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04 魔工師 26歳です

 トマトリゾットを美味しく頂いた後、テント内の寝袋で眠った。


 時計が無いので時間はわからないが、恐らく鳥であろう生き物の鳴き声で目が覚める。

 外に出れば目の前は森が広がり、昨日の出来事が夢ではない事が再確認された。寝起きの頭が覚醒すると、昨日の夜に思いついた事を実行しようと動き始める。


 シェルター入り口を背にぐるっと周りを見渡す。


(ここがシェルターだから……ガレージはこっちだよな)


 崩れて風化した壁の跡から当時ガレージがあった場所を思い出しながら、ガレージの方向へと歩いて行く。


 アタリをつけた場所に立つも、当然周りには何も無い。

 地面は土と草が所々生えていて、ガレージも無ければガレージだった建物の壁すらも無くなっている。

 

(この辺りかね。スキャン)


 術式を起動すると、秋斗の目には周囲の色が白黒のモノクロ写真のように表示される。


 目を地面に向ければ、土で埋まっている場所は真っ黒に見え、地下に空洞があれば空間が白く見える。


(見つけた! この下が階段に続く扉か)


 術式を起動しながらアタリをつけた場所を歩いていると、目的の物を見つけ出すことに成功した。


 扉は土に埋まっているが、そこまで深い場所に埋まっているわけではなく何とかなりそうな事にひとまずホッとする。


 後は地下にある倉庫が崩れて埋まっていないかだが、スキャンで見た限りでは完全に埋まっているわけではなさそうだった。


 しかし、手や手持ちのナイフで地面を掘ろうにも結構地面が硬い。だが幸いにも秋斗には魔法という便利な手段がある。


(地面を掘る魔法なんざ無いわけだが……。作るか)


 今後使う場面が出てくるかもしれない、と思いながら新規の魔法を作る為に右目のマナデバイスにインストールされているコンソールを起動する。

 

(コンソール起動。術式銘は『掘削』として……)


 術式の銘を決めた後、目を瞑って脳内で再現させる魔法のイメージを作り出す。


 思い浮かべるイメージは工事現場などで使われていたアースオーガー。回転しながら掘削していく様子を思い浮かべる。


 出来上がったイメージを数分思い浮かべていると、ピピッという音が脳内に鳴り響く。

 目を開ければ『創造完了』の文字がAR表示される。


 これで魔法自体が完成。完成した魔法はマナデバイスの記憶領域に一時保存される。

 次に、一時保存された魔法に圧縮を施す。


 AR表示された『圧縮中』ゲージバーがMAXになれば『術式完成』の文字が表示された。


 過去に魔法を作り出していた企業が魔法を開発するには何ヶ月も掛かってしまう作業だが、術式という新技術を行使する秋斗には日常的な作業であり、コンソールという効率化の塊が猛威を奮う事によって作業が完了するまでに10分程度で済んでしまう。

 

(さっそく掘削を……ん?)


 たった今作り上げた術式を起動しようとしたところで、パキッという枝を踏む音が聞こえた。

 音が聞こえた方向に集中すると、次第にシャクシャクと草を踏む音が聞こえてくる。


 それは何かが接近してくる音。


 秋斗は海で起きた事を思い出し、何か自分の知らない生物がこちらに向かって来るのだろうと推測する。


 素早く崩れかけの壁に身を隠して、もうすぐ現れるであろう何かを待ち構える。

 そして、サァァッという風が木々を揺らした後、木々の間を通り抜けて現れたのは1人の『人』であった。


(人だ! 人類は絶滅していなかった!)


 現れた『人』に感動を込み上げながらも観察を続ける。


 現れた人物は、短い茶色い髪でローブのような服を着用し男性だと思われる。手には杖を持って肩からショルダーバックらしき物をぶら下げていた。


(杖は第1世代のマナデバイスぽいな。あの格好……ウンジャカ族か?)


