配信者達、黒幕に挑む！
「皆大丈夫かな？ちょっと心配だ……まあ、ティム先生もミーも俺よりずっと強いし、ロットンも居るから平気だよな、きっと。」
「かめー。」
俺は今、タルトと一緒に街役場の入り口に待機してる。一応外も確認してるけど、本命は建物の警戒さ！俺のあげたおまもり、あれは魔力を込めると光るんだ。だから、もし光れば何かあった合図になる！
「そしたらすぐに向かえばいいっと。でも、暇だな。」
「かめー？」
「まあ、暇なら一番いいか！二人が上手くいってるって事だし！」
俺の出番は無くなるけど、皆がちゃんと帰って来れるならそれでいい！今はここを見張ってないとな！
「かめ？」
「どうしたタルト？」
急にタルトが前足を上げる。その方向は……役場の窓か。っておい！？光ってる、光ってるぞ！
「か、かー！かー！」
「分かってるよ！きっと何かあったんだ！」
俺は剣を持って役場の中へ！裏口が開いてるから、ここから突入だ！
「皆待ってろ！俺達が今行くぞー！」
「かめー！」
◇◇◇
僕はミーさんに立ってもらい、二人でフォージャーさんを睨みつける。黒幕はこの人だったんだ、全く気づかなかった……。
「どこからでも掛かってこい！」
「んじゃお言葉に甘えて！」
ロットンさんが地面に手を着くと、土の壁が突き出しフォージャーさんに迫る！ロットンさんは魔法使いなんだ！
「グランドウォール！」
「そんな壁で何が出来る！」
フォージャーさんの手から放たれるのは、黒い魔力の塊。それが土の壁に当たり、少しずつ削っていく。
「ハァッ！」
土の壁が崩れた！あの魔力、気をつけないと！
「それっ！」
今度は僕が短剣を投げつける。フォージャーさんはそれに手をかざすと、まるで地面に引っ張られてるみたいに落ちてしまった。
「ほう……フェイク、攻撃してくれ！」
「分かった！」
フェイクさんが銃を撃つ。でも、その弾丸も手をかざすと、地面にめり込んじゃった！？
「無駄だ！お前達の攻撃は、私には通じない！」
「あっそう。ならこれはどうだ！」
ロットンさんが土の鎧を纏い、直接フォージャーさんを攻撃する！
ガキン！
「効かないな。そんな攻撃は！」
「オイオイ冗談だろ！？」
ロットンさんは勢いよく拳をぶつけたはず……でもその手は……やはりフォージャーさんの手に止められてしまった。
「これでどうかな？」
「ぐっ！？痛ってぇな！」
ロットンさんが急に地面に倒れ、どんどん沈んでいく！？彼の上から、ものすごい重力がかかってるんだ！
「やめろぉぉぉ！」
僕は短剣を持って直接斬りつける。けど、フォージャーさんはもう片方の手で短剣を弾き飛ばす。しまっ
「邪魔だ！」
「うわっ！？」
蹴り飛ばされた！？お、落ち着いて態勢を……。
「ぐおっ！？」
ロットンさんが吹き飛ばされた！そしてフォージャーさんは僕の方に！
「お前の事は気に入らなかったんだよ！野望の為とは言え、テイマー風情に笑顔で対応しなければならない……嫌な気分だったよ！王国からも追放された、役立たずが！」
「なっ！？」
僕の上からすごい重さの魔力が！？か、体が動かない！
「こ、この……」
「ええ！？何とか言ったらどうだ！？テイマーの分際で、私に勝てると思ったのか！？」
「ば、馬鹿にするな！」
その時……僕の投げた短剣がドカンと爆発する！その位置は……ちょうどフォージャーの足元だ！
「な、何だと！？」
「うりゃぁぁぁ！」
僕はポケットから短剣を取り出し、腕に突き立てる！
「お返しです！」
「ぐぉお！？」
その後、さっきやられたみたいに、僕もフォージャーを蹴り飛ばした！
「チッ！」
地面を滑りながら、僕達から距離を取るフォージャー。その顔は……何故か笑っていた。
「舐めるなよ。たかが配信者二人と田舎街の職員……私に勝てる訳が無い！」
そう言って、フォージャーは両手を突き出した。な、何をするつもりなんだろう……？
「ここまでは小手調べだ！本気で行かせてもらうぞ！」
