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配信テイマー、我が道を行く!〜戻って来いと言われても知りません!僕は大切な仲間と一緒に冒険してるんだから!  作者: ゆん。
第八章

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大浴場でゲン担ぎ、訪れる判断の時

「ティムっちー。これ持ってー。」


「はーい。サキさんはこっちをお願いします。」


「お、お任せ下さい!」


 女王様にダンジョンの許可をお願いしてから数日。今は僕とラーチャオさん、サキさんの三人でお買い物中なんだ!


「そろそろ結果が出てもいいんじゃねーの?時間ってこんなにかかるものかな?」


「でも、そろそろだと思います。このチラシを見て下さい。」


 僕はお店でもらった張り紙をラーチャオさんに手渡す。


「これって店に貼ってあった奴?えーっと……[深緑の神殿]、部隊派遣?」


「はい、ここが僕達の入りたいダンジョンみたいです。さっき教えてもらいました。近々遠征の予定があるとかで、準備をしてるみたいです。もしかしたら、僕達にも声がかかるかも!」


「おお!楽しみだし!俺達特訓も続けてるから、少しは強くなったんじゃね?」


「早く結果が出るといいですね。そうしたら私、頑張ります!」


「サキっちならメチャ強いから問題無しっしょ。頑張るのは俺だな!タンクの仕事はきちんとしとくからな!」


 話しながら僕達はシュリちゃんのお城に帰る。今日のご飯は何かな?おいしく食べるために、少しだけ体を動かしておこう!








「ただいま戻りましたー!」


「おかえりティム君!今日のお買い物は?」


「はい!新鮮な果物が売ってたので買ってきました!後はお肉と、パンと、色々です!」


「ありがとう、お疲れ様です!ラーチャオもサキちゃんもありがとう!」


 荷物を降ろして準備完了。もう一度訓練場に出発だ!





「ふう。シュリ、ただいま。今日は忙しかったよ。」


「カズハ!おかえり!そっちはどうだった?」


「ああ。今日も警備隊に混じって依頼をやって来た。やはり鍛えるなら実戦が一番だ。」


 あっ、帰って来た!カズハさんはお金と素材稼ぎも兼ねて、見回りや魔物の討伐依頼を受けてるんだ。今日のお仕事も終わり、これで皆揃ったね!


「びー。びー。」


「ぴゅー!ぴゅー!」


 ……びー君とレイクドラゴン君は二人で水浴び中。のんびりと羽を伸ばしてる……。





「ティム君?」


「あっ、うん!びー君達に目が向いてたんだ。何だか気持ち良さそう!」


「だねー。……そうだ!なら今日は皆で入ろう!」


「入る?どこに?」


「お風呂。」


「そうだね。皆順番で入ってたもんね。……お風呂?」


「そっ!」



 お風呂……皆で入ると確かに気持ち良さそう!それもいいかな。


「良いんじゃないか?だがシュリ、そんな広い浴場があるのかい?」


「うん!お城の裏に温泉があるの!今日はそこでどう?」


「分かった、ではまた夕方。私は素材を整理しておきたいからね。」


 カズハさんは自分の部屋に入る。僕も特訓頑張ってるし、ここでがっつりと汗を流そう。でも、まだ時間がある。なら!



「ラーチャオさん。僕達もう一回特訓しましょう!」


「お、俺はちょっと休むわ。」


「ティム様、ここは私が!」


「本当ですか!お願いします!」



 僕はもうちょっと特訓だ。たくさん動いて、お風呂に備えよう!















 そして夕方。太陽もだいぶ落ちてきた。ついに、ついに……!


「というわけで、ここが大浴場でーす!」


「おー!」


「いい景色だ。それに温度も丁度いい。これは楽しみだな。」


 大浴場に到着!お城の裏にこんな所があったんだね。外は景色が見えるようになっていて、端っこには巨大な木が立っている。緑色の風景……リラックスできそうだ!



「じゃあ服脱ごうか!皆着替えるよー!」


「おう!で、俺達の風呂は?」


「何言ってるのラーチャオ?ここは混浴だよ?」


「………混浴?マジで?」


「うん。終わったら集まってね!」


「では行こうか。」


「わ、私も行きますよー!」


 シュリちゃん、カズハさん、サキさん。三人は近くの小屋に入り、服を脱ぐんだ。僕も早くしよう。


「ラーチャオさん!僕達はこっちですよ!」


「お、おう!任せろし!」











 それから数分後。僕達は服をしまって、大浴場に戻って来た。


「僕達の方が早かったですね。……ラーチャオさん?」


「そ、そうだな!落ち着け落ち着け……。」


「皆おまたせー!」



 あっ、来た!



「やあ!久しぶりだな。」


「よ、よろしくお願いします……。」


 カズハさんとサキさんがタオルを巻いて登場!二人ともスタイルいいなー。僕も将来はこんな大人になるんだ!