 秋斗は以前、自分の研究をしながら技術院で学ぶ学生に対して講義をする事があった。

 その際に、他の国から留学生として来た学生に格好が似ていた。


 留学で来ていた学生は発展途上国に存在するウンジャカ族という部族の出身で、学んだ技術を部族の為に使いたいと一生懸命勉強しているのが好印象で今でもよく覚えている。

 

 秋斗がかつての留学生を思い出していると、現れた人物は遺跡のようになった秋斗の自宅敷地内に侵入してキョロキョロと周りを見渡している。

 すると、秋斗が設営したキャンプ地を見つけたのかそちらに歩いて行った。


(よし。友好的に話しかけよう。ウンジャカ語を少しだけだが習っておいてよかった)


 意を決した秋斗は身を隠していた壁から出て、笑顔を浮かべながら現れた人物の背中に向かって話しかけた。


「ホホジャジャカー!(こんにちわ!)」


 ファーストフード店員レベルのスマイルを浮かべて、軽く手を挙げながら挨拶をする。


 すると、背中から声をかけられた人物は驚いたのかビクッ! と体を震わせて、驚きながら秋斗の方向へと振り向く。


「ククジャカパパー。ウジャホウンジャカ? ポポテクテク!(良い天気ですね。貴方はウンジャカ族ですか? 僕は怪しくありません!)」 


 なんという流暢なウンジャカ語かと自分でも惚れ惚れする程のウンジャカ語を披露すると、声をかけられた人物は驚きながらも口を開くと――


「何語ッスか?」


 発せられた言葉は秋斗の住んでいた国の公用語だった。


 目覚めてから初めて出会った人類の口から出た言葉が公用語だった事に驚きつつ、披露したウンジャカ語に虚しさを感じた。


「あー……。うん……。そうそう……。言葉わかるよな?」


 驚いてしまった事でしばらく黙ってしまったが、秋斗はこみ上げてきた恥ずかしさを必死に隠しながらも改めて使い慣れた言葉で話しかける。


「あ、今度はわかるッス! というか貴方、誰ッスか!」


 秋斗の出会った第1人類は、急に現れた秋斗に警戒したのか杖を向けながら慌てた表情で問いかけてくる。


「御影 秋斗。魔工師。26歳です」


 ペコリとお辞儀して自己紹介を終える。


「あ、ご丁寧にどうもッス。自分はケビンですッス! 魔法学者で187歳ッス!」


 ケビンと名乗った彼も、ペコリと秋斗に向けてお辞儀してくれる。

 彼の自己紹介から何かとんでもない事が聞こえた気がしたが、ひとまずスルーする事にした。


「ちょっと、色々質問がしたいんだが。よければ飲み物でも飲みながら話さないか?」


 テントを指差しながら彼に提案する。


 せっかく出会えたのだから、出来れば色々聞いておきたい。特に、眠ってから何年経過しているのかを知っておきたかった。


「良いッスよ! こっちもお兄さんが何でここにいるのかとか聞きたいッスからね!」


