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3:紹介

今まで一度も3人の会話に入らなかった騎士風の男が近づいてきた

部屋に連れて行ってくれるであろうことはわかっているが、腰にぶら下げた大きな剣が嫌でも目に入り身構えてしまう

日本であればすぐに警察のお世話になっただろう


男が跪いて手を差し出してくる


「聖女様、部屋へご案内いたします」


恐る恐る自分の手を重ねてゆっくりと立つ

歩くのが久しぶりのようで、足が思うように動かない

男の誘導に付いてゆっくり進む


男にとってはだいぶノロいあゆみだろうが

急かさずに私の歩みに合わせてくれていることに少しほっっとした





気付くと残りの3人はいつの間にかいなくなっていた

あら、聖女って大事そうだからみんなで送ってくれると思ったんだけど


「陛下たちは、会議に向かわれました」


私がキョロキョロしているのに気がついた男が言った


会議ね

どうやら敵がいるみたいだし、それに関係あるのかな?


そういえば私は多分召喚されてここに来たけど、それって絶対できるって確信があったのかな?

もしかしたら、無理かもしれないけど一応やってみたって感じかな

そしたら本当にできちゃったから緊急会議みたいな?


でもそうだったら部屋なんか用意してないか

いや、王様だったらそんなの簡単か




なんてことをぐるぐる考えていると


「こちらがお部屋になります」


と男が言って、大きな扉の前に止まった


うわー、想像はしてたけどずいぶん大きな部屋のようだ

まあそうなると


「何かあれば、この侍女たちに言ってくだされば大体のことは事足りるかと」


まあ、喋れないんだけどね

決まり文句っていうか定型文なんだろうなこののセリフ

っていうか、多いなぁ

目の前には10人ほどの侍女たち

もっといるかも


たかが一人の世話にこんなにいるんだろうか

見張りも兼ねてるのかと思い、ちょっと納得する


「くれぐれも粗相のないように」


そう思ってる間に、男は踵を返して足早に去ってく

あの人も会議に行くのかな


あ、あの人私が言葉が通じないって説明してないじゃない

よっぽど会議にはやく行きたかったのかな

でも、言葉が通じない(フリだけど)右も左もわからない人を連れてきて紹介もなしにいきなり預けてくって双方にかなり迷惑だし、誇り高い騎士の前に人としてどうよ

粗相ってあなたが1番失礼でしょ


すると多分リーダーだろうと思われる

他の人より年上の女の人がこちらに向き直って言った


「女官長のモリアナ・グリースと申します

恥ずかしながら私が専属女官を選定させていただきました

陛下より大事なお客様だと伺っております、遠くから来たとも

今日はお休みになられてはどうでしょう

明日、あらためて専属女官を紹介いたします」


そういえばさっき起きたばかりなのになんだかもう眠い

私はうんと頷…いてダメだった!

言葉がわからない設定なのに


私は頷きかけた首を誤魔化すように持ち上げ

大げさに周りをキョロキョロ見てベットを見つけると突進していった

ボフッっとベットに飛び込むと、もう眠気には逆らえない

なにやら女の人たちの声が聞こえたがそのまま夢の中へ引きずりこまれていった











読んでいただきありがとうございます

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