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配信テイマー、我が道を行く!〜戻って来いと言われても知りません!僕は大切な仲間と一緒に冒険してるんだから!  作者: ゆん。
第六章

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二人の勘違い、本当の黒幕は……

「早く出て来るんだ!これ以上無駄な抵抗はやめろ!」


「さて、どうするかな!」


 ロットンは腕を地面に叩きつけるとそこからヒビが入り、フェイクの足元に迫る。


「こ、これは!?」


 そして彼の真下でヒビが大きく広がり、片足が地面に嵌ってしまった。


「よし行くぞ!」


 ロットンは土の壁を持ち上げ、フェイクのいる場所に走り込む。フェイクはガトリング砲を撃つが、足をとられて狙いが定まらない。



「オラァァァ!」


「ぐっ!?」


 土の壁を思いっ切りぶつけるロットン。フェイクは吹き飛ばされるが、空中で回転して地面へ着地する。




「ならばこれならどうだ!」


 フェイクが壁を叩くと、ゴロンと武器が落ちて来る。今度は太い砲身を持ったバズーカである。


「そこら中に武器を仕込んでんのか!」


「万が一への備えだ!お前の様な奴の為にな!」


 ロットンに向けて引き金を引くフェイク、その砲身からは巨大な弾丸が飛び出し、ロットンに直撃する。



「これでどうだ……?」


「残念だったな!」


「な、何!?」



 爆風の中、フェイク目がけて突進するロットン。フェイクはバズーカを放り投げ、腰の剣を抜く。


「はぁぁぁぁ!」


「負けるかよ!オラァァァ!」


 土を腕に纏わせ、剣とぶつかり合うロットン。対するフェイクもロットンの打撃に対応し、お互いで激しく攻撃していた。


「くっ!」


「チッ!」


 何度か攻撃した後、二人は一度飛び退き呼吸を整える。お互いにダメージが溜まっている様だった。








「ハァ、ハァ……そろそろ諦めたらどうだ?アンタが黒幕って事は分かってるんだ。証拠を出した方がいいぞ?」


「そ、それはこちらのセリフだ。街の為にも、お前をここで逃がす訳にはいかない!」


「……何言ってるんだ?まあいい、とにかくお前がロストガルーダの卵を欲しがってるのも分かってるんだ。誰が依頼したのかはっきりさせてもらわねぇとな。」



「何だと!?人さらい達を引き連れて来たのはお前ではないか!」


「……は?」


 ロットンは首を傾げる。どうやら話が噛み合ってない様だ。










「今回の依頼を利用したのだろう?人さらい達にロストガルーダの卵を狙わせ、自分は子ども達を連れた無害な職員を装う。初めから怪しいと踏んでいたんだ。」


「な、何の事だ?」


「とぼけるな!お前達が来てから、大量の人さらいが街に溢れた!私が他の職員に指示を出せなければ、街が潰れていたかもしれない。」


「ま、待て待て!それはお前だろう!?」




 ロットンは慌ててフェイクの言葉を止める。


「報告を受けた時に確信したんだ。このトロールの事件、これはロストガルーダが関わっている。そしてお前の連れて来た人さらい達もな。」


「だから!どういう事だよ!」


「最近この街の近くで人さらい達が活動しているのが分かったんだ。ロストガルーダの卵は高く売れる、おそらくそれを手に入れる為に動いていたのだろう。」


「…………?」


「いくら尋問しても、黒幕の名前は出て来なかった。当たり前だ、すぐ側に居たのだからな。口にすればたちまち消されるだろう。」


「いや、話を……。」







 フェイクは再び銃を向けて、ロットンの方へ向き直る。


「だが、証拠が足りなかった。だから敢えてお前を煽り、どう動くかを見定める事にしたんだ。……そして予想通りお前はここに来た。探りを入れる私を消す為にな。」


「発想が飛躍し過ぎだろ!?……いや、俺も人の事は言えねぇか……。」


「何より……。」











フェイクから飛び出したのは……ロットンの考えを壊すような言葉だった。


「お前の方からフォージャーに頼んだらしいじゃないか。案内役として来て欲しいと。さっきも言ったが門を手薄にしたいのなら、門番を使えば良いのだからな。」













「…………は?」


「外から人さらい達が来るのを見越していたのだろう?おまけに街の中にも隠れていた様だ。代わりの人員は置いていたが、フォージャーは優秀だ。奴が居なければ侵入も容易になるだろう。」


「…………ちょっと待て。俺がフォージャーさんに頼んだって?フォージャーさんはリーダーに頼まれたって言ってたぞ?」


「…………何?」










「そういや、ミー達の居た病院の奴らは、フォージャーさんが一人残らず仕留めたんだよな……。フェイク、アンタはどうして奴らを皆殺しにしたんだ?」


「……フォージャーの提案だ。ここで一網打尽にするべきだと。逃げた奴が居ると、増援を呼ばれて街の人達が危ない。その提案に私が同意したんだ。」


「……フォージャーさんって、牢のカギは開けられるか?」


「……不可能ではない。フォージャーは尋問も行うから、その権限は持っている。」












 二人は一瞬固まり、それからしばらく黙り込む。そして同時に一言発した。


「「まさか…………。」」








 その時、自分達の居る廊下とは別の場所で轟音が響く。それを聞いた二人は同時に走り出す。


「まさか……こんな事に気づかねぇとは!」


「急ぐぞ!何か……危険が迫っている!」



 走り出す二人。その先には……。

今回も読んで頂き、ありがとうございます。続きが気になる、面白かったと思って頂ければ幸いです。もしよろしければ、ブックマーク、評価を入れて頂ければ嬉しく思います。

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