 交渉成立。

 2人はテントに向かって歩いて行った。


-----


 テントに到着し、キャンプ用の椅子を2人分出して腰を下ろす。


「何飲む?」


「あ、水下さいッス!」


 OK。といつもの調子で術式を使ってコップに水を注ぐと、横から驚愕の声が発せられる。


「え!? 杖も無いのにどうやって……そんな速く魔法を使ってるんスか!?」


 コップに水を注ぎながらケビンの顔を見ると、目が飛び出るんじゃないかと思うくらい驚いた様子。


「え? ああ。俺のマナデバイスは特殊だから」


「まなでばいす? なんスかそれ??」


 マナデバイスを知らないだと? と秋斗も心の中で驚きつつも質問に答える。


「いや、君が持ってる杖もマナデバイスだろう?」


 杖を指差しながら答えると


「え? 杖は杖じゃないッスか。まなでばいす? なんて聞いた事無いッスよ」


「マジかよ……」


 もしも、人類が氷河期を生き抜いて歴史が続いていたのならマナデバイスという存在を知らないはずがない。


 もしかして……と秋斗の中で不安が広がっていく。

 少しでも不安を取り除きたい秋斗は彼に一番聞きたい事を質問した。


「あのさ、質問があるんだが。この大陸が雪や氷で埋まっていた事はなかったか? 氷河期というんだが」


「氷? それって大崩壊の話ッスか? めっちゃ大昔の話ッスよね?」


 ケビンの口から飛び出した言葉に、秋斗はヒクヒクと口元が引き攣るのがわかる。

 もはや秋斗に希望は残っていない。


「……大昔って何年前の事なんだ?」


「え? 何年前って……すっごい昔ッスよ! 2000年は前ッスね!」


「マジかよォォォォッ!!!」


 2000年。


 嘘だ。と思いたくなる数字だ。

 何で、どうして……と頭を抱える。

 今、秋斗が生きているのは2000年後の未来。


 あの銀世界から2000年も経過してしまっていた。何故、2000年も眠っていたのかはもはや問題でない。


 告げられた事実に真偽を疑う思考すらもぶっ飛んで、頭の中で色々な考えがグルグルと行ったり来たりしている。


 人はこれを混乱状態という。


「ところで、お兄さんはどうしてここにいたッスか? ここは賢者様の遺跡ッスから考古学者か何かッスか?」


 頭を抱えていた秋斗に、今度はケビンから質問が投げかけられる。


 秋斗は、とりあえず混乱の素であるモノを頭の片隅に放り投げてケビンの質問に答える事にした。

 まずは素直に自分の事を話してみようと決める。


「俺が、その大崩壊の生き残りだとしたらどうする?」


「ハァ? 何言ってるんスか?」


「デスヨネー」


 そんな事言われて信じる奴なんていねーよな。と自分の心の中で思いつつもため息を吐く。 

   

