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チート勇者ろうらく作戦  作者: 脆い一人
第二章:閃光の勇者ろうらく作戦
36/357

ろうらく作戦会議:レイン編

 「あー、こほん・・・では、第二回勇者ろうらく作戦会議を始める!!」


 オーマの背後で、ババーーン!!という効果音が鳴った_____


「「・・・・・」」


「・・・何だよ?」

「やっぱ、しまらないわ~・・・」

「ださい」

「団長・・・どうにかなりませんか?そのタイトル・・・」


冷めた表情のサンダーラッツの隊長達から不満が飛ぶ。


「うるさいな。なら、他にどう言えってんだ」

「そうです。タイトル何て、何でも良いんです。早く始めましょう」

「クシナはやる気あるなー」

「いえ、会議のタイトルで揉めるのが時間の無駄だと思っているだけです」

「そうですね。ジェネリーさんやユイラさんを、長いこと海の潮風に晒すのは可哀想ですし」

「団長。会議が終わったらジェネリーのフォロー、忘れちゃだめよ」

「心得ている」


 海賊討伐が終わった次の日の夜、サンダーラッツ一同は船の船室で作戦会議を開いた。

会議室が船になったのは、ベルヘラで作戦会議をするにあたり、誰にも聞かれず話しができる場所を探してゴットンに相談したところ、ゴットン商会で使用していない船を使って構わないとのことだった。

オーマはこの言葉に甘え、ベルヘラにいる当面の間は、ここを秘密のアジトとすることにした。

 一応、見張り役として、新人のジェネリーと通信兵のユイラの二人に船の上で待機してもらっている。

ジェネリーに見張り役をやらせた理由は新人だからではなく、作戦会議の内容を聞かせられないからだ。


「よし、じゃー先ず、ターゲットのレインと接触できた俺から報告しよう」


 そう言ってオーマは、昨日の海賊の一件からレインに魔法の講師として雇われた所までを報告した。


「幸先良いね。相手から頼ってくれるなんて好都合。この調子でいいんじゃないかな」

「ウェイフィー、それは軽率じゃないか?領主の娘がそう簡単に、見知らぬ者に心を開くとは思えん。単純にこの街で活動しようとしている傭兵を見張るためでは?」

「イワは堅いね。それだったらレインちゃんがやる必要無いっしょ?」

「フランと同意見です。彼女の立場なら藁にもすがる思いでは?それに、戦場で生まれた信頼は時間と関係ありません。一定の信頼は得ていると思います」

「ボクもクシナさんと同じです。命を懸けた状況でとる行動ほど、信用できるものはありませんし、彼女の立ち振る舞いには高潔さを感じました。腹芸はしないタイプだと思います」

