激突、見えた攻略の糸口
フォージャーは両手を突き出し、魔力を込め始めた。一体何をする気なんだ!?
「喰らえ!」
「うわっ!?」
僕に向けて風が飛んで来たかと思うと、それが重くのしかかり、壁に押し付けられた!これって、やっぱり重力を操ってるんだ!
「う、うー!」
腕が動かない!足も駄目だ!い、息も苦しくなってきた……。
「さあ、押し潰してやるぞ!」
「させるかよ!グランドバインド!」
ロットンさんが地面に手を着けると、フォージャーの足元が急に割れ、腕が足を掴む。
「ぐっ!」
「そのまま地面に埋め込んでやるぜ!」
「無駄な事を!」
フォージャーは足元に手をかざし、重力を腕にぶつける。すると腕はボロボロに崩れ、土の割れ目から足を抜き出した。
「逃げられたか。大丈夫かティム君!」
「はい!でも、あれはまずいです!何とかしないと……。」
「わん!わん!」
「あっ、レル!来てくれたんだね!」
「わん!」
よかった、レルと合流出来た!別の所を調べてたから、時間がかかっちゃったんだね。
「お願い!力を貸して!」
「わふー!」
僕はレルの背中に手を置き、力を借りる。でもそんな僕を見て、フォージャーは再び手を向けた。
「魔物と合流したか。だが力は使わせん!」
「やめろー!」
「何!?」
フォージャーの横からミーさんが突っ込む!そして服を掴んで……
「うりゃぁぁぁ!」
「ぐわっ!?」
地面に叩きつけた!
「ティム、ここは任せて!ミー達がフォージャーをやっつけてやる!」
「ありがとうございます!お願いします!」
「私も援護する!一緒に頼むぞ!」
「うん!」
ミーさんとフェイクさんが時間を作ってくれる、僕は今のうちにレルの力を借りないと!
◇◇◇
「このままミーがフォージャーをやっつけてやる!」
「小娘が……!調子に乗るなよ!」
ミーは今、フォージャーと対峙してる。ロットンとフェイクも居るけど、この人まるで隙を見せない。
「テイマーは誰かと組まれると厄介だが……まあいい。ここで三人を倒せば、テイマー一人ごとき簡単に潰せる。」
「ならやってみろよ。口だけじゃ俺達は止まらないぜ!」
ロットン、もしかして突っ込むの!?さっき攻撃を止められたのに!
「フェイク。俺の指示で攻撃してくれ、ちょっと確かめたい事がある。」
「分かった。タイミングは任せるぞ。」
二人が話し終わると、ロットンはもう一度土の鎧を着けてフォージャーに突撃する!でも、さっきと同じじゃ無い!今度はもっとたくさんの土で覆われてる!
「何度やっても同じ事だ!」
「それはどうかな!」
ロットンのパンチがフォージャーに止められる。そのまま重力を掛けられ、ロットンの体が地面に沈み込む!
「ハハハ!お前は俺に攻撃する事は出来ない!」
「そうだな。俺はな。」
「何だと?」
「今だフェイク!」
「う、後ろからか!?」
フォージャーの後ろにはフェイクが!手には……ガトリング砲!
「フォージャー……これでお前を止める!」
砲身からたくさん弾が飛び出し、フォージャーを襲う!あっ……ロットンに向けていた手を、フェイクの方に向けた!
「舐めるな!」
重力を掛けて弾を次々落としていく。そして奥にいるフェイクにも……。
「がっ!?」
「後ろがお留守だぜ?」
ロットンの拳が、フォージャーに当たる。その場から飛び退くフォージャーと、後を追うロットン。ロットンの攻撃に対して……フォージャーは重力を使わない?ひたすら回避を繰り返してる。
「さっきまでとは違うみたいだな!ここで仕留める!」
「くっ……。」
ミーも……ミーも動かなきゃ!
「ハァッ!」
「ぐっ!?」
ミーの拳がフォージャーにめり込む。そこで姿勢が崩れたフォージャーに、ロットンのパンチが命中した。
「こ、この……。」
「二人とも離れろ!」
「あ、あれは」
「こっちだミー!」
ロットンに引っ張られてミーはフォージャーから離れる。フェイクの方を見ると、おっきい砲身を抱えてる!
「発射!」
砲身から巨大な弾が飛び出し、フォージャーの方へ!これならいけるはずだよ!
「調子に乗るなよクズ共がぁぁぁぁ!!」
えっ……巨大な弾がバラバラになった!?フォージャーの方を見ると、奴は両手に二つの剣を持っていた。
「もう手加減はしない!全員まとめてバラバラにしてやるぞ!」
すごい怒ってる。でも、ロットン達は落ち着きながら話をしてるね……。
「フェイク、こっちに。」
「何だロットン?」
「あいつの重力攻撃……どうやら一方向にしか撃てないみたいだ。それと撃った時間が長い程、再び使うのに時間がかかるようだな。」
「つまり、奴を倒すには……。」
「誰かが囮になって重力を受け続けるのが必要だろうな。」
「何をゴチャゴチャと話している!どうせ死ぬんだ、そんな会話は無意味なんだよ!」
「だ、駄目だよ!フォージャーの相手はミーなんだから!」
フォージャーが二人に向かって走り、それをミーが追う!み、ミーが止めるんだ!ミーが皆を守るんだ!




