表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
2/3

2:目覚め

狭く薄暗い部屋で目が覚めた

いや、部屋というのが正しい表現かはわからない

天井がドーム型にガラス張りされていて、見事な満月からの光で夜にしては明るく白い床はその光を反射して綺麗に光っていた


「おお!聖女さまが目を覚まされた」


床は固く冷たい

こんなところに寝かされっぱなしだったと考えると少々不快に感じる

上半身を起こして周りを見るとコスプレのような格好をした人々がこちらを眺めていた


(ここどこ?っていうか聖女って?)


私がどうしてここにいるのか、ここはどこなのか

疑問は次々と出てくるが自分がここにいるのが当然のことのようにも感じる

自分がここにくることをわかっていたような感じ


それでも、コスプレのような馴染みが全くない格好や見たこともない場所に何にも感じないわけではない

もちろん心細さそしてこれからどうなるのかという恐怖は警戒という形で顔に現れているだろう


1番近くにはマントを身につけたいかにも王のような人、美しい金の髪は頭につけている豪華な王冠にも負けていない輝きで瞳は深い緑である


そして、その後ろに付き従うようにして3人の人物がいた


「どうやら成功したようだな、よく来たな聖女よ。」


王様が言う

いや来たって言うより、連れて来られたって言った方があってると思うけど

なんていうかこういう、所謂召喚の儀式的なものをするときはもっと広い部屋で大々的にするものだと思っていたけどずいぶん少人数でするのね

それよりも


[ここは]


どこかと尋ねようとして声が出ないことに気づく

首をかしげると


「どうやら言葉がわからないようですな」


3人のうちのヒゲがきれいに整えられた小綺麗なおじさんが言う

結構な年に見えるがそのきれいな青みがかった黒の髪には白髪は一本も見当たらない。


違うと首を振ろうとして少し考える

言葉がわからないって思わせておいてもいいんじゃないか

そうすれば小難しい会話はしなくて良さそうだし

私に聞かれてないとたかをくくって口が軽くなるかもしれないし

なによりなんとなくかっこいいじゃない?

てことで、首を傾げたまま少し困ったような表情を作った


「うむ、どうやらそのようだな」


王様が答える


「しかし困りましたな、言葉が話せないとなると」

「ええ、何かと不便ですし、あちら側がこちらを批判する口実にもなり得ます」


もう一人が会話に入る、多分王様の息子だ

なんとなく面影があるし、何より見事な髪色が同じだ

王子様がかっこいいのはどこでもおんなじなのね


あちら側?

詳しくはわからないがおそらくなんらかの形で敵対している勢力のことだろう


「もしかすると、聖ノラン語なら通じるかもしれません」

「そうだな、しかし聖ノラン語を扱えるものは少ないが連れて来られるか?」

「ええ、少々時間はかかるかもしれませんが」

「ああ、連れて来られるだけでも上出来だ。くれぐれも彼方側には悟られないようにな」

「はい」

「ではとりあえず暫くは用意しておいた部屋で過ごしていただくようにしよう。すぐに部屋にお連れしろ。それから侍女たちにくれぐれも粗相のないように釘を刺しておけ。」

「御意」


どうやら私の処遇が決まったようだ


読んでくださり、ありがとうございます^ - ^

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