


 ぴょーん。ヒューーーーー。




「ぴゅーー!?」

















 ◇◇◇


「ティム君!?何とかならない!?早くしないと!」


「シュリ様後ろに!壁ももう限界ですぞ!」



 壁の向こうから二人の声が響く。すぐそこなのに何も出来ないの!?


「カズハさん、弓矢を使えば!」


「ブラックアローか……だが部屋が狭すぎる!二人とも粉々にしては意味が無いだろう!?」


「それでも!」


「ティムっち、悪いけど俺も同意見だし。索敵したけどあんな狭い部屋じゃ無理っしょ……。」


「そんな……。」


 僕は短剣で壁を削るけど、これじゃ間に合わない!



 レルが、レルが居てくれれば……!









「あ、あの!」


「サキさん!?どうしたんですか!?」


「わ、私がここを壊してみせます!魔力を調節すれば、壁だけ吹き飛ばす事が出来るかもしれません!」


「お、お願いします!」


 さ、サキさんが名乗りを上げてくれたんだ!僕もサポートしないと!



「それなら僕も手伝います!一緒にやりましょう!」


「は、はい!……え?」


 僕はサキさんの手を握り、一緒に手のひらを壁に向ける。二人でなら上手く魔法を使えるはずだ!



「サキさん、僕の魔力を使って下さい!」


「ティム様……はい!ありがとうございます!」


 二人で息を吸い、呼吸を整える。タイミングは……ここだ!



「「ファイアブラスト!」」


 炎の弾丸が壁に命中、その部分が焦げてへこんでいく。ここだ!ここに集中して……


「ティム様、お願いします!」


「はい!僕達なら絶対に出来ます!」


 火力を調節し、二人で壁を削り続ける。このまま、このまま進めば……











「あっ、また手が滑っ」


「貴様!いい加減にしろ!」


「ゴボッ!?」


 後ろの冒険者が爆弾を取り出したタイミングで、カズハさんが殴り飛ばす。奴は壁に激突し、そのまま動かなくなった。


「今回は手加減したが……貴様ら、次に手を出してみろ!私がこの手で粉々にしてやる!」


「こ、この悪魔め!俺達は同じ冒険者だろ!?仲間じゃないのか!?」


「友達を閉じ込めるような奴が仲間?私は嫌だね、死んでもお断りだ!」


「こ、この……!」


「ティム、この馬鹿達は私が引き受ける!シュリを頼む!」


「はい!」













 壁はだいぶ掘り進めた!もう少しだ!


「シュリちゃん!リードさん!もうすぐです!」












 ……声が聞こえない?嘘でしょ!?


「サキさん!」


「はい!これで……終わりです!」


 ファイアブラストが遂に壁を突き破る。威力を調節したから、シュリちゃん達には壊した壁の粉がかかるだけ。







 でも、シュリちゃんの目の前には、倒れたリードさんが居た。そして二人を見る、巨大な魔物が……。



「も、もう魔力が……で、でもリードさんは、私が守る!」


「うう……。」



「ピギャァァァァァァ!!???!」




 二人に覆いかぶさるように、魔物は牙を向ける。














 そんな事、絶対にやらせるもんかぁぁぁ!






「いっけぇぇぇー!」


 僕は二人の前に滑り込み、びー君の短剣を魔物の口に突き立てる!



「ピギャァァァァァァァァァ!!!??!!?」


「シュリちゃん今のうちに逃げて!」


「ティム君!?で、でも!」


「早く!」


「ピギャァァァァァァ!!!!」


「邪魔だぁぁぁぁ!」


 魔物の鉤爪が僕を狙う。それを足元へ潜って避け、今度は腹部を斬りつける!


「ピギャァァァァァァ!!!???」


 そして後ろに下がった所へ、思いっ切り魔力を込めたキックを叩き込む!


「ぶっ飛べぇぇぇ!」


 壁に叩きつけ、僕は魔物に短剣を何度も突き刺す。

 ここで逃がしたら駄目だ!絶対に倒すんだ!





「ティ、ティム……。」


「皆お願い!攻撃してー!」


 ちょうどシュリちゃん達が外に出た!今がチャンスだ!



「……ああ!行くぞ!ブラック……アロー!」


「えいっ!」


 僕は地面を蹴ってすぐに部屋を出る。入れ替わりに入ったのは、カズハさんの黒い矢だ!







「ピギャ……ピギャァァァァァァァァァ!???!」


 矢が奴の体を貫きバラバラに。でも、すぐに破片が動き出し、再生を始めた!




「ティム、よく頑張ったな!」


「こっからは俺達に任せろし!」


 カズハさんとラーチャオさんが僕の前に立つ。凄く、頼もしいなぁ……。



「み、皆!お願いします!ここであの魔物を倒すんです!力を貸して下さい!」


 シュリちゃん……





「おう!彼らが頑張ってるんだ、俺達だって負けられないぞ!行くぞ皆ー!」



「「「「「おおおおーー!」」」」」



 僕なら出来る……僕達なら出来る!



「必ずお前を倒してやる!ここからが本番だ!」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