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〜序章〜

頑張ります。

「ん、く…ふあぁ」


3年に進級したばかりの涼しい季節。


今は春。

新入生が入ってくる出会いの季節だ。


いや、もう出会った季節だな…


んな事はどうでもいい話しなんだが…


まぁ俺は毎朝、同じタイミングで俺を起こしやがるアラームにせかされ最悪の目覚めを迎えた。


現在9時…

普通の生徒はもう授業中だろう。


俺は普通じゃないから寝起きなんだが。


俺が普通じゃないのはまだ色々あるんだが、まぁ今は言う必要はない。


俺は適当に朝飯を済ませ、身支度を済ませる。


親はいない。

爺ちゃんの話しだと、不慮の事故だとかで死んだらしい。


別に辛くはないが、家事は面倒だ。

経済的な事は両親の兄弟とかになんとかしてもらっているから別に家事以外は困らない。


「後10分で10時か…」


俺は携帯の時計で時刻を確認し、家を出た。


遅くなったが俺の名前は…


山田 和樹

17歳

得意なのはスポーツ。


俺は俗に言う『問題児』だ。


俺はエレベーターで一気に1階までおりマンションをでた。


「おっ…」


「よぉ…悪いな待たせて」


「大丈夫、さっき来たばっかりだから」


と、まぁその辺のカップルがしてそうな会話だが残念ながら相手は男だ。


山田 和彰。

17歳

あだ名はパチ。


今、俺の前にいる奴の紹介はこんなもんだ。


「他は?」


「昌也達は先に行ってる、入ったばっかしだから遅刻はマズイってさ」


「そうか」


俺達は歩きながら会話していた。


「ダルいなぁ…やっぱ休むかなっ」


「家に来させてそれは無くね?」


「だってダルくね?」


「気持ちは分かるけど俺ら出席数がヤバいんだよ。3年になって留年はさすがに嫌だからな」


「それもそうだな」


俺は面倒くさがりながらも学校へ向かった。


「じゃまた後で」


「おう」


俺とパチはそう言葉をかわし、それぞれの教室へ入った。


ちなみに俺は1組、パチは2組だ。


俺はガラッ!と勢いよく扉を開けて中に入った。


「あれ?」


教室には、全員そろってなかった。

クラスの人数は30人、でも教室にいるのは20人程度。


集団欠席?

などと思いながら俺は廊下側の後ろから2番目の席に座った。


それにしても…

中野に田中、鈴木に三宅…。


真面目な奴が多いな…

健登や一誠がいないな…


「和樹…」


「ん?」


窓に顔を向けると、パチが立っていた。


「どした?」


「クラスの奴がどう考えても少ない」


「そっちも?こっちもだ」


「他のクラスとかも少ないんだ」


「はあ?」


「どう思う?」


「集団欠席?」


真面目な顔をして質問してきたパチに俺は笑いながら答えた。


「なんか嫌な感じだ」


「はあ?気のせい気のせい」


軽く返答したが心の中では少し焦っていた…

パチの嫌な予感は良く当たる…

良い予感は当たらないが悪い予感は当たる。


ピンポンパンポン…………


スピーカーから放送前のチャイムが流れた…


「ガガッ…3年1組、2組の山田…山田 和樹くん、和彰くん…至急、体育館に来なさい…ガガッ」


ピンポンパンポン…………


放送が鳴り止む。


「呼び出し?」


「別に何もしてないぞ…しかも体育館って……」


俺まで嫌な予感がする……


俺とパチはすぐに体育館へ向かった。


「体育館って事は俺ら以外にもいるって事か…?」


「さぁな…行けば分かる」


「その通りだ!」


俺とパチは体育館へと急いだ。


くそ…

胸くそ悪い…


なんだよこの感じ!