「ところで、賢者様ってなんだ?」


 架空の身の上話をする事すらも出来ないほど現代の情報を持っていない秋斗は、ケビンの質問の中で気になった事を聞いて誤魔化すことにした。


「賢者様って言ったら古代遺跡から目覚める賢者様に決まってるじゃないッスか」


 それたぶん俺だよ!! と心の中でツッコミながらも現代では常識らしい事を聞いてしまったようで、更に誤魔化す為に質問を続ける。


「ああ、そうだよね~……。ところで君何歳って言ってたっけ?」


「え? 187歳ッスけど??」


 秋斗の聞き間違えじゃなかった。彼は至極真面目な顔で言っているのでふざけているわけではなさそうだ。


「187っていうと~。ええっと~」


 今思い出しますよ! という雰囲気を出し答えを誘導する秋斗。もはや秋斗にはこうする以外の選択肢無かった。例え失敗するとしても。滑稽だとしても。


「エルフに決まってるじゃないッスか~。ほら。」


 成功した。

 とんでもない事実を告げつつも、彼は己の耳を見せてくる。

 見せてきた耳は長く、とんがっていた。


「で、ですよね~。アハハハァ……」


 エルフってなんだよ! 俺は死んでファンタジー小説のような異世界に飛び込んじまったのか!? とさらに冷や汗をかき始める。


 氷河期が訪れる前には人間以外の種族は存在していなかった。

 エルフはもちろんの事、ドワーフや魔族もいない。


 そして、現代。人間以外の種族が存在し、確かに秋斗の目の前に存在していた。


 もはや混乱を通り越して笑えるレベルだ。


「ところでお兄さんはどうしてここ……」


「ああ! そういえば君はどうしてここに!?」


 勢いで質問を被せて、心の中で頼む! と強引な話題逸らしに成功を祈った。


「へ? 自分は賢者様の遺跡を確認しに来たッス! たまに西側の……ま、まさか!!」


 話題は逸れたが、ケビンは何かの事実に気付いたようで勢いよく立ち上がって再び杖を秋斗に向ける。


「お兄さん! 貴方、帝国の人間ッスか!?」


 キッと眉間に皺を寄せて叫ぶケビン。


「え? 帝国ってなんだ? どっかの国か?」


 秋斗は急に豹変したケビンに驚きつつ、素直に答える。


 その様子を見たケビンは、秋斗の疑問を浮かべた顔をしばらく見つめてから杖を下ろす。


「演技じゃなさそうッスね……。西側の人じゃなければいいッス!」


「?? 西からなんて来てないのは確かだ。人違いだ」


 西側というワードに疑問を持ちつつも、西でも東でもなく地面の下から来た秋斗は違うと答える。


「ところで、人の住む街はこの近くにあるのか?」


「あるッスよ。ここから北に2日くらい歩けばエルフの首都があるッス」


 エルフの首都。首都と言うからにはそれなりの人口が存在している事が推測される。

 現代の詳しい情報を得るにはそこに行くべきかと秋斗は思案する。


「君はそこから来たのか?」


「そうッスよ! 先生に言われて、遺跡の様子を見に来たッス! お兄さんがいたくらいしか変わりは無いッスけど」


「そうか。いつ戻るんだ?」


 秋斗がそう聞くと、ケビンは少し困った表情を浮かべる。


「うーん。水が湧き出る魔道具が壊れてしまったので、少し遠回りになるッスけど川で水を補給してから戻るッス。先生の仕事も手伝わなきゃなんでささっと遺跡を確認して今日中には戻るッスよ」


 そう言いながら、ショルダーバックの中から魔道具と呼ばれた物を取り出す。

 取り出された物は、秋斗にとって見慣れた物だった。


「給水マナマシンじゃないか」


「?? 魔道具ッスよ?」


 ケビンが魔道具と呼ぶ物は秋斗にとってマナマシンと呼ぶ物だ。


 給水マナマシンという物はスイッチを入れると冷たい水が出てくる水筒で、過去にはキャンプ用品としてホームセンターでよく見るマナマシンだった。


 2000年経過したマナマシンは外装がボロボロになっており、一目で見ていつ壊れてもおかしくない外見。


 恐らく呼称の変化は、過ぎ去った時間がマナマシンという名を置き去り、現代では魔道具と呼ばれているのだろう。と秋斗は推測する。


「見せてくれ。直せるかもしれない」


「え!? ほんとッスか!?」


 ケビンは驚きながらも秋斗にマナマシンを手渡す。


 秋斗は円筒の水筒型マナマシンを手に持ってクルクルと回しながら破損状況を調べ始める。

 ボロボロで所々ヒビが入った外装を見た後、ポチポチとスイッチを押して感触を調べる。


 スイッチの感触に違和感を感じた秋斗は、水筒の底蓋部分をグルッと回す。

 底蓋を取り外すと、内部に収められていた基板が本体から引き抜かれた。


「ああ、やっぱり。起動スイッチが磨り減って上手く押せてないな。こっちの魔力回路も壊れかけだ」


 原因が判明すると得意の物質加工の術式を起動し、秋斗は手馴れた様子で修理を始める。


 まずは、ボロボロになっている外装部分に物質加工で修理を施す。

 外装は追加で使える金属が無いので、ヒビが入った部分を他の部分から引き伸ばして埋める程度。

 


