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チート勇者ろうらく作戦  作者: 脆い一人
最終章:チート勇者ろうらく作戦
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魔王大戦(32)「ミクネとジョウショウ」

 「な、な、な、何言ってんだ、貴様!!私をそういう目で見ていたのか!?こんのぉロリコン野郎!!」

「貴様はロリコンとか、そんな年じゃなかろうが・・・・」

「私は貴様のような“おじ”に興味は無い!!オーマ一筋だ!!仮にオーマにフラれることになっても貴様だけは嫌だっ!!!」

「それはこっちの台詞だ。私は貴様のような小娘の見た目でギャーギャーうるさい馬鹿には愛情はもちろん性欲だって湧かん」

「はぁあ!?」


それはそれでムカついてしまう・・・。

ただ、この後のジョウショウの発言は、この発言以上にミクネをムカつかせることになる。


「ただ貴様を孕ませるだけだ。実験体としてな」

「は、は、孕ませっ!!?実験!?」

「そうだ、実験体だ。魔王を倒してこの魔王大戦を終えた後の貴様らの処遇はもう決まっている。サンダーラッツとラヴィーネ・リッターオルデンは幹部も兵士も死刑だ。魔族達はタルトゥニドゥやスカーマリス同様にこのワンウォール諸島を丸ごと“飼育場”にして管理する。そして貴様のように勇者候補だった奴らはカスミのウーグスで魔法研究の実験体になってもらう・・はずなのだが、勇者候補の中でも貴様だけはアマノニダイとの関係性もあって表立って“人道から外れた行為”はできんからな。だから私の嫁という形をとるわけだ」

「それが十分に人道から外れた行為だろう!!?」

「馬鹿が・・貴様ら魔王軍は人類の敵ではないか。そこから考えれば大陸一の支配階級の四番目の嫁は十分に優遇だろう?」

「ふざけんな!!大体、魔法の実験と貴様との子作りとどう関係がある!?」

「そんなこと・・魔法の才を持って生まれてくる子供の傾向を調べるために決まっているだろう?」

「はあ?魔法の才には血筋や出生は関係無いだろう!?」

「違う。今の魔法研究では、まだ“魔法の才を持って生まれてくる子供の傾向を把握できていない”だけだ。血脈や出生に関係性がないと決まっているわけではない。そこまで魔法の研究は進んでいない」

「な、な、な、な・・・・」

「帝国はこれからもこの大陸を支配し続けるのだ。魔法の研究は、国の支配圏を安定させる上で絶対条件だ。貴様にはその礎になってもらう」

「な、ななななな・・・・?」

「貴様のそのみすぼらしい身体にはまったく欲情できんが、第一貴族の中にはハツヒナ以外にも腕の立つ薬物属性魔導士が居るからな。アマノニダイを征服するまでの間はそれでどうにかしてやる」

「アマノニダイを征服!?」


さらにミクネの神経を逆なでされる発言がジョウショウから飛び出した。


「貴様ら!やっぱりアマノニダイも征服するつもりだったんだな!?」

「同然だ。最終的には大陸の全てを手に入れるのだからな。カスミも喜んで協力すると言っていたぞ?」

「あのクズエルフぅ・・」

「そしてアマノニダイが征服出来たら、その後は貴様も他の勇者候補たちと同じ様に実験体になってもらう・・・ククッ♪一体お前はどんな“存在”の子を宿すことになるのだろうな?カスミは魔法の才の先天性を調べるために、他種族との交配実験をしたがっていたからな」

「た、他種族との交配って・・・」

「案外魔王とは結ばれなくても魔王の僕とは結ばれるかもな?その時は私たちに感謝しろよ?」

「こ、こんの・・腐れ外道がぁああああああ!!」

「魔王と交配したがっている奴が何故悪魔や魔獣との交配を恐れているんだ?馬鹿め」

「やかましぃい!!もう喋るな!!クズ野郎ぉおおおおお!!」


 ジョウショウの聞くに堪えない言葉に、いよいよ“プッツン”したのか、ミクネは目を血走らせて魔法術式を展開。咆哮と共に飛び出した_____


(_____よし、ハマったな。相変わらず安い奴だ)


そのミクネの挙動に、自身の挑発が成功したと判断したジョウショウは、この部屋に入る前に兵士達と打ち合わせていた迎撃プランを実行しようとした______が


「ハッ!」

「ぬっ!?」


 ミクネがジョウショウの間合いに入ろうかというタイミングで、高さ20メートル以上もある天井まで飛び上がる。


(挑発が失敗した!?_____小娘がっ!!)


