ようこそ地竜の国へ!
門を抜けると、そこには綺麗な街並みが広がっていた!あちこちに大きい木が立っていて、その側には建物が並んでいる。多くの人達が買い物をしたり、特訓したりしてるんだ!
「うわー!広いなー!」
「こんなに大きいなんてびっくりっしょ!良いもん見れたな!今度他の冒険者に自慢してやるし!」
「確かに……思ったよりも大きい国だ。それにぱっと見ただけでも、色々な種族が住んでいるのが分かる。」
「アースラは自然と共生しながら発展してきたんだよ。だから、それと同じように色んな人達とも協力して、国を強くしているの!」
「がおー!」
手を広げてくるくる回りながら、シュリちゃんは教えてくれた。たくさんの種族が仲良くできれば一番いいよね。僕はびー君を撫でながら話を聞いていた。
「グランド王国とは大違いだな。」
「ハッハッハ!あんな所と一緒にするでない!我ら竜族は色々な者を受け入れるのだ。皆で頑張らねば、自然の中では生きられぬからな!」
歩きながらシュリちゃんとリザードマンさん、カズハさん達が話している。それを後ろから、サキさんと一緒に眺めていた。
「おなかが空きました!ティム様、何か食べる予定はありますか?」
「そうですね。まずは街を見ながら進んで、良い所があったらと思います。やっぱりたくさん食べたいですよね。」
「えっ!?」
のんびり話していると、驚いた表情でこっちを振り向くサキさん。……失礼な事聞いちゃった!サキュバスって体型気にする……よね?
「ごめんなさい!その、強い魔法が使えるから、魔力を溜める為に食べるのかなって。僕も大きくなる為にたくさん食べてるんですけど、なかなか上手くいかなくて……。」
(わ、私お腹いっぱい食べた事なんて今まで一度も無くて……。)
「サキさん?」
「……は、はい!そうなんです!私、魔法を使う為にたくさん食べるようにしてます!それにたくさん食べても太りませんし!はい!」
「そうか。羨ましいな。私にも秘訣を教えてくれないかい?」
「な、ならカズハさんも一緒に食べませんか!」
「ああ、お願いするよ!」
街並みを抜けると今度は頑丈な建物が目に入った。ここは役場や休憩所が並んでいる。冒険者さんや警備の人達が慌ただしく動いていた。
「さあ!このまま進んで行くよ!皆ついて来てね!」
「了解!ちゃんとついて行くし!」
「皆はぐれるなよ。特にラーチャオ、お前は気をつけろ。」
「どういう意味!?」
「行きましょうサキさん!楽しみですね!」
「はい!女王様の住む場所って、どんな所なのかな……?」
そして僕達が着いた場所は……大きなお城!緑色のレンガで組み上げられたお城を支えるように、巨大な木が並んでいる!ここに女王様が住んでるんだ!
「でっか!ここ凄え城だな!こんなの見た事無いっしょ!」
「落ち着いたら街を歩いてみようね!でも、今日はゆっくり休もうか!」
「はい。それでここは?」
「まあまあ。ちょっと待っててね!」
「ささ、シュリ様こちらに!」
シュリちゃんは門に駆け寄ると、すぐにガタガタと音が響く。門が開き始めたんだ。
「……女王に会うのは今すぐじゃないとシュリは言っていたな。ならここは女王の城では無い。……まさかこの城は。」
カズハさんの呟きに、シュリちゃんはにっこりとした表情で答えた。
「その通り!ここは私のお家だよ!」
「がおー!」
「「「「えーーーー!?」」」」
「ぴゅー!」
「びー?」
「驚いたようだなお客人。しかし私の方が驚いているぞ!皆ここがシュリ様の家と知ってはいるが、初対面でここを紹介されるとは……相当気に入られていると見た!」
「そうなんですか?普段シュリちゃんはどうやってお仕事を?」
「あそこに城が見えるだろう?普段は女王様の城、そこの執務室で仕事をされているのだ。」
リザードマンさんの指さした先、そこにはここよりも大きなお城がある。……シュリちゃんは凄い人だったんだなー。
「今日はここで休んで、明日女王様に会いに行こう!体もちゃんとしておかないとね!」
「そうだな。ホコリはしっかりと落とさないと。」
「カズハさんー!からかわないで下さい!」
「ハハハ。ティム、そう怒らないでくれ。冗談だよ!」
「俺……こんな所入るの初めてだし。ちゃんとできるかな?」
「わ、私も……。」
「ラーチャオ!サキちゃん!平気平気、そんなの気にしないでよ!ほら!」
「わっ!?押すなし!?」
「あっ!待って下さい!」
ラーチャオさんを後ろから押すシュリちゃん、それを追いかけるサキさん。僕達は三人を追って、一緒にお城の中に入る事にした。
本当に大きい……気を引き締めていかないと!




