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28 朝食と確認したいこと


 ちゅんちゅんと鳴く鳥の鳴き声が耳に届くと、秋斗の瞼はゆっくりと開いていく。

 

(これが伝説の朝チュン)


 秋斗が生まれた時代よりも、ずっと昔にあった時代。

 その時代では、こういった状況を朝チュンと呼んでいたと古い文献で読んだのを秋斗は思い出していた。読んだ当時は、自分が経験するなど微塵にも思っていなかったが。


 まだぼんやりとしている頭を左右に向ければ、両脇には秋斗の腕の中で眠る美しい銀と金の髪をした2人の女性が裸で眠っている。

 2人のサラサラした髪を指の間に通して遊んでいると、2人はモゾモゾと動き、秋斗の体でむにゅりと柔らかに形を変える胸の感触が脳に伝わる。


「んん……」


「ん~……」


 しばらくすると、2人も目を覚ます。眠そうに瞼をごしごしと擦りながら体を起こし、2人とも秋斗に視線を向けた。


「おはよう……」


「おふぁようございます~」


 リリは脳がまだ覚醒していないのか、ぼーっとしながら秋斗を見つめる。

 ソフィアは欠伸をしながら挨拶した後、再度秋斗の腕の中へ戻っていった。


「そろそろ起きないと準備する時間が無くなるんじゃないか?」 


 秋斗は二度寝を開始したソフィアの尻をむにむにと触って彼女を起こす。昨晩吹っ切れてから遠慮が無くなった。

 その後、3人でベッドの上で少しだけイチャついて全員起床する。 


 完全に目を覚ましたリリとソフィアからおはようのキスを貰い、3人は服を着替えてリビングへ向かう。


 リビングに出ると、まるで見ていたんじゃないかと思うタイミングでアレクサが朝の飲み物をカートに載せて入室してくる。


「皆様、おはようございます」


 ソファーに座る3人の前にはそれぞれ飲み物が置かれる。

 秋斗はコーヒー、リリとソフィアは紅茶。


「朝食をご用意しております。陛下がご一緒にどうかと申しておりますが、如何致しますか?」


「せっかくだし一緒しようか。今日の予定の件もあるし」


 秋斗の提案にリリとソフィアも頷いて賛成する。


「では、食堂へご案内致します」


 秋斗達は朝の1杯を飲み干した後、アレクサに続いてルクスの待つ食堂へと向かった。


 アレクサが食堂のドアを開き、続く3人を中へ招き入れる。

 食堂は他国からの賓客を迎えた際に会食の会場としても使うため、テーブルは大きく、座る為の椅子は多く用意されている。


 天井にはパーティー会場に取り付けられていたシャンデリアを一回り小さくしたサイズの物がぶら下がっていた。

 食堂の白い壁には綺麗に清掃された透明なガラス窓。爽やかな春の朝を照らす日の光が食堂内に差し込む。


 奥にはルクス夫婦とロイド夫婦が右側に座っていた。

 彼らの座る、大きく長い長方形のテーブルには白いテーブルクロスが敷かれ、その上には白い食器と銀のスプーンやフォーク、透明なガラスのワイングラスも用意されている。

 

「秋斗様、おはようございます。昨晩は寛げましたかな?」


 ルクスとロイドが何やら少しニヤつきながら食堂内に入った秋斗へ朝の挨拶を行う。

 自分の娘と姪が夜に秋斗の部屋へ行ったのを知っている様子が、秋斗へと伝わる。


「ステキだった」


 ニヤついた2人を前に秋斗は苦笑いで返答を濁そうとしたが、それよりも前にリリがポッと頬を赤く染めて返事してしまった。

 ソフィアはリリ以上に顔を赤くしていて、昨晩何があったのかバレバレだった。


「はっはっは! 孫が楽しみですなぁ!」


「うちのお転婆娘が……ウウッ」


 ルクスは楽しそうに笑い、ロイドは娘の成長(?)に涙を流す。

 母親2人はニコニコと笑みを浮かべながら娘を見ていた。


「ははは……」


 秋斗は口元を引き攣らせながら、全てがバレていようとも笑ってごまかした。

 

