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配信テイマー、我が道を行く!〜戻って来いと言われても知りません!僕は大切な仲間と一緒に冒険してるんだから!  作者: ゆん。
第六章

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少女テイマー、迎撃と決意

今回で一度サリアの話は終わり、次回からは本編の予定になります。

よろしくお願いします。

「皆、準備は良いっすか?」


「うん!」


「うけー。」



「我も大丈夫だ、いつでも戻れるぞ!」



 皆は山側の入り口に集まり迎撃態勢に入ってるっすね。ギルもこっち側で待機してるけど、街へ戻れるようにあーし達より内側に居るっす。


「リッチ、そっちは平気っすか?」


「今の所問題は無いのう。引き続き山の方を見てくれー。」


「分かったっす!」


 いつ来るか分からない以上、今はここで待つしかない。どう来るか……ちゃんと見張っておかないとっすね。










 そして夜、月の明かりが街を照らしている。……そろそろっすかね。


「気を引き締めるんだ。ここからは何が起こるか分からんからな。」


「分かってるっすよ。ね、アオハ、シロメ!」


「もちろん!大船に乗った気分でいてよ!」


「うけー。」








「お前達!来た……来たぞー!」


 リッチの声が空に響く!さあ、どんな奴が来たっすかね!


「我はここに居る!向こうは任せておけ!」


「ええ!じゃあギル、行ってくるっす!」


 あーしは鎌を持って外に走る!どんどん行くっすよ!










「ヒュー……ヒュー……。」


「やっぱり……シャドウプランク!」


「ヒュー!」


 あーしの目の前には、猛スピードでこちらに迫るシャドウプランクが二体。爪でこちらを引っかいてきたっす!


「このっ!」


「ヒュー!?」


 鎌でガードしすかさず斬りつけると、風に揺られて飛んでいった。


「行かせないっすよ!」


「ヒュー!?」


 抜けたもう一体の下へダッシュ、胴体に蹴りを入れると、やっぱり空中へ飛んでいってしまった。



「アオハ!そっちはどうっすか!?」


「へへーん!こんなの楽勝だよ!」



 そう言うアオハの前には、シャドウプランクが四体居る。大丈夫っすか!




「それー!ライトアロー!」


 アオハの指先に光が集まり、そこから一本の矢が放たれる。シャドウプランクに命中したそれは、眩しく光を放って敵を貫いた!



「それそれそれー!」


 指から矢を生み出し、次々と撃ち抜くアオハ。……強いっすね。魔力の扱いに相当慣れてるっす。腕が立つっていうのは嘘じゃ無かったって事っすね。



「うけー!」


「ヒュー!?」


 シロメもくちばしを光らせ、シャドウプランクを追いかけ回しているっす。つついた場所が光り、それが爆発する。ダメージは無さそうだけど……吹っ飛ばされた敵はそのまま気絶してるっすね。







「何か、思ったより簡単に終わりそうっすね。アオハ達もそう思いませんか?」


「うん、そうだよね。何か簡単過ぎるっていうのかな。街は大丈夫そうだね。」



 シャドウプランクはいたずらをする魔物。そこまで悪い魔物じゃ無いし、あまり強くない。本当に犯人なのか……。



「サリア、そっちにもたくさん来たよ!」


「……任せてっす!ここは通さないっすよ!」


 とにかく今は追い払う事を優先にするっす!どんどんやっつけてやるっす!












