少年テイマー、洞窟調査に挑戦する
「ティムさん!クエストが用意出来ましたので、よろしくお願いします!」
「はい!今行きますね!レル、行くよー!」
「わふー!」
あれから二日。遂に、遂にクエストを受けられる!僕はワクワクしながらリースさんの家に向かった。
「それではこれがクエストになります。」
「はい。確認させて頂きます。」
「わふー?」
僕とレルは渡された書類をじっと見る。そこには洞窟調査の依頼が書いてあった。
「この村を出てしばらく進むと洞窟があります。そこの調査をお願いします。」
「分かりました。調査という事は、何か理由があるんですか?」
「はい。最近出来たダンジョンなんですが、ここは見ての通り田舎ですので、まだ誰も入ってないんです。危険な魔物が居ないか、調べてもらえませんか?」
「任せて下さい!しっかりと調べてきます!」
「わん!わん!」
僕は必要な荷物をリュックにつめて、レルと一緒に村の外へ。そこからレルの背中に乗って、目的地に行くつもりなんだ。
「リースさん、行ってきます!」
「うー、わん!」
「無理はしないで下さいね!待ってますよー!」
「よし、お願いレル!洞窟まで連れてって!」
「わふー!」
背中に掴まると同時に、レルは一気にスピードを上げる。そしてたまに止まって場所を確認しながら進む、これを何回か繰り返すと、リースさんの言っていた洞窟が見つかった。
「ここだね。新しく出来たダンジョンって。」
「わふー。」
そびえ立つ巨大な岩。そこにはポッカリと大穴が空いている。おそらくここが入り口なんだろう。ちょっと覗いて見たけれど、さすがに入り口付近には敵は居なそうだね。
「レル、いよいよ行くよ!ソロでの初クエスト、そして初配信だ!」
「わん!わん!」
僕達は遂にダンジョンに足を踏み入れる。一歩進むと……どこからか羽音が聞こえてきた。
「…………びー。」
「この音……レル、構えて!」
「わん!」
「……びー。」
近い、早速敵かな!でも前にはまだ居ないけど……後ろからだ!僕は腰から護身用の棒を取り出し、敵の姿を探る。
「びー!」
「わっ!?」
そこに現れたのは……ポイズンビー。洞窟に住む魔物じゃ無いけど、どうしてここに?試しに僕は洞窟の外に出て走り出す。するとポイズンビーも同じようについてきて、肩に止まった。
「びー!びー!」
「ちょっ、ちょっとどうしたの!?僕君に何か……あっ。」
そのポイズンビーは、僕の肩に乗って、羽音を立てる。
「……もしかして、僕が叩いたポイズンビーかな?」
「びー。」
羽音を大きくしてアピールするポイズンビー。間違いない、森で会った子だ。
「そ、そういえば君は相当慌ててたよね。何かあったのかな?」
「びー!びー!」
ポイズンビーは洞窟の入り口に入って、くるくる周りながら羽音を立てる。ポイズンビーは森に住んでて、普通人間に積極的に関わろうとはしないはず。つまり……。
「もしかして、君の仲間がこの中に?」
「びー!」
やっぱりそうだ!何とかして助けてあげたいけど、どうしようかな?
「レル?どうする?」
「わん!」
「うん!ねぇ君、僕達はこの中を探険するんだ。もしよければ一緒に入るかい?」
「び?びー!」
ポイズンビーはレルの背中に乗って、羽をパタパタ動かしている。多分よろしくって言ってるんだと思う。よし、僕達でダンジョン調査だ!もしこの子の仲間が居たら、ついでに外へ案内してあげよう!
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