昔の様にはいかず、挑発できなかったことにジョウショウは苛立つも、すぐに気持ちと迎撃プランを切り替える。

だが、ジョウショウのその仕事がまだ頭の中で行われていたのに対して、ミクネの仕事はもう実際の行動に移っていた_____


「_____旋風衝!!」

「ぬぅっ!?」


「「ッ!?」」


 速攻の中級風属性魔法_____。

中級とはいえ、ミクネが発動したものなので威力もなかなかで、“普通の相手なら”ダメージを期待できるところだ。

 だが、ジョウショウはもちろん、ヒノカグヅチの騎士たちに対しても有効とは言えない。

ミクネもそのことは分かっている。

ヒノカグヅチの騎士たちの戦闘力を把握した上でのこの攻撃なのだ。


(____何を仕掛けてくる!?)


そして、ミクネがヒノカグヅチの戦力を把握していることを把握しているジョウショウは、この攻撃が牽制の類で本命は別にあることを考える必要もなく察し、部下に手信号で警戒と迎撃態勢の指示出してそれに備える。


「行っけーーー!!お前達!!」


「「・・・・・」」


「むっ!?」


 ミクネの命令で、この部屋の中に潜んでいた魔族たちがジョウショウに向かって強襲を仕掛ける。

 上級魔族、閑々忍者_____八体。

最上級魔族ほどの戦闘力は無いが、隠密能力と暗殺能力には定評があり、暗殺ならば最上級魔族達レベルの活躍が期待できる悪魔だ。

最上級魔族の数が少なく、他へ優先して配置しなければならない状況では、この城の護り・・というより、ミクネの護りとして打って付けの存在ではある・・・のだが


「知っている魔族だ!!」


 ジョウショウは突然現れた八方からの閑々忍者の動きを、閑々忍者たちが姿を現した瞬間に全て見切っていた_____。

ジョウショウ自身の能力と経験値。ミクネの攻撃が牽制で本命が別にあると察して備えていたこと。東方軍は対魔族軍団といわれるほど魔族の生態に詳しく、その将を務めるジョウショウもまた当然魔族の知識が豊富で、閑々忍者のこともその生態と能力を知り尽くしており、その戦い方も知っている。

たとえ暗殺特化で気配が薄く、動きも早い閑々忍者たちの同時強襲でも、これだけの要素が揃っていればジョウショウにとってその動きを見切ることは簡単なことで、カウンターに出れるのも当然だと言えた。

 ジョウショウは魔法術式の展開、愛刀の抜刀、全方位から来る閑々忍者から身を護るための構え、これらを一呼吸の間に滑らかな動作で行う。

そして_____


「_____はあっ!!」


______キィイイン!


ジョウショウは自身の身体をコマの様に回転させ、360度から来る閑々忍者の刃の切っ先に自身の刀を滑らせて受け流す______。

そのことで回転が遅くなることはなく、むしろ、回転しながらでありながらジョウショウの閑々忍者の刃の切っ先に刀を合わせる角度は絶妙で、刃が合わさった反動を利用して加速さえする。

その結果_____


______ギギギギギギギギギィイイイン!!


「「ッ!?」」


 ジョウショウはその二呼吸目で、剣術と体捌きだけで閑々忍者八体の攻撃を全て弾いてしまった。

魔法を使わずに_____だ。展開した魔法術式は完成したまま、まだジョウショウの足下に残っている。

ジョウショウは当然、三呼吸目でこれをカウンターに使用した______


「バーストフレア!」


______バゴォオオオオオオン!!


骨までカスカスに焼き尽くす煉獄の炎が、ジョウショウの身体を中心に全方位に爆ぜる_____


「「_____!!」」


ジョウショウの最上級魔法。

黒装束の閑々忍者たちが、全員本物の黒い消し炭と化してしまった_____。

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