 食堂内に待機していた執事とメイドに席へ案内され、各自着席する。

 全員が着席すると、マルクが現れて一礼すると食堂内にいた他の執事とメイドも揃って一礼する。


「皆様、おはようございます。本日の朝食は、秋斗様のご希望した賢者米をご用意致しました。メインは魚を焼いた物、スープは野菜と卵のスープです」


 マルクが朝のメニューを説明すると、アレクサを先頭としたメイド3名が朝食をカートに載せて食堂内へ入室する。


 朝食を持ってきたメイド達は室内にいた執事やメイド達と協力し、テキパキと秋斗達のテーブルへ配膳を始める。

 白いお椀に盛られ、キラキラツヤツヤと輝く白米。魚は塩焼きにされたモノが皿に乗り、スープ皿に盛られたスープも具沢山で食欲がそそる。


 目の前にあったワイングラスには冷えた水が注がれた。

 全員に配膳されたのを確認したルクスは秋斗へ笑みを浮かべながら告げる。


「さぁ、秋斗様。どうぞ、召し上がって下さい」


「ありがとう。いただきます」


 秋斗は料理と共に置かれた箸を持ち、手を合わせてから白米を一口。

 皆が見守る中、秋斗は米の味を楽しむ。


 モチモチとした食感と噛めば甘みが広がる白米は、かつての友人が作った米を思い出す味だった。


「美味い!」


 これぞ最強の米。ケリーが研究を重ねて品種改良し、完成した米は国で広く愛され、外国では最高級米と呼ばれていた物。

 丼物によし、ピラフによし、シンプルに塩握りもよし。全ての米料理に合うと評された最強の米は失われていなかった。


「ケリー様の教えを守り、今も農家が教わった技法で作っております。彼らも喜ぶでしょうな」


 パクパクと米を食べる秋斗を見て、ルクスは嬉しそうに話す。


「農園やギルドも見学したいなぁ」


「それは皆も喜ぶでしょう。是非、そうして下さい」


 秋斗とルクスの会話を聞きながら他のみんなも朝食を楽しむ。

 もちろん、ルクスと秋斗も会話しながらも箸を動かす手は休ませない。


 皆と朝の会話を楽しみながら、秋斗は白米をおかわりした後に朝食を完食する。

 その後、メイドにコーヒーを淹れてもらって食後の一服。


「今日は昼からだっけ?」


 秋斗はコーヒーを飲みながら、本日の予定を確認する。


「式典は11時に開始予定です。その後、城に戻って昼食にしようと思っています。午後はどう致しますか?」


「うーん。やりたい事や知りたい事が結構あるんだよなぁ。どれから手をつけるか」


 秋斗はううんと唸りながら脳内に存在するやりたい事リストを捲る。


「ふむ。どのような事をお考えですか?」


 ルクスの言葉に、秋斗はえーっとと言いながら乱雑にやりたい事、知りたい事を告げていく。


 まずは自分自身の事。これは現在の自分の立ち位置を再度確認。この時代でやって良い事、どこまで今の時代に干渉するか、という事も含まれる。

 これらについて、各国の王はどう思っているかをハッキリ聞きたい。


 特に政治に関しては深く関わりたくない。自分の持つ技術を広めるにしても各国の王に確認を得た後に公開するべきだと考えている。

 なので、自分自身に関する話し合いは必須だと思っている。


 次に技術関連。これは先ほどの件でも話したが技術を教えるのは王達の承認さえ得られれば一向に構わない。


 その為にも今の時代の技術レベルの確認、広まっている魔道具のレベルを知りたい。

 個人的には魔石という新素材についての研究、魔石を使った技術開発もしたい。


 歴史関連。自分が眠った後、世界がどうなったのか。自分とケリー以外のアークマスター達の事はもちろん、他にも目覚めていないだけで生きている人物がいるかもしれないので、歴史がどう動いてきたのか知りたい。


 特に重要なのは氷河期が終わった年代とその後の経過だろう。同じ事がもう二度と起きない、とは言い切れないし、あの神の気まぐれと称された氷河期――アークマスター達が調査・対策しようにもダメだったモノがもう一度訪れたとしたら。

 現代では到底太刀打ちできない。なので、自分が見ていない『氷河期とはどういうモノ』だったのか、というのを調査できればしておきたい。


 これらについては、現代の人々の暮らしや様々な土地を見て観光しながら過去の痕跡を探せれば上出来だろう。その土地特有の言い伝え的な物もあるかもしれないし、と秋斗は思う。


 法律関連。刑罰等の確認。非人道的かつ非常識な事をするわけではないが、昔と違ってタブーになっているかもしれないモノがあるかもしれないので確認したい。


 奴隷関連。単純に胸糞悪いし、子供にまで被害が出るのは見過ごせない。現代の人々も迷惑しているようなのでどうにかしたい。


「ざっくりだけど、こんな感じか?」  


 秋斗は脳内のリストをルクスに伝えた。ルクスは秋斗の考えをメモに書き留め、メモを見ながら考える。ロイドは横からメモを覗きこんでいた。


「そうですね……。まずは秋斗様の立場やお力についてですが、これは一ヵ月後くらいに各国の王、もしくは王族が我が国に来ますのでその際に話し合いましょうか。私は特に秋斗様の行動へ制限を掛けるつもりはありませんが、秋斗様のお立場を明確化させる為にも各国の代表全員で話した方が良いでしょう」