「ロジくんが言うなら、きっとそうよ♪そう、だから命を懸けた戦場で生まれた、私とロジくんの絆は___」

「副長ぉ・・今は止めてください、それ。それより団長?私としては、レイン・ライフィードの籠絡やプロトス・ライフィードとの接触の前に確認したいことが有ります」


ヴァリネスのおふざけ(本人は真面目)を制して、クシナが真剣な表情をオーマに見せた。


「クシナ、何だ?」

「レインの素質と実力です。本当に勇者に成れる素質の持ち主なのか?です」

「ああ、確かにな」

「仲間にしても、魔王や帝国相手に戦力にならないなら、巻き込むべきではありません」

「こっちもなりふり構ってらんないってのに、お人好しだなクシナ。でも一理ある。どうなんだよ団長?レインちゃんの実力のほどは?」


「「・・・・」」


クシナとフラン他、サンダーラッツの隊長達全員が同意見とばかりにオーマの顔を覗いてくる。

実力を見ているヴァリネスだけが、冷汗を垂らしながら、すっ呆けてよそ見をしている。

 オーマはそのヴァリネスに一度視線を送って、すっ呆けている顔を見て、苦笑いしてから神妙な顔でレインの実力に対する感想を伝えた。


「彼女の能力は恐らく、信仰魔法RANK2のSTAGE8だ」


「「・・・・・は?」」


サンダーラッツの隊長達の顔が固まった_____。


「ちょ、ちょっと待ってください。団長、今何て言いました?」

「STAGEが8って言った?信仰魔法の練度が8って?」

「恐らくだ。彼女の魔法を見たのは一度だけだし、他国の魔導士だから帝国の基準で測るのは難しいのだが・・・」

「い、いやいや、さすがにおかしいだろ?レインちゃんて、確か20才だろ?それでSTAGE8って・・・・見間違いじゃないか?なあ、副長?」

「私もそう思いたいんだけどねぇ・・・・」


直接目撃したヴァリネスが否定しないことで、他の面々もそれが事実なのだろうと、頭では理解する。

だが____


「さすがに勇者候補でも、それは・・・・いや、でも、だからなのでしょうか・・・」

「イカれてる・・・」

「それが本当なら、もうレイン・ライフィードが本物の勇者なのでは?・・・・でなきゃ___」


____分かっていても、信じがたいことだった。



 以前にも述べたことだが、帝国の定めたSTAGE(熟練度)はRANK(才能)と違って、個人差はあれど鍛えて行けるものだ。

だが、どんな物事にも向き不向きが有るもので、誰もが簡単にSTAGEを上げられる訳ではない。

さらにSTAGEは上になればなるほど、次のSTAGEに上がるのが難しくなる。

 帝国軍人でも現役中ではSTAGE3~4が限界で、クシナみたいにSTAGE5(発生)まで行ける者は少ない。

STAGE6(付与)以上になると、現状では魔道具を造る魔導職人などそれ専門の修練をした者しか上がれておらず、その人数は帝国でも数人しかいない。

STAGE7(召喚)に至っては人間の寿命では到達不可能と言われていて、現在到達しているのは、魔法研究機関ウーグスの所長カスミ・ゲツレイだけと言われていて、そのカスミも200年掛かったと言われている。


 魔法技術後進国の環境で、20才の人間がSTAGE8(融合)に到達しているなど、非常識極まりないのだ。


「STAGE8の融合・・・ということは、レイン・ライフィードは雷と融合できるわけか?」

「雷を発生させるとか、操るではなく、“雷そのもの”に成れると?」

「恐らくな。STAGE8(融合)の領域自体がまだ詳しく解明されていないが、レインが海賊相手に魔法を使った際、レインは電気を纏いながら常人では不可能な速度で移動していた」

「まるで瞬間移動よ。雷を錬成して体に纏わせたとかじゃなくて、あの子自身が落雷となって襲い掛かった感じね・・・」


 オーマとヴァリネスの話しを聞いて、隊長達はSTAGE8という領域について想像してみる。

STAGE8について考えるなど、戦場では見たことも聞いた事も無いため、軍学校以来だ。


「STAGE8の属性融合ってさ、体がその属性と融合した場合、肉体の潜在魔法はどうなるの?」

「融合して、雷そのものになっているから、肉体は無くなるのか?それとも潜在魔法と組み合わせて融合するのか?」

「肉体と融合って、どこまで融合するんでしょう?体の中まで?魂も?」

「魂も融合するんなら、潜在魔法も最高のRANK7?」

「正直分からん。多分ウーグスでもすぐには解明できんだろう。レインの潜在魔法は現段階では未知数だ」

「潜在魔法はって、信仰魔法も似たようなものですよね?STAGE8かもってだけで、それ以上の可能性も有ります」

「それ以上なんてあんのか?」

「分かりませんよ?RANKにしろ、STAGEにしろ、帝国が勝手に定めた基準でしかありませんから」

「そうなったら、もう想像もできないですね」


想像すら叶わぬ領域の話しで、レインの能力の解明どころか予想すらできない。


「想像も難しい・・・が、軍学校の図書館で読んだ、過去の勇者の伝承にそれっぽい話しが有ったな」

「どんな伝承ですか?団長?」

「“閃光の勇者”の伝承だ。歴代の魔王の中で、巨大な怪鳥となって誕生した魔王が居た。この大陸を一日で一周できるほど巨大で速く、人間の町や集落は魔王の一度の羽ばたきで吹っ飛んだという。矢も魔法すらも届かぬ上空を飛んでいて、全く歯が立たなかったそうだが、その代の勇者が雷神と融合し、雷となって魔王であるその怪鳥を打ち落としたそうだ」