「「ヒュー!ヒュー!?」」


「あっ逃げた!サリア、どうする?」


「追わなくていいっす!これで奴らも反省したはずっすから。」


 あれから何体も襲って来たけど、結果はこの通り。簡単にやっつけられたっす。


「リッチ!こっちは終わったっすよ!」






「お、終わったのか?もう?」


「えっ?」


「いや、敵は皆倒したのかの?」


「ええ。全員山に逃げ帰って行ったっすよ。」


 ありゃ、何か凄く不安そうな顔をしてる。気になる事があるみたいっすね。



「と、とにかく追い払ったのならそれで良かった!今から結界を張るから見張りを続けてくれ!」


「今から?もう追い払ったのに?」


「いいからいいから!もうしばらく頼むぞ!」


「……ええ。」


 あーしはリッチの対応が気になってしまった。そんなあーしの横では……。






「ごくろうさま!はい、あーん!」


「うけー!」


 アオハがシロメにジャーキーを渡していた。













 ◇◇◇


「そ、それでは悪い魔物はやっつけてくれたのですか!」


「ええ!コテンパンにしたからもう来ないはずっす!」


「我の出番は無かったか。まあそれも良い。お前達だけで出来たならそれが一番だ。」


「おお!これで私達もようやく安心して眠れます……。ありがとうございます!」


 依頼者さん、とっても嬉しそうっす!ここまで来たかいがあったっす!




「うーん……。」


「どうした?何を唸っている?」


「いや……おかしい……。」


「そんな暗い顔をするな。貴様のお陰で襲撃を予測できたのだ。助かったぞ!」


「ち、違うのじゃ……。」


 リッチ?何で震えてるっすか?









「ワシの言っていた影は……シャドウプランクでは無かったのか……!」



「えっ?」


「何だと?」








 皆一瞬で凍りつく。リッチから出た言葉に、ここに居る全員が驚愕していた。



「ど、どういう事っす?」


「まだ……まだ山にはドス黒い魔力が残っておる……!」


「何だと?」


「奴らはその魔力に集まっただけに過ぎん……本命は他におるのじゃ!」


「はあ!?」






 それじゃあ、あーし達がやっつけたシャドウプランクとは別に……まだ敵が居るって事ですか?


「なら、もう一度山に行かないと!」


「サリア、それは辞めておけ。」


「ギル?何で止めるっすか!」


「下手に刺激をして動き出したら、非常にまずい事になるからな。」





 ギルは落ち着いた口調で、皆に話しかけた。


「リッチ、その魔力に何か動きはあるか?」


「い、いや全く変化無しじゃ。」


「そうか。すぐ終わると思っていたが……これは長丁場になりそうだな。」


「どういう事っすか?」




 ギルはあーし達を見て、話を続ける。


「我らはここに留まったほうが良い。黒い魔力が何なのかは知らんが、少し調べるべきだろう。得体の知れない物だ、下手をしたらこの地域だけで留まらないかも知れない。」


「そこまで重大な事態って訳っすか……。分かったっす、ここに残りましょう。」


「えっ、そうなの?」


「うけー?」



 不思議そうにこっちを見るアオハとシロメ。二人にとっては、ここでクエスト終了のつもりだったんですよね。



「どうします?二人はここで帰っても大丈夫っすよ?」


「ど、どうするシロメ?」


「う、うけ?」


 二人で相談してるっすね。





「……うん!よし!」


「うけー。」


「サリア!僕達もここに残るよ!もし戦いになるなら、人数が多い方がいいでしょ!」


「うけー!」


「決まりだな。物資は我が調達してくるから、少し待っていてくれ。ついでにカインに報告を済ませてくるか。……依頼者達はまだ教会に居た方がいい。外には出られんだろうからな。」


「は、はい。分かりました。」


 ギルがこの場を立って外に出る。これは予想以上にでっかいクエストになりそうっす……。


 そして荷物から、ストーレの街への転移用結晶を出す。




「これを使うのはティムと一緒に行った時以来か。行き専用だから、帰りは足で来るしか無いな。サリア、しばらく頼むぞ!」



「大丈夫っす!あーしは強いテイマーっすから、そうでしょ、ギル!」


「その通りだ!我らなら出来る!では、行ってくるぞ!」



 ギルは街の外に出て行く。……本当に予想外の事態っす。でも……あーし達なら大丈夫っす!……ティムもきっと頑張ってる、あーし達だって頑張らないと!



「さーて……張り切って行くっすよー!」


 あーしは外に出て思いっ切り空気を吸う。そこに広がる空は、まるで何も不安が無いかのように晴れ渡っていた。

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