表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
配信テイマー、我が道を行く!〜戻って来いと言われても知りません!僕は大切な仲間と一緒に冒険してるんだから!  作者: ゆん。
第六章

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

118/279

少女テイマー、目的地到着。

「二人とも!準備は出来たみたいだね!」


「ええ!すぐに解決してみせるっすよ!」


「では行くか。カイン、期待して待っていろ!それと……例の事は任せたぞ!」


「例の事?……ああ、あれか!分かった、こっちでやっておくよ!」


 例の事?何なんですかね?後で聞いてみるっす。





 あーしとギルは街の門を抜け、目的地に!ここから歩いて……半日くらいで着くっすかね?今はとりあえず進むっす!困った時はそこで考えればいい!



「今回のクエスト、どう見るっすか?」


「詠唱を使うのなら、おそらく魔法使いだろう。我が攻撃を担当しよう。サリアは援護を頼む。」


「了解っす。」


「それでは……。」



 ギルは後ろを振り向くと、やっぱり男の子と鳥の魔物はついて来てるっすね。


「それで貴様達は誰だ?まだ名を聞いていないのだが?」


「もう!言おうとしたらどっか行っちゃうし、家に籠もって出てこないし!折角言おうとしても居ないんじゃ無理だよ!」


「ならば今言え。同行してるのだから伝えられるだろう。」


「うん。では、改めて……。」



 男の子は大きく息を吸って、あーし達に挨拶をしてくれた。








「僕はアオハ!所持スキルは魔法使いだよ!こう見えても、腕には自信があるんだ。よろしくね!」


「うけー。」


「こっちは相棒のシロメ!全身ふかふかのコットンバードなんだ!枕にして寝ると気持ちいいよ!」


「うけー。」








 紹介を聞くと、すぐにギルは鳥の方を見る。


「コットンバード……羽毛で戦闘を行う魔物か。のんびりとした奴だな。それと貴様、その見た目は。」


「アハハ。やっぱり気になるかな?そう……僕はエルフなんだよ。」



 エルフ……魔法が得意な種族。魔物の一種と考えられているけど、人間の姿をしていて見分けは殆どつかない。強いて言えば耳の長さが違う位っす。……そんな二人が、何であーし達の所に?






 ま、そのうち分かるっすよね。悪い人には見えないし、クエストを手伝ってくれるならありがたいっす。






「ね!君達も自己紹介してよ!僕達もしたんだからさ!」


「アンタ達、あーしを見てすぐに来たっすよね?あーし達の事を知ってるみたいだし、不要だと思うんですがね。」


「いやいや!しばらく一緒になるんだから、ここは一言お願いします!」



 男の子……アオハはこっちを見てニコッと笑う。



「いいだろう。我はギル、種族はギルティスだ。配信者をやっている。今回もクエストの中でハイシンをする予定だ。」


「あーしはサリア。テイマーっす。そこのギルとパートナーで配信してるっす。よろしく。」


「うん!よろしくね!」


「うけー!」


 二人とものんびりしてるっすねー。でも、一緒に来るからには、しっかり働いてもらうっすよ!












 ◇◇◇





 それからしばらく後。目的地の街に辿り着く……って、ここ……人の気配が全く無い。


「お昼なのに、誰も外出してないっすね。」


「おそらく異変のせいだろう、すぐに解決してやらねばなるまい。依頼者の家はどこだ?」


「あっちですね。早く行くっす!……あれ?」


 あーし達が街に一歩踏み込むと、体が少し重くなった?何だか急に動きづらくなったっす。



「う、うけー……。」


「シロメ!?大丈夫かい!」


「うけー。」


「よしよし、僕が運んであげるよ!」


 アオハはシロメを抱っこして進む。……結構大きいっすよ。前見えてるんですかね?




「サリア、お前は大丈夫か?」


「平気っす。さ、あそこが依頼者のお家っすよ。」


 街の他の建物よりも立派なお屋敷。ここに今回の依頼者が居るっすね。突撃っすよ!



「ごめんくださーい。クエストを受けて来た者っす。ここを開けてくれませんかー?」


 扉に声をかけると、中から慌ただしく動く音が聞こえてきた。そして扉が開く!中からは男の人が出てきたっすね。










「こんにちはっす!あーしが」


「うわあぁぁぁぁあぁあ!??」


「ひゃっ!?な、何よいきなり!?」


 びっくりした!?何で包丁を持って出て来るのよ!?しかもこっち見てるし!


「うわぁあぁぁぁぁ!」


「ちょっと、落ち着いてよ!私は依頼を受けてここに」


「サリア、アオハ、下がっていろ!」



 ギルが私達の前にスッと立つ。そこに包丁を持った男がこちらに向かって……。


「フン!」


「ギャッ!」


 ギルが軽く背中を小突くと、男の人はぱたんと倒れた。顔を見ると、目元にはクマが出来てる……全く寝れていないのかしら……?


「ギル!この人は!」


「中に入るぞ!話を聞くにもまず応急処置だ!」



 家の中に入ると……あちこち荒れている。やっぱりこの街は、何かの影響を受けてるわ。


「あそこが台所か。サリア、水を用意しろ!」


「ええ!」


 まずはベッドに直行。手早く水を出すと、ギルはタオルにそれを浸して男の人の頭に乗せる。そして荷物の中から食材を取り出した。


「サリア、精のつくものを食わせてやれ!簡単な物でいい!」


「任せなさい!」


 ギルは男の人に手を置き、魔力でさっきの攻撃の傷を治してる。その間に私は料理を作るわ、って言っても煮る位だけどね。今度ティムに教えてもらおうかしら?



「出来たわ!とりあえずスープよ!」


「上出来だ!さあ、これを飲め!」


「う、うーん……。」


 ギルが男の人を叩き起こし、スープを口に入れる。それから数分後。男の人はだいぶ落ち着いたみたい。ベッドの上で体を起こしていた。




「起きたな。体の方はどうだ?手加減はしたが、痛くはないか?」


「あ、ありがとうございます……。体は特に問題ありません。何か、申し訳ない事をしてしまって……。」



「ふーっ…………いえ!問題無いっすよ!あーし達がクエストを受けた者っす!よろしければ、事情を伺ってもいいですか?」


「はい……。」



 男の人はスープを飲みながら、少しずつ話し始めた。一体どんな異変が起きてるのか……。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