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配信テイマー、我が道を行く!〜戻って来いと言われても知りません!僕は大切な仲間と一緒に冒険してるんだから!  作者: ゆん。
第七章

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冒険者一行、気配の先へ

「びー!びー!」


「がおー!」


 びー君とドラゴンの赤ちゃん、ふわふわと馬車の中を飛んでる!かわいいなー。


「そうだお嬢ちゃん、名前は?」


「私?ええと……シュリ。アースラで働く魔法使い!よろしくね!」


「シュリ様ね!俺はラーチャオ、あっちの運転してる人はカズハっち!ヨロシクー!」


「僕はティムっていいます!この子はポイズンビーのびー君、あちらはサキさんです!シュリさん、よろしくお願いします!」


「は、はい!私がサキです!よ、よろしく……。」


「むっ!」





 緑髪の女の子……シュリさんはほっぺを膨らませた。僕と同じ位の身長だ。同い年くらいかな?



「せ、せっかく一緒になったんですから……その……うん!普通に呼んでくれても構わないよ!呼び捨てでも、何でも!」


「えー?いいの?偉い人なんでしょー?」


「うん!その、私こうやって近くで人と話す事、あんまり無くって……。だから、ね!お願い!」



 しばらく考えて……僕とラーチャオさんは、同時に答えた。


「オッケーっしょ!よろしくシュリっち!」

「うん!よろしくね、シュリちゃん!」


「びー!」


「がおー!」






「ティム様。すみません……。」


「はい!どうしました?」


「ちょ、ちょっとカズハさんの所に行ってきます。風に当たりたくて……。」


「分かりました。顔を出す時は気をつけて下さいね!」


「き、気をつけます。」


 サキさん……僕達が馬車に戻ってからそわそわしてる。何か気になるのかな?












 ◇◇◇


(あの子……こんな場所の任務を受けたのだ。相当な腕前と地位を持っているのだろう。本命の為にここで恩を売っておくのも手か……。)



「あ、あのぉ……。」


「ハッ!い、いや!別に何も考えて無いぞ!」

(いやいや何を考えている!元々心配で助けに来たというのに!……こんな事を考えるとは、まだまだ未熟者だな、私は!)





「本当に何も考え……サキ?どうしたんだい、そんな暗い顔をして。」


「は、はい。その、風に当たりたくて……。ラーチャオさん、すごい怖い顔してましたよね。何だか、私全部見透かされてるみたいで……。」


「そ、そういう事か。確かにな。アイツはふざけた奴だと思っていたが……中々しっかりした奴のようだ。気配察知、動き方、それに洞察力……。見た目で判断してはいけないな。」


「え、ええ……。」


「……どうした?これから戦いになるかもしれない。気になる事があるなら言ってくれると助かるし、私も嬉しいな。」


「っ!い、いえ……私は……。」









「……一緒に乗るかい?こっちに来るといい、気持ちいいぞ!」


「わっ!?」


「ほら、しっかり掴まって!」










「ヒヒーン。」



「いい風……気持ちいいな。こんなの、感じた事なんて今まで一度も無かった……。」


「フフ、大げさだな。……私達は仲間なんだ。もし話したい事があれば皆に言ってくれ。男共に聞かれたくないなら、私でもいいからな。」


「あ……はい!その時はお願いします!」


「さあ、今は風に当たろう!私達二人だけの特権だ!」















 ◇◇◇


「シュリっち!感じた気配ってのはどの辺よ?俺はまだ分からないんだけど?」


「ここを真っすぐ、そしたら……湖かな?広い範囲に、まーるく怪しい気配があるんだ!」


「びー君、分かるかな?」


「びー!びー!」


「……そっか!何となく分かるみたい!シュリちゃんの言う事は合ってたんだ!」



 だいぶ走ったなあ。シュリちゃんの感じる気配って一体何だろう。


「びー君、もう一度力を貸して!」


「びー!」


 一応備えておこう。僕はびー君の力を借りて、紫色の短剣を取り出した。



「すごい……ティム君はテイマーさんなんだね!」


「はい!魔物から力を借りて戦うんです!」


「おお!実際に見るとスゲーなあ!」


「ラーチャオ?実際にって?」


「おう!ティムっち配信者やってるのよ!メチャスゴな配信ばっかなんだぜ?俺も見てるし、カズハっちも見てるんじゃね?」


「おおー!」



 ラーチャオさんが得意げに語り、それにシュリちゃんが目を輝かせる!


「はい!パートナーが居れば、僕達はもの凄く強いんです!たくさん特訓もしたし、色々と頑張って来ましたから!」


「よっ!テイマー最高!」


「テイマーさいこー!」



 ……何だか変に盛り上がっちゃった。目的地はまだ


「あっ!み、皆!気をつけて!急に気配が強くなった、そろそろ到着するよ!」


シュリちゃんが馬車の中で杖を持つ。それと同時にラーチャオさんは目を閉じて、どっしりと座り込んだ。




「オッケー!俺も探ってみるわ!カズハっち!聞こえた!?」


「ああ!前は任せろ!早めに停めて態勢を整えるぞ!」


「僕もやります!びー君、一緒に外をお願い!」


「びー!」



 それからすぐ、僕達の走る道に暗い霧が出てきた!間違いない、この先だ!




「よし!止まってくれ!」


「ヒヒーン。」


 カズハさんが馬車を停め、僕とびー君は外に出る。




 その目の前には……大きい湖が広がっていた。

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