「閃光の勇者、ですか・・・」

「この大陸を一日で一周できるほど、巨大な怪鳥を打ち落とすってことは、その閃光の勇者も、一日で大陸を一周できる位の速度ってことですか?」

「そんな力で暴れ回られたら、手が付けられませんね・・・」

「本当よ!まったく!チートよ!チートォ!チート勇者よ!!」


 プンスカと怒って愚痴るヴァリネスを誰も止めない。

口には出さずとも、皆がヴァリネス同様に、勇者や勇者候補の理不尽な力に思うところがあるようで、ずっと俯いている。

何年も戦場で戦ってきたサンダーラッツだからこそ、レインの持つ才能には顔を伏せるしかないのだった。



 ヴァリネスの愚痴が止んで少しの沈黙の後、フランの言葉から会議は再開された。


「んで?そのチート勇者様を、どうやって味方にするんだよ」

「さっきも言ったが、その海賊との一件の後、魔法の講師を頼まれてな、傭兵の依頼として引き受けた」

「依頼として?」

「今回はレインだけじゃなく、父親も引き込みたいからな。領主の娘の頼みを、傭兵が無償で引き受けたら怪しまれると思った」

「確かに・・・レインさん個人の事だけで動かない方が良いですね」

「めんどくせぇなぁ」

「でも、あの子が父親やこの街の事を気にかけているなら、そこに配慮して距離を縮める必要があるわ」

「時間が掛かりそうですね」

「でも期限は無いんだろ?」

「いや、今回はマサノリとの競争でもあるから、あまり悠長なことはしてられない」

「それなら、何か大きく距離を縮める切っ掛けが欲しいですね」

「ジェネリーちゃんの時に使った手は?海賊を利用してさ」

「なるほど。自分とフランで裏を探りましたが、一部の海賊は貴族や商人と繋がりを持っていましたが、そうでない奴らも居ました」

「プロトスやレインと繋がりがある海賊は?」

「それは居ないと思います。レインは両親が海賊に殺されていて、海賊に対してはかなり厳しいらしい」

「そうなんですか?」

「この街に長く住む住人の間では有名な話らしい」

「なら、尚の事使えるんじゃないか?」

「バレたらやばくない?そうでなくても、海賊との繋がりが有ると疑われるだけで警戒されるわ」

「副長と同意見です。ここはベルヘラ、ドネステレイヤではありませんから」

「第一貴族の権限とかで工作できないもんね」

「ウェイフィーの言う通りです。ただでさえ我々は帝国側の人間、対立勢力側の人間というリスクを背負っているわけですから」

「帝国側の人間であることも、海賊と繋がったこともバレたら、彼女の攻略はお終いだな」

「帝国が海賊を使って、ベルヘラで工作活動しているって疑われますね」

「そしたら最悪戦闘になる」

「そうなったら俺達の命もお終いだな」

「イワ・・・冷静に言うな」


レインと戦闘になる可能性が浮上して、サンダーラッツ全員のテンションが再び下がった。


「・・・実際、レインさんと戦闘になったら勝算あるのでしょうか?」

「そりゃー勝つには勝つんじゃないか?こっちには不死身のジェネリーちゃんが居るし」

「でもあの子じゃ、雷の速度なんて捉えることできないわよ?」

「それ以前に雷との融合状態って、物理攻撃は効くんですかね?」

「分からん」

「効かなきゃレインも不死身みたいなものだな」

「チート・・・」

「団長はどう思いますか?」


 イワナミの一言で、皆の視線がオーマに集まる。

同じ雷属性の使い手でレインの戦闘を直に見ているというのもあるが、何よりもオーマの分析力を信頼している。


「レインの能力に関してもっと情報がないと厳しいな。でも一応、格闘戦は上級レベルだが、やれない相手じゃないし、雷魔法も対抗手段が有る。な?副長?」

