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配信テイマー、我が道を行く!〜戻って来いと言われても知りません!僕は大切な仲間と一緒に冒険してるんだから!  作者: ゆん。
第七章

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サキュバスの炎弾、異形との決着

「サキさん!」


「だ、大丈夫です!私、頑張りますから!」


 サキさんの魔法が直撃し、ふらふらとよろめく魔物。だいぶ弱ってきてるけど、今の僕達じゃ……ここはサキさんに任せるしかない!


「サキさん、行けそうですか?」


「はい!行けます!私なら出来る、私なら出来る!」


 馬車からこちらに走るサキさん。僕とラーチャオさんの前に立ち、魔物を睨みつけた。


「い、今のうちに後ろへ!」


「分かったし!サキっちも無理すんなよ!」


 ラーチャオさんが僕を背負って馬車に歩く。サキさん、お願いします!









「逃げてこれた……カズハっちまだか!?」


「今魔力を矢に込めてる。まだ時間が必要だ!」


「もー!ティムっちここに置いてくから!俺はまだやれるし!」



 ラーチャオさんは馬車の横に僕を降ろして走り出した。サキさん、ラーチャオさん……。


「カズハさん、ごめんなさい……僕のせいで負担をかけてしまって……。」


「そんな事無いさ。君がいなければまともに戦う事も出来なかっただろう。それに君が先頭に立ってくれたから、私もシュリも準備出来たんだ。だろう、シュリ。」


「そうだよ!皆で頑張ってるんだから、自分が悪いなんて思っちゃ駄目だよ!」


「だが……確かに今の君に出来る事は無いかな。怪我もしてるからね。……だから」



 カズハさんは矢の調整をしながら、僕に提案をしてくれた。


「今はじっとしていて。私達が勝つ事を信じて待って欲しい。それも仕事のうちさ。」


「わ、分かりました……。」


 今出来る事……ここで待つ事だ。でも、ここから見える景色もある。今は、皆の動きをしっかり見ておかないと……。








「こ、ここは通しません!ここで倒してみせます!」


「ピギャァァァ……ピギャァァァァァァ!!!?」


「やらせねえし!」


 サキさん目がけて、転がりながら突進する魔物。そこに割り込むラーチャオさんによって、奴は弾かれた!


「ぴゅー!」


 その魔物の後ろから、レイクドラゴンのブレスが飛んで来た!体が変形した魔物は動けない、ブレスが直撃し、手足を吹き飛ばす!



「ピギャァァァァァァァァァ!!!!」


 再生を始めるけど、体がもぞもぞと動くだけだ。……毒が完全に回ったんだ!今なら!



「サキさん今です!」


「はい!……ファイアブラスト!」


 サキさんの手から炎の弾が現れ、それを魔物に叩きつける!


「ピギャァァァァァァァァァ…!?!?!!……ピギャ。」


 動きが止まった。これで、本当に終わりなのかな……。ううん、そんな訳無い、さっきも騙されたんだ。ちゃんと見てやる!








「ピギャァァァァァァァァァ!!!!??!」



「オイオイまだ続くのかよ!?こっちももう限界だし!?」


 太い足が四本、魔物から生えてきた。そしてラーチャオさん達に背を向ける。ま、まさか……。





「サキさん、ラーチャオさん、魔物が逃げ出します!」


「ピギャァァァァァァ!!!????ピギャァァァァァァ!。????」


 に、逃げた!勝てないと思ったんだ、動かなかったのは動けないからじゃない、力を溜めていたんだ!



「どうする!?俺じゃ追えないっしょ!」


「私が行きます!はぁぁぁ………!」



 サキさんが魔力を込めると……服の背中がビリっと破れ、黒い翼が二つ、ぱっと開いた。


「さ、サキっち!?」


「逃がすもんか!私が倒してやる!」


 勢い良く飛び出したサキさん。……速い、すぐ魔物に追いついた!


「ファイアブラスト!」


 地面にそっと浮きながら、炎の弾を撃ち込むサキさん!それが魔物に当たり、地面を転がっていく。


「ピギャァァァ!????ピギャ!!?。???」


「キャッ!?」


 もう余裕が無いんだ、闇雲に暴れ出した!その爪がサキさんに引っ掛かる!


「うわっ!?」


 サキさん!?魔物に押し倒されて、腕を押さえられてる!


「ピギャァァァァァァ!???!!」


「わ、私なら出来る!私なら出来る!」


「ピギャァァァ!ピギャァァァ!!!!」


 サキさんは手に魔力を溜めるけど、それを見られたのか踏みつけられた!


「痛……痛くない、痛くない!ティム様達の痛みに比べれば!ファイアブラスト!」



 踏まれたままの手から炎が噴き出す!それが直撃した魔物が、火だるまになって吹き飛んだ。




「そこだっ!ブラックアロー!」


 そこにカズハさんが攻撃を加える!魔物の体が弾け飛んで、バランスを崩した!




「ピギャァァァ!!!????!」


「びー!びー!」


 び、びー君!?……そうか、チャンスを待ってたんだね!



「びー!びー!びーーー!!」


 毒針が紫色に輝き、大きくなった!?あれは……



「びー!」


「ピギャァァァァァァ!!。???」


 びー君が毒針を魔物の体に突き刺すと、バチバチと火花を起こしながら魔物が倒れ込む。……やった!今度こそやったんだ!








「ピギャ……ピギャァァァァァァ…………。」


 魔物の体は黒い霧になって空に飛んでいく。そして残ったのは……黒い玉が一つだけ。











 それからすぐ、黒い霧が晴れてきた。上を見ると、青い空が広がっている。


「か、勝った……?勝ったの?」


「……ああ!やったぞシュリ!私達の勝ちだ!」


「ほ、本当に!?やった、やったー!」


 シュリちゃんとカズハさんは二人でハイタッチをしてる。よかった、僕達はちゃんと出来たんだ!


「ティム君、勝ったよ!」


「うん!やったねシュリちゃん!い、痛たた……。」


「ま、待ってて!今治療するから!」


「お、お願いします。」


 ほっとしたら急に痛みが押し寄せて来た……い、今はじっとしてよう。














「や、やった……。」


「びー!びー!」


「サキっちナイス!大手柄だし!」


 サキさんの側にはびー君とラーチャオさん。それと……


「ぴゅー!ぴゅー!」


 レイクドラゴンが三人の側で寝そべって転がり始めた。もう安全だって、ドラゴンも判断したんだ。



「よ、よかったー!やったぞー!」


 ひとまずこれで、解決したんだ!それじゃあ、今は一休みだ。これからの事は、後で考えよう!





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