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配信テイマー、我が道を行く!〜戻って来いと言われても知りません!僕は大切な仲間と一緒に冒険してるんだから!  作者: ゆん。
第七章

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少年テイマー、狩人とタンクの強さを見る

 馬車の周りに近づくブレードウルフ……レルと同じ種族だ。自分のブレードを使って狩りをする魔物で、武器を使うからか、知能も高い。そんな魔物が群れで来るんだ、気をつけないと!


「ラーチャオさん!行きますよ!」


「オッケー!」


「……ガウ?」


 一体がこちらを向いた!僕達は走って近づいてるから、これはしょうがない。不意打ちは無理だけど構わず突き進む!


「アォォォン!」


「ガウ!」


「ガウゥゥ!!」


 一斉に来た!こっちに……いや違う!?ラーチャオさんの方へ向かっている!するとラーチャオさんが方向転換。僕とは違う方向に!




「ティムっち!ここは俺に任せろし!馬車の警備にいってちょーだい!」


「は、はい!?」


「さっきも言ったっしょ?俺、チョー凄いから!先に行った行った!」


「わ、分かりました!行こうびー君!」


 僕は急いで馬車に駆け寄り、中の人達に声を掛ける!



「皆さん!大丈夫ですか!」


「あ、貴方はさっきの!」


 女の子がこっちに気づいた。それと同時に冒険者さんも気づいたよ!


「何だお前は!この方をどなたと……。」


「それどころじゃありません!すぐ後ろにブレードウルフが居るんです!この馬車、狙われてます!」


「な、何ですって!?」


「今は僕の仲間が引き付けてくれてます!今のうちに防御態勢を整えるか、ここから離れて下さい!」


 あの数だとラーチャオさんも厳しいはず、カズハさんの援護に賭けて、僕達はここを離れないと!









 でも、冒険者さんから出た答えは、僕の想像とは違っていた。


「いや、必要無い!馬車はここに留まる!」


 そして本当に馬車を止めて、ここに置いちゃった!?



「な、何で!?危ないんですよ!」


「う、うるさい!旅の冒険者には関係無い事だ!さっさと消えろ!」


「そんな!あの数は大変ですよ!?」


「黙れ!おい皆行くぞ!ここなら大丈夫だろう!」






 ……冒険者さんが皆出てきた。六人……ラーチャオさんの予測通りだ。


「撤収だ!後はこのガキ共が何とかしてくれるだろう!」


「分かった、行こう皆!」



 …………え?何で!?逃げた方がいいとは言ったけどまだ馬車に二人乗ってるでしょ!?


「ま、待って!?それならこの人も連れてってくださいよ!」


 僕は女の子を指差して要求したけど、彼らは一目散にここから退散してしまった。




「あ、あの……彼らは?」


「逃げちゃいました……。一緒に行ってくれればよかったのに……。」


「ええっ!?」


 顔が真っ青になる女の子。こうなったら僕がカバーしないと!


「中に居て下さい!絶対にここから出ないで!」


「お、お願いします!」


 僕は短剣を持って馬車を見張る。それからラーチャオさんの方を確認だ。







「それ!こっちこっち!遅いなぁ。」


「ガウゥゥ!」


「ガウ!ガウ!」


 ラーチャオさんはアクセサリーをジャラジャラと鳴らしながら……全部のブレードウルフを引き付けてる!


「ガウゥ!」


「ほい!」


 手に小型の盾を持って、振られるブレードを受け流す。そして顔を殴りつけ、更に後ろに走る!


「そんなもんかい?ほれ、ここ、ここ!」


 ……体を振って挑発するラーチャオさん、それに向かうブレードウルフの頭に、飛んで来た矢が突き刺さった!


「ガウ!?」


「ウガァァァ!」


「ガウゥゥ!」


「いいぞ……そのままで頼む!」


「オッケー!任せろし!」


 盾で殴りながらぐるぐると回るラーチャオさん、ついて行くブレードウルフに確実に矢を射るカズハさん。二人とも凄い!



「ガウゥゥ!」


 何匹かのブレードウルフがカズハさんの所へ走る!攻撃してるのに完全に気づいたんだ!





「へへっ、俺の力をどんと見せてやんよ!ウォークライ!」


「ガウゥゥ!?」


「グゥ……ガァァァ!」


 あっ、何匹か止まった。そして僕もラーチャオさんに思わず目を向けてしまった、この技は、相手を誘導する技だ!


「そこっ!」


「キャン!?」


 ラーチャオさんの方を向いたウルフに、カズハさんが矢を撃ち込む。ブレードウルフ達は混乱してるね。どっちに行こうか迷ってるんだ。



「ガウ……キャァァァァン!?」


「ガウ!ガウゥゥ!?」


 つ、遂に逃げ出した!一斉にこの場を離れて行くブレードウルフ達。これで一安心かな?










「ティムっち!大丈夫かい!?」


「は、はい!ラーチャオさんのおかげで助かりました!」


「他の冒険者は?怪我してねぇ?」


「そ、それが……。」


 説明が難しい……。そこで言葉に詰まっていると、カズハさんが馬車に乗ってこちらに来た。



「ティムは無事か!?それとその子は……さっきの子だな!他の人達はどうした?」


「俺の心配もしてくんない?」


「そ、それが……。」


 僕は馬車の中に居る女の子に顔を向け、首を横に振った。


「皆逃げてしまったんです。説得はしたんですけど、あの子を置いて行ってしまって……。」





「マジ!?」


「何だと!?」


 ラーチャオさんとカズハさんは二人で顔を見合わせ、思わず大声を漏らしていた。

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