「じゃあシャワーを浴びないとね!こっちこっち!」


 シュリちゃんの後に続き、まずは木の側に。彼女が杖を振ると、植物の茎が現れ、お湯が流れ出す。


「まずは体を清めましょう!空気がきれいだから、お湯もきれいになってるよ!」


「やったー!」


 僕はシャワーを浴びながら頭を洗う。皆も体を洗ってるね。


「ティム様……かわいい……。」


「確かに……とても可愛らしいな。」


 二人の視線を感じるけど、とりあえず洗っちゃおう。


「うおーー!洗え洗えー!」


 ラーチャオさん……さっきから様子が変だ。後で聞いてみよう。












 そして体を洗った僕達は、お湯に入る。熱くないかな?あっ、これは……


「あったかーい!」


「そうでしょそうでしょ!ここは私自慢の大浴場なんだよ!」


「気持ちいいな。しかしシュリ、いつもの風呂と違うという事は……何かあるな?」


「えっ!?やっぱりそう思う?……うん。そ、それはね、明日は大事な用事があるからなんだ。ゲン担ぎみたいな物なの。」


 大事な用事?それって!




「女王様のお城で報告があったの。皆のダンジョン突入の許可、明日判断が出るんだ。」


「そうなの!?」


「うん。だからここで運を良くしようと、特別に用意したんだ。びっくりしちゃったかな?」


「いや、ありがとう。シュリのおかげで良い結果が出る気がするよ!」


「私もです!シュリ様、ありがとうございます!」


「喜んでもらえてよかった!今日はのんびり楽しんでね!えいっ!」



 シュリちゃんは立ち上がり、くるくる回りながらお湯をバシャバシャとこっちに!


「わっ!?シュリちゃん!」


「どうだ!ここのお湯は気持ちいいでしょう!ティムくぺぷっ!?」


「お返しだよ!負けないぞ!」


「やったなー!えいっ!」


 僕はシュリちゃんと勝負だ!ここで勝って明日も許可をもらうんだ!

















「アイツは……少しからかってやろうかな?サキ、君もどうだ?」


「えっ?私もですか?……は、はい!やってみます!」


「よし。じゃあこんな感じに……。」


 あっ。カズハさんが立ってラーチャオさんのすぐ横に!




「やっべぇ……俺どうしよう?」


「ラーチャオ、どうしたんだ?」


「あ?……ってカズハっち!?何してんの!?」


「ラーチャオさん……。」


「サキっちまで!?」


 サキさんは反対からラーチャオさんに近づく。あれは……。




「ほら、喜んだらどうだ?お前の言うハーレムとはこういう物だろう?」


「ラーチャオさん、私……。」


「何!?俺何かした!?」


「ほら、私を良く見ろ。お前の望む者がぶっ!?」





 あっ……カズハさんが蹴られた。


「無理無理無理無理!?俺こういうのはちゃんとしてんのよ!?そういうのは段階踏んでやって欲しいし!?」


「貴様……やってくれたな!」


「勝手に来たのそっちだし!?もう怒ったっしょ!」


「お、お二人とも落ち着いてください!」


 二人はお風呂の中で取っ組み合いを始めちゃった!?

 僕達も止めないと!


「い、行こうシュリちゃん!」


「う、うん!こんなはずじゃ無かったんだけどな……。」




 僕達は慌てて二人を止めて、今度は仲良くお湯の中に。……でも、楽しいなあ。サキさんもだいぶ打ち解けてきてるし、皆も楽しそう。


 勇者パーティーに居た時は、一度も経験した事が無かった事……。それが今出来てるんだ。このメンバーでここに来れてよかった!



「皆さん、ありがとうございます!」


「えっ?ティムっち、何か固いっしょ!リラックスリラックス!」


「ああ。ほら、こっちに!」


「ティム様!一緒に!」


「ティム君!」








「はい!」


「びー!」


「ぴゅー!」




 びー君達もやって来た、今日は皆でたくさん遊ぼう!




















 そんな事があった次の日。僕達は再び女王様のお城にいる。シュリちゃんはやっぱりお仕事。僕達は謁見の間に膝をついて待機している。


「来たね皆!どう?楽しんでるかな?」


 来た……ジュリア様だ!


「ご連絡頂きありがとうございます。シュリさんからこちらに来るよう教えて頂きました。」


「ええ!貴方達の頼み事、結果が出たわよ!」


「来たし……!」


「それで、結果は?」



 ジュリア様は大きく息を吸ってから、こっちをじっと見た。いよいよだ……!



「では、発表します。貴方達のダンジョンに入る許可、これは……。」


 僕達は膝をついたまま、ジュリア様の次の言葉を待っていた。

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