冒険者一行、審査結果は……
遂に結果発表……ジュリア様が口を開いた!
「貴方達のダンジョンに入る許可、これは……」
「こ、これは?」
「うん!許可を出します!貴方達なら大丈夫でしょう!」
「ありがとうございます。感謝致します。」
「やったなティムっち!」
「やりましたねラーチャオさん!」
「おい!ここは女王様の前だぞ、少し落ち着け!」
嬉しくてラーチャオさんとハイタッチ。そこをカズハさんに怒られちゃった。
「いいのよカズハ。気にしないで。それで許可だけど……むしろこちらから同行をお願いしたいと思ってるの。」
「同行?」
「ええ。私達、近いうちにダンジョンに入る予定があるの。重要な任務があるから、そこについて来て欲しくて。」
「任務ですか?」
カズハさんは不思議そうな顔をしてる。ずっと依頼続きだったから、張り紙を見てないのかも。
「まずはこれを。ティム君ありがとう!興味深い配信だったわ!」
「あ、ありがとうございます。」
直接魔導カメラを手渡しに来てくれたジュリア様。僕はそれを受け取り……あれ、この感じどこかで……。
「それを見たけど、貴方達が戦った魔物の情報、凄く参考になったわ!シュリに聞いたかしら?私達の国の周辺、最近あの黒い霧が広がってきて大変なのよね。対処法が分からなくて苦戦してたの。」
「それなら、お役に立てて良かったです!でも、あれは前の経験から予想した物で……。」
「ええ。でも倒せる手段が分かったのは大きな進歩よ!あの黒い玉、あれから出る魔物を倒せれば霧が晴れる。これだけでも価値のある情報なの。そこでさっきの話になるんだけど。」
「こちらにお願いしたい……という話ですね。」
ジュリア様は頷き、僕達の前に立ったまま話を続けた。
「私達、深緑の神殿……貴方達の入りたいダンジョンに入る予定があるの。神殿も黒い霧に覆われててね、今回もらった情報を使えば、ここも何とかできるかもしれない!だから、実践してた皆にも来て欲しいんだ!」
「なるほど……ティム、ラーチャオ、サキ。君達はどう見る?」
「僕はもちろん一緒に行きます!ダンジョンに入るのが元々の目的ですから!」
「俺もティムっちと同じ意見だし!サクッと終わらせて、ヨツバソウ探そうぜ!」
「わ、私もです!」
カズハさんと同時に僕達も頷き、ジュリア様を見る。
「私達にも手伝わせて下さい。お役に立てるなら、喜んで協力しましょう。」
「ありがとうカズハ!報酬はちゃんと用意するよ、それにヨツバソウの採集、これも自由にやってくれて構わないからね!」
「ありがとうございます。」
「出発の時間はまた連絡するから!準備はお願いね!では、また!」
こちらにお辞儀をして、慌てて奥に行っちゃった。女王様のお仕事も大変そうだなあ。
「いやー!今度は緊張しなかった!分かってればこっちも安心だし!」
「今回の依頼もそうだろうな。対処法が分かったから乗り込むんだろう。知識は力か……ラーチャオの言った通りだったな。」
「だろ?こういうのも重要なのよ!守りは俺に任せろ!そっちも用意しとけよ!」
「分かってるさ。」
カズハさんとラーチャオさんはやる気いっぱい!僕も負けないぞ!
「サキさん、僕達も頑張りましょう!」
「は、はい!お任せ下さい!」
それにしても……
「カズハさん、僕ちょっと気になる事があります。」
「ティム?何が気になったんだい?」
「はい。カメラを渡された時に、ちょっとだけ感じたんです。どこかで会ったような……。」
「そういえば、前よりももっと距離感が近い感じだったし。何かあの感じ、俺も気になるな。」
「きっとシュリから話を聞いているのだろうな。配信の件で信用してもらえたのもあるだろう。ティムは気にし過ぎさ。私達はここで初めて会ったんだからね。」
カズハさんが笑うと、皆も一緒に笑っていた。やっぱり気のせいかな。
「そうですよね。じゃあ僕達は一度帰りましょう!カズハさんはどうします?」
「私は街を見てくるよ。依頼を受け続けてたから、のんびりと歩こうと思う。」
「んじゃここで解散だ!シュリっちは居るかな?」
「今日は忙しいって言ってたので、多分夕方になると思います。先に戻りましょう!」
「オッケー!じゃカズハっち、またな!」
「カズハさん、私も帰りますね。」
「ああ!」
僕達はここで一度別れて自由行動に。準備は少しずつ進めてたから、後はその日を待つだけ。今日は特訓して、お出かけもしたいなー。
◇◇◇
「ジュリア様!部隊の準備、数日中には終わります!」
「ありがとう!毒使いと火属性の魔法使いは?」
「そちらの手配も問題ありません!それでシュリ様についてですが……。」
「ええ。彼女にも来てもらう予定。あの冒険者さん達と仲良しみたいだし、彼女の魔法は頼りになるわ。」
「かしこまりました!お伝えしておきます!」
「物資の手配はこちらでやります。こういうサポートはきちんとしておかないとね!」
「お願いします!」
「今回の任務、皆の力が必要なの。だから……力を貸して!私もサポートするから!」