「ウゲッ!?イヤよ!あんな子との戦いの矢面に立たされるなんて!」

「じゃーどうする?」

「安全策よ、安全策。マサノリとの競争だって言っても、まだ来てないし、時間は有るでしょ?」

「じゃー、レイン攻略の基本方針は正攻法ということで決まりか?」

「弱気だなー」

「現状では仕方ないと思いますよ」

「うむ、博打を打つならもっと情報も要る」

「なら、今のところやるべき事は、レインの講師、海賊らの裏家業の情報収集、表向きの傭兵稼業・・・」


オーマが指を折って、必要な事を上げていく。

 そのリストにヴァリネスが眉をひそめた。


「レインの講師を引き受けたのに、他の傭兵の仕事もするの?」

「必要だろ?普通に考えて講師の仕事だけで、傭兵団の皆が食えるわけないからな」

「海賊退治の時にも、傭兵として名を売りたいって言っちゃいましたしね」

「なら、やらないと怪しまれるな」

「もちろん傭兵の仕事をするときは、レインやプロトスに反感を持たれそうな仕事はするなよ?」

「心得てるぜ、団長」

「後は待機・・・というより見張りも欲しいな」

「誰の?」

「マサノリの」

「なるほど、賛成です」

「どう手分けする?」

「そうだな・・・講師役の俺は確定として、留守番はユイラだな。他は・・・」

「ハイハイ♪俺もレインちゃん攻略組に参加するぜ!」


「「フランはダメ!!」」


フランの希望は、女性陣に却下された。


「なんなんだよ、お前達・・・ハッ!さてはお前達、俺のことが好__」


「「ッ!!」」


 フランが言い終わるや否や、女性陣から殺気と魔法が放たれた。

一番速かったのはウェイフィーで、突如として現れた植物の蔓がフランを縛り上げ逆さ吊りにした。


「お~い・・・酷いぜウェイフィ~。下ろしてくれ~」

「酷くない。これは救助だから」

「きゅうじょ~~?」

「フランがクシナに丸焼きにされないように助けた」

「チッ!」


舌打ちしたクシナの手には、冗談では済まない高密度の魔力で錬成された炎が燃え盛っていた。


「ちょ、ちょっと、止めなさい二人とも!フランの軽口なんていつもの事じゃない!」

「・・・・副長、それ」

「え?」


 ボソッとフランが指摘したのは、ヴァリネスが魔法で造った棘の付いた鋼の鉄球だった。

ヴァリネスの腕力で振えば、間違いなく必殺のそれをクシナとウェイフィーは“どの口が言う”という目でジト―っと見ていた。


「おいおい、その辺にしておけ。ここはいつものデネファーさんの店じゃないんだぞ」

「そうだ。騒いで上に居るジェネリー嬢に聞かれたらどうする」

「は~い。・・ウェイフィー」

「ん」


ウェイフィーはしぶしぶ魔法を解除し、着席する。ヴァリネスとクシナも大人しく座った。


「ふぃ~まったく、酷い目にあったぜ」

「自業自得だろ」

「フラン。一応言っておくが、お前はレインとの交流組には入れないぞ?」

「んなッ!?なんでだよ!?」

「レインとの交流組にはジェネリーを加えるつもりだからな」

「あ、それ良いと思う。今のレインの置かれている状況って、シルバーシュ時代のジェネリーと似ているし」

「帝国に下るか否か、ですね」

「それもあるが、万が一レインと敵対したときにな・・・」

「そうですね。あってはならない事ですが、備えておくべきですね」

「後は通信ができるクシナと、副長かロジにも加わってほしい」

「了解です」

「オッケー♪私とロジくんは一緒の組ね♪」

「いや、どっちかで良いんだよ。副長とロジはかわりばんこだ」

「あ~ん?何それ?団長・・・私にケンカ売ってるの?」


ヴァリネスは先程魔法で錬成した鉄球を再び造り、臨戦態勢に入る。


「ブッ!い、いや、落ち着けよ!