俺とパチは体育館の前につき、重い扉を開けた。


「やっぱり…」


体育館には、やはり多数の生徒が座っていた。


全員呼び出されたのか……


「あそこ…健登達だ」


体育館の隅の方に健登らが固まって座っていた。


「健登!」


「和樹、お前らもか!」


俺とパチは健登達の方へ走った。


そこにいたメンバーは健登、一誠、裕樹、昌也、佐藤、一也だった。


「お前らなんかしたのか?」


裕樹が声をかけてくる。


「まったく!」


「じゃあなんなんだよ!」


一也が大声を出す。


「静かにしなさい!」


突如、ステージから怒声が聞こえる。


俺達は全員ステージ側へと視線を向けた。


「えー、今日は皆さんに大事な話しがあります」


なんだアイツ…

この学園の奴じゃないな…


「えー単刀直入に申し上げますと…」


「皆さんには国の為に戦ってもらいます」


は………………?


全員が全員ワケが分からないという顔をしてただろう…


当たり前だ。

まったく意味が分からない!


「ちょっ!言ってる意味が分からないんですが!?」


あ…近藤…

いないと思ったらあそこにいたのか…


「ですから国の為に戦ってもらいます!」


いや意味が分からないって……


謎の男の言葉同時に体育館の3つの扉から軍服を着た奴らが入ってきた……


「軍隊…?」


「なんで軍が…」


裕樹やパチが目を丸くしていた。


そしてステージにいる謎の男はオホンッ!と咳払いをして話し始めた。


「えー、はじめまして、私は日本陸軍大佐、渡辺と申します」


陸軍大佐!?

なんでそんなのが!?


「我が国、日本は今、謎の軍団によって滅亡させられそうになっています!」


謎の軍団?

なんだそりゃ…


「それが何か俺らに関係あるんですか?」


パチが大佐に質問する。


「かなり関係あります。謎の軍団はかなりの数です。日本の軍隊だけでは太刀打ちできません」


「だったら他の国に応援を……」


「それは残念ですが出来ません」


「つまり…俺らに戦ってくれって……?」


は?

なんで俺らが?


「分かりがいいですね、流石です。ここに集められたのは優秀な人材です。あなた方は選ばれたのです」


選ばれた?

高校生を…?


「子供を戦争に駆り出そうってのかよ!?」


「その通り」


「馬鹿言うな!あんた達の私情に俺らを巻き込むな!!!!!」


俺は声を張り上げ、叫んだ。


「私情?貴方にも多いに関係ありますよ3年、山田 和樹くん?」


俺らにも関係ある?

なんの関係が!?


「そんなもん聞けるかよ!俺には関係ないね!」


クラスの問題児、石橋が立ち上がり叫んだ。


「それは聞けません。これは命令なのです、拒否権はありません」


「知るか!俺は出ていく!」


「そうですか…ならば貴方は今から反逆者です!」


「はぁ!?」


ガチャ!


大佐が言うと軍人の1人が石橋の頭に銃を向けた。


「何する気だ!?」


「貴方には…


「やめろ!!!!」


パチが怒声をあげた。


「死んでもらいます」


パァァァーン!!!!


「なっ!?」


殺りやがった…


地面にはねた血…

目を開いたまま倒れる石橋…


頭には穴が空いていた。


「「「ウワァァァッ!!!!!」」」


体育館にいる生徒達が叫び、逃げまとう。


俺は手が震えていた。


健登達は声を失い、その場から動かなかった。


「動くな!!!!」


パァァァン!!!!


大佐の怒声…

それと同時に銃声が鳴り響く……


「私は忠告しました。貴様らに拒否権はない!!!!そんなもの皆無だ!!!!お前らのやるべき事は死ぬまで戦うこと、それだけだ!!!!!」


俺は学校に来てしまった事を後悔した…


来なくても一緒だろうがこんなとけにはいたくなかった…


「あなた方は選ばれたのです。光栄な事なのです」


俺は人生の中で最強最悪の出来事に巻き込まれたのだった。


「あなた方が戦う事は決まっていました。これは…」


そして………


「運命なのです!」


悪夢はまだ、これから始まるのだった。


閲覧ありがとうございます。

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