酒呑物語(ショートショート)(旧作復活版)
昔々、あるところにお爺さんとお婆さんがいました。
お爺さんは山へ芝刈りに行こうとしたのですが、お婆さんが山に芝刈りに行くと言って聞かないので、仕方なく川に洗濯に行くことになりました。
お爺さんが川で洗濯をしていると、上流の方から、お爺さんが今まで見たこともないような大きな桃がゆらゆらと流れてきました。
驚いたお爺さんは、流れてきた桃を手に取ると、家に持って帰ることに決めました。
お爺さんが大きな桃を家に持って帰ると、それを見たお婆さんはびっくり仰天して、腰を抜かしてしまいました。
お爺さんは、手に入れた桃を仲良く半分個して食べようということを、お婆さんに提案しました。
しかし、強欲者のお婆さんがそれを許すはずがありません。お婆さんはお爺さんの提案に対して、断固反対しました。
お爺さんとお婆さんが話し合った結果、お酒の飲み比べを行い、買った方が桃を全て食べられると言うことで話が決まりました。
そこでお爺さんとお婆さんは、家にあるとてもアルコール度数の高いお酒を使って、飲み比べを行うことにしました。
しかし、お酒に飲みなれていないお爺さんとお婆さんは、急なアルコールの接種によって、急性アルコール中毒で死んでしまいました。
こうしてお爺さんが持ち帰ってきた桃は、誰にも食べられることなく腐ってしまいましたとさ。
酒は飲んでも飲まれるなと言うことですね。