夜明けの時、これにて事件解決!
「ウギャァァァ!ウギャァァァ!」
「うぴゃぁぁぁ!うぴゃぁぁぁ!」
「ぴぃぃぃぃぃ!ぴぃぃぃぃぃ!」
ロストガルーダの親子は、フォージャーに仕返しを出来たから、何だかスッキリとした顔をしている。背中に赤ちゃん達を乗せて、森へ向けて歩き出した。
「これでもう大丈夫だ!気をつけて帰ってね!」
「ウギャァァァ!」
「あの、卵の事は本当にごめんなさい……それと、ありがとう!」
「ウギャァァァ!ウギャァァァ!」
「わん!わん!」
ミーさんがロストガルーダに話しかけると、こっちを向いたロストガルーダはミーさんを見て、声を上げた!
「わん!わん!」
「うん!ミーさん!ロストガルーダは[卵を守ってくれてありがとう]って言ってますよ!」
「ほ、本当!?」
「はい!」
返事を聞いたミーさんは笑顔になってロストガルーダを見る。それを確認して、親子は森に帰っていった。
◇◇◇
それから数時間後。フォージャーを拘束したフェイクさんと僕達は、一度街役場に戻って来た。
「随分派手に暴れちまったな……。」
「何、気にする事は無い。貴方達が居なければフォージャーの正体には気づけなかった。本当に感謝しているよ。」
役場はあちこち壊れてしまっている。壁や部屋はもちろん、どうやら侵入者用に武器を用意してたけど、それも戦いで壊れちゃったみたいなんだ。
「完全に俺が見誤ったか。フェイクさん、申し訳ない。」
「さっきも言ったが気にしてないさ。ところでロットン、どうして私が黒幕だと疑ったんだ?」
「そりゃ、最初に報告した時の反応が……。」
「それは私が貴方を疑っていたから泳がせていたのだ。夜にも言っただろう?」
「……じゃあ、昼間俺を探してた連中は?」
「私が監視を頼んだ部下だ。何か異変があるならすぐに報告するよう命令してあった。」
ロットンさんとフェイクさんは話していると、同時に吹き出し、大笑いしていた。
「ハハッ!何だこりゃ!俺達どっちも疑ってたんだな!そりゃ怪しく見えるわけだ!」
「そうだな!案外私達は似た者同士かもしれないな!」
二人とも楽しそう!そんな二人を見ながら、僕達は地面に座り込んだ。
「ちょっと疲れちゃったね、レル。少し休もう!」
「わん!わん!」
「ミーも座るー!」
「俺も座るぞ!全くとんでもない目にあったぜ!」
「かめ!」
これで一件落着!後はフェイクさん達に任せよう!
◇◇◇
「という訳なんだ……本当にごめんなさい。」
「いや、これは難しいな。俺はフェイクさんを疑ってた訳だし相談なんてしないだろう。もし夜にフォージャーに伝えていたら……。」
「これは仕方ないだろう、ロットン。結果的には街への被害は食い止められたんだ。ミー、君を責めるつもりは無い。」
ミーさんはロットンさん達に、ロストガルーダの卵を持っている事情を説明していた。二人は始めは怒った顔をしていたけど、話を聞くと納得したかの様な表情をしていたよ。
「だが、やはり一言欲しかったかな。俺も情報があれば別の方法を考えたかもしれない。今度別の仲間と依頼を受ける時には、ちゃんと共有しろよ!」
「うん!」
別の仲間と……そうか、僕達が会ったのは偶然。この依頼が終わったら、ミーさんとはお別れになるんだよね。何だか複雑な気持ちになってる……。
「先生?ちょっと寂しそうだな。」
「あっ、はい。少し考え事を……。」
「しばらく休息も兼ねてここに居るんだ。何かあったら相談してくれよ!じゃ、俺は朝ご飯を食べに行くから!」
「……はい!」
ラルフさんはタルトを背負って外に出て行く。……僕も元気を出さなきゃ!
「ラルフさん!待って下さい、僕も行きます!ミーさんはどうですか?」
「えっ?ミーも?でも……」
ミーさんはロットンさん達を見ると、二人はニコリと笑ってミーさんの肩を叩いた。
「気にすんな!ここは俺達がやっとくから!お前達は少し遊んで来いよ!」
「ああ。幸い被害は役場だけだ。安心して楽しんで来てくれ!」
「……うん!分かった!」
そしてミーさんはこっちに走って来る!
「ティム、ラルフ!それとレル、タルトも!ミーと一緒に配信しよ!」
「はい!」
「おう!」
「わん!」
「かめ!」
さぁ、まずはご飯だ!何を食べようかなー!




