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配信テイマー、我が道を行く!〜戻って来いと言われても知りません!僕は大切な仲間と一緒に冒険してるんだから!  作者: ゆん。
第七章

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食事と今後の方針について/ともだちができた日

「これでよし!ごめんね、今はこれ位しか出来ないけど……。」


「だ、大丈夫です!だいぶ楽になりました!」


 僕はシュリちゃんの手当てを受け、今は馬車の荷台に腰掛けている。ここまでカズハさんが運んでくれたんだ。


「ティムっち平気!?足痛そうだし!」


「はい、シュリちゃんのおかげで落ち着いてます。」


 足には添え木を着け、包帯が巻かれている。目的地に着いたらちゃんと診てもらおう。


「もう少ししたら行くから!ちょっと休んで、な!」


「ありがとうございます。」


 ラーチャオさんが馬車から離れ、皆の所に行くと、馬車の奥からゴトゴトと音が聞こえた。


「だ、誰!?」


「がおー。」


 ……シュリちゃんと一緒に居たドラゴンの赤ちゃんだ。口には食べ物……そっか、襲撃の時、ラーチャオさんがご飯出しっぱなしだったんだ!


「がおー!」


「えっ、これくれるの?」


 赤ちゃんは手にチーズの欠片を持って、パタパタ飛んで来た。心配してくれてるんだ。


「ありがとう!いただきます!」


 僕はチーズを頬張り、赤ちゃんを抱きながら皆の方に目を向けた。


「もう少し待っててね!皆来るから!」


「がおー!」











 ◇◇◇


「やった……やった!私にも、出来たんだ!」


「サキっち、メチャ強いじゃん!これは頼もしいっしょ!」


「ああ、助かったよ。しかし君は……そうか。」


 サキさん大喜び!でも、カズハさんは少し戸惑った表情だ……。



「君はサキュバスだったんだな。てっきり人間の助手なのかと思ったよ。」


「あっ……は、はい。隠してて、申し訳ありません……。」


「す、すまない!気にしないでくれ!別に責めてるわけじゃないんだ。ただ驚いてしまったんだよ。」


「私……やっぱり変ですよね。」


「えっ?」





 サキさんの今の格好……背中の服が破れ、黒い羽二本が大きく開いている。……きれいな人だなぁ。控えめに言ってもすごくかわいい女性だよね。




「私、見た目は人間なのに、本当は魔物なんです。だから、それを隠しておきたかったんです。もし魔物って分かれば、私を嫌いになりますよね……。」


「そんな事無い!」



 サキさん、そんな風に思ってたんだ……。一緒に居たのに、気付けなかったよ……。


「魔物だろうが人間だろうが関係無い!私達は種族じゃない、君を……サキを見てるんだよ!」


「そうだし!サキっちはメチャかわいくて落ち着いてて、メチャかわいいし!どの種族かなんて関係無いっしょ!」


「ほ、本当ですか……?私……」



 心配そうに下を見るサキさん。そこにシュリちゃんもやって来た。


「サキちゃん向こうを見てよ!サキちゃんにはティム君もいるし、今は私達もいるよ!」



「わ、私は……。」


 サキさんがこっちを向いた。そうだ、サキさんは……






「サキさーん!」


「ティム様……。」


「サキさん!僕達はサキさんの味方ですよ!だから、そんな心配はしなくても平気です!一緒に少しづつ、進んでいきましょー!」


「ティム様、皆様……あ、ありがとうございます。ありがとうございます……!」



 大声で伝えると、サキさんはすごく、すごく嬉しそうな笑顔になった!昔の事が足を引っ張るかもしれない。でも今は僕達が居るんだ!ちょっとずつでも前を向けるように、何か出来ればいいなぁ。











「さ、馬車に戻ろう。すっかりお腹がすいてしまったよ!」


「メシだメシ!俺腹ペコだし!早く食おうぜ!」


「行こうサキちゃん!ティム君も待ってるよ!」


「は、はい!」


 皆こっちに戻って来る!僕もご飯を食べないと、たくさん食べて力をつけなきゃ!















 それから僕達は、ご飯を食べて休憩中。マスターさんの件もあるけど、まずは一休みだ!


「いやー疲れたっしょ!これでシュリっちの仕事は終わったんだな!」


「ラーチャオ、守ってくれてありがとう!こんな見た目でも頼りになるんだね!」


「お、おう……。」


「ラーチャオ、私からも礼を言わせてくれ。今回は助かった、ありがとう。」


「いや……う、嬉しくねえし!こんなの当たり前だし!」


 ラーチャオさんは顔を赤くして喜んでる。タンクは大きな盾に鎧っていうイメージだったけど、こういう人も居るんだ。参考に……なるかな?



「カズハっちもシュリっちも、ティムっちもびー君も……皆、俺と同じくらい凄いっしょ!」


「それはそうさ!私達は一人前の冒険者なんだからな!」


「そうだ!さっき話が止まっちゃったけど……皆は一人前の冒険者なんだよね?ここの辺りに居たのは、もしかして依頼を受けてたの?」



 シュリちゃんの質問。これが僕達の本題なんだ、ちゃんと伝えておこう!




「うん!僕達は依頼を受けて、アースラに向かう所だったんだよ!」


「アースラに?どうして?」


「私達の依頼者がある薬草を探しているんだ。ヨツバソウと言う植物、君は知っているよね。」


「ヨツバソウ?うん、私達の国にあるけど……結構珍しい植物だよね。私達でも中々お目にかかれないレア物だよ!」


 それはそうだよね。簡単に手に入るなら、ここから買えば解決するんだから。





「ああ。そのヨツバソウが生えているダンジョン、そこに行くために向かっていたんだ。」


「そっか……もしかして、私に頼みたい事って!」


「ああ。私達の交渉に、協力してくれないだろうか?」


「なるほど、ダンジョンに入るなら許可が欲しいもんね。普通は結構時間がかかるんだけど……むう。」


 シュリちゃんはパンを頬張り、もぐもぐ口を動かしていた。



「どうだろう、頼めないかな?」


「いいよ!私でよければ!私、こう見えても少しは偉い魔法使いなんだよ?だから……一緒についていってあげよう!」


「いよっ、頼りになるねぇ!」


 胸を張るシュリちゃんに、手を叩くラーチャオさん。これで目的地への道筋が立った!なら今は……




「では皆さん!話も落ち着きましたし、ここからは……本格的にご飯だー!」


「おう!」


「ああ、頂こう!」


「うん!サキちゃんもたくさん食べよう!はい!」


「あ、ありがとうございます!」



 ご飯だご飯だ!おなかがペコペコだよー!









「びー!びー!」


「ぴゅーー?」


「うわっ!?びっくりしたし!?」


 びー君とレイクドラゴンが、馬車に顔を突っ込んできた!?そうだよね、おなかすいてるよね!


「びー君、はいご飯!レイクドラゴンくん……ちゃん?君も一緒にどうかな?」


「がおー!がおー!」


ドラゴンの赤ちゃんがチーズの欠片を見せて、レイクドラゴンに押しつけていた。同じドラゴンだからかな、一緒に食べたいんだね!


「ぴゅー!ぴゅー!」


「うん!はいどうぞ!」


 僕達は馬車の中で、のんびりしながら食事を楽しむ事にしたよ!皆で食べるとおいしいなー!

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