ロジの事になると周りが見えなくなるヴァリネスに、オーマは頭を抱えながら、役割分担の説明を始める。


「ここは帝国じゃないし、俺達の人数も多くないんだ。傭兵稼業には最低でも二人、情報収集はある程度できているからこの際一人でもいいだろう。そして、留守番に一人ってなったら・・・」

「余裕あるじゃん」

「ねーよ。商人との交流を忘れている。特に副長はすでにゴットン商会と打ち解けているんだから、そっちを重視してもらう」

「Fu〇k!カワイイ男の子じゃなくて、オッサンの相手をしろとは!」

「頼む。適任なんだ」

「・・・・・はぁ」


状況はきちんと把握しているヴァリネスはしぶしぶ了解した。


「副長が納得したところで、改めて役割を決めるぞ。先ず、ウェイフィーとイワナミは偽装工作のため、傭兵稼業だ。仕事は選べよ」

「了解」

「了解です。どこから仕事をもらうか・・・」

「ゴットン商会は?友好的だし、政治には絡んでないんでしょ?」

「なるほど。では、すいません副長。明日、我々をゴットンに紹介していただけませんか?」

「はいはい。いいわよー・・・」


ロジと一緒じゃなくて、ヴァリネスのテンションは下がっている。


「じゃーその調子で、副長には商人達との交流と、レイン攻略の支援を頼む」

「へいへい。いいわよー・・・」


ロジと一緒じゃなくて___以下略


「マサノリの見張りと情報収集はフランとロジだ。ロジにはレイン攻略も手伝ってもらう」

「了解しました」

「りょーかい・・はぁ・・この作戦で、俺が女の子と仲良くなる仕事はいつ来るんだ・・・」

「いや、軍事作戦にそんなもん無いから」

「で、レイン攻略組は、俺、クシナ、ジェネリーだ」

「了解です、団長」

「後は拠点にユイラを待機させておく。万が一レインと対立して作戦続行が不可能となったら、ユイラに連絡して信号弾(魔法)を打ち上げてもらう。皆、拠点の方角は忘れるなよ」


「「了解」」


「よし、では解散だ」

「はぁ~~終わった、終わった。一杯やるかー」

「フラン・・私も飲む」

「ふ、副長?ですが、明日は我々をゴットンの所へ・・・」

「分かっているわよ、イワ!でも飲まなきゃやってらんないのよ!大丈夫よ。飲みすぎたりしないから!」

「そう言って、ほどほどで済ませた副長見たことないですよ」

「いいじゃん!いいじゃん!ね?ほら!飲みましょ?ロジくん♪」

「そうですね」

「イエーイ♪」


ヴァリネスの機嫌が治った。


「はぁ・・・止はしないが、あまり羽目を外すなよ・・・」

「何言ってんの?団長も飲むのよ?」

「エッ?俺も?いや、俺はいい。明日は打ち合わせでレインに会うから、止めておく。二日酔いでレインに会いたくない」

「大丈夫よ!それに団長には参加義務が有るわ!」

「何でだよ!?」

「ジェネリーよ。適当なこと言って、ユイラと二人で見張りさせたのよ?フォローは必要でしょ?」

「うっ・・・」

「はい、決まり!フラン!二人とも呼んできて!」

「ラジャー!」

「・・・はぁ、しょうがないか」


しぶしぶといった風ではあるが、まんざらでもない表情でオーマも酒の席に参加した。


 ちなみに、ジェネリーは外での見張りに全く不満は無く、フォローの必要はなかった____。

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