 次は底蓋を開けた際に、ポロリと落ちてきた内部の欠け落ちた外装の一部を加工し、スイッチ部分の磨り減りを埋める為に使う。


 2つ目の原因である魔力回路は、経年劣化で回路を通るエネルギー変換された魔素が詰まりを起こしていた。


 魔素エネルギーが通る道である魔力回路は、基板上に魔素エネルギー伝導率の良い魔銅と呼ばれる金属を加工して使っている。


 基板に取り付けられた部品と部品の間に魔銅を線状に繋いで、エネルギーの伝達を行うのが役割であるが、この基板は一部の回路が少し削れているのが詰まりの原因だ。


 今回の原因である魔素詰まりは放置しておくと本来魔銅を通って部品に伝わるはずのエネルギーが通らず、行き止まり状態になったエネルギーが基板に過負荷が掛かって熱が篭って基板と取り付けられた各部品装置の全体をダメにしてしまう。


 過去の時代でも、これらを修理するには専門店かメーカーに修理を依頼しなければいけないのだが、マナマシン開発者である魔工師たる秋斗には関係の無い話であった。


 2つの原因を手早く修理して、修理が完了した基板と底蓋を再び本体に装着する。

 

 外装に取り付けられた起動スイッチをポチリと押すと、水筒型マナマシンには再び水が補給されるようになった。


「ほら。修理できたぞ」


 水が補給される事を確認した秋斗は、ケビンにマナマシンを手渡した。


「すごいッス!! 本当に直ってるッス!!」


 ケビンは再び機能を取り戻した水筒を手に驚きながらも、笑顔を浮かべて喜んでいる。


「これで遠回りしないで帰れるッス! 何かお礼するッスよ!」


 お礼か。と顎に手を当てながら考える。


「ん~。近いうちにまたここに来るのか?」


「先生に頼まれないと来る事はないッスね~。どうしてッスか?」


「いや、俺はもうちょっとここでやらなきゃいけない事があるんだが、また来る日が近ければ食料を持ってきて欲しかったんだ」


 非常食はあるが、さすがに暮らしていけない。


 ケビンと共に街に行くのが一番の解決策であるが、この時代で生きてきたわけではない不審者丸出しな秋斗が果たして無事に街へ入れるのだろうかという不安もある。


 身分証明書も無ければ知り合いもケビンしかいない。

 何か問題があって牢屋へなんて考えすぎかもしれないが、遠い未来に来てしまった現実が秋斗に慎重という考えを与えていた。


 それに、倉庫を掘り起こす掘削作業もある。

 倉庫には恐らくまだ使えるマナマシンがあるはずだし、壊れていても材料にして新しいマナマシンを作る事が可能になる。


 本当に2000年も経ってしまっているのであれば、現在地だけに限らずに大陸全土が眠る前の時代とは様変わりしているだろう。


 出来れば大きな街や、この時代で動き出すならば装備を万全に固めてからいきたいと思っているので倉庫という存在は大きい。


「食料ッスか。それくらいなら良いッスよ! 街に戻ったら持って来るッス!」


 ダメ元で聞いてみたが、有難い事にケビンは笑顔で応えてくれた。

 

「おお! 助かるよ!」


「わかったッス! 任せてほしいッス!」


 そう言うと、ケビンは立ち上がって水筒型マナマシンをショルダーバックに仕舞う。


「じゃあ街に戻るッス! すぐに戻ってくるから待っててほしいッス!」


「おお。すまんな。ほんと助かるよ」


 ケビンの行動力に笑顔を浮かべる秋斗。

 彼の優しさに触れて、不覚にも涙が出そうになるのをグッと我慢した。

 

「じゃあ~! 待っててッス~!」


 そうして彼は秋斗に手を振りながら街があるであろう方向へ歩いて行った。

 秋斗も彼に手を振りながら見送る。


 そして、秋斗は街へと帰って行くケビンの背中を見つめながら思う。


 不審者丸出しで話を強引に逸らしていたのに信用してしまう彼の危うさと、遺跡を見に来たと言っていたが大して見ていないんじゃないかという疑問。


 色々大丈夫か? と心の中で心配するが、ケビンの姿は既に無くなっており、サァァァという爽やかな風が木々を撫でる音が聞こえるだけだった。

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