 ルクスの言葉にロイドも頷く。


「そうですな。基本的に秋斗様はご自由にして下さって良いのですが、各国が賢者という存在をどう思っているかを聞いて貰った方が秋斗様も安心なさるでしょう」


「技術についてですが、是非とも現代技術を秋斗様に評価して頂きたいです。その評価を以て、各国との話し合いをするのはどうでしょうか? あと、魔石研究についてはご自由になさって下さい。東側の全ての国で魔石についての研究はしているので、各国の返事を待たなくても問題無いかと」


 そう言ったルクスが「アランが是非意見が欲しいと言っていました」と付け加えて秋斗へ告げた。


「法律関係。これは、殺しや略奪行為は各国共通で禁じてます。後は、種族で変わったりするので……ううむ」


 ルクスが悩んでいると、ソフィアが手を上げて発言する。


「お父様。法律関連は私とリリが秋斗様の傍にいますので、その都度申し上げたらどうでしょう? 種族の差異による禁止事項は他国に行く前や街の見学に行った際などで事前にお伝えすれば良いかと思います」


「そうだな。その方が良いかもしれん。では、この件は2人に任せようと思いますので、気になった事は2人に聞いて頂ければと思います」


 ソフィアとリリは秋斗にニコリと微笑み、秋斗はわかったと告げるする。


「歴史に関しては任せて下さい。適任がおります」


「適任?」


「はい。我々エルフ種は長寿です。長く生きる者は1000年生きると言われておりまして……。まぁ、実際に1000年生きた者は少数なのですが」


 ルクスの説明に、エルフという長寿種に改めて驚く。まさか1000年生きた者が実際に存在するとは思わなかった。


 エルフに限らず、他の種族についても詳しく聞かなくてはいけないのだったと秋斗は思い出す。

 後日、街を散策しながらソフィアとリリから聞こうかなと頭の片隅に考えを置いておく。


「エルフは長寿種族の特性を活かして『歴史の語り手』とされているのです。長く生きているので起こった出来事を記録し、過去の歴史も研究しています。特に、我が宮廷魔法使いのアランは歴史研究を主にしているので彼に聞くのが良いでしょう。昔の資料も多くもっています」


「そうなのか。アランさんは魔法使いなのに歴史と魔道具研究もしているのか?」


「アランは宮廷魔法使いですが元々は歴史学者でして。歴史を研究する為に、賢者時代――秋斗様の時代に存在した魔道具を発掘・研究し、魔道具を調べる為に魔法を勉強して……と歴史研究の為に勉強していたら魔道具も魔法も詳しくなっていた、という人物なのです」


 過去に滅んだと言われている秋斗が過ごしていた時代のことを現代では『賢者時代』もしくは『古の時代』と呼ばれている。メジャーな呼び方は賢者時代だそうだ。


 アランが幼少の頃にケリー監修の賢者時代がどういった時代なのかを描いた物語を読み、現代とはまるで比較できない程に高い技術を持っていた賢者時代に興味を持ったのが歴史学者を志すきっかけだったらしいとルクスは語る。

 

「そういう訳で、アランが適任なのです。エルフニア王国が建国される前の資料も少しですが持っているはずでし、彼以上に詳しい人物は東側にはいません」


「なるほど。じゃあ現代技術を見学するついでにアランさんに聞いてみるか」


 秋斗が納得したのを見て、ルクスは次の事項について口を開く。


「最後に奴隷問題ですが……。これは王としてではなく、個人的な意見になるのですが。是非とも秋斗様に手助けして頂きたいです」


 ルクスは眉間に皺を寄せながら、苦々しい表情を浮かべて告げる。


「現在東側の各国は西側から国境を越えて侵入してくる者に対して騎士団による巡回や砦を作って監視をしているのですが、それでも奴隷被害に遭う民がいます。侵入経路を調べて潰しても次々に別の道で侵入してくる。本当は全て我々自身で解決しなければならないのでしょう。ですが、罪の無い民が西側の人間によって殺されるのはもう見たくないのです。秋斗様に縋り、これ以上巻き込んでしまうのは王として失格なのでしょう。しかし、愚王と言われようとも……私は民に安寧をもたらしたい……!」


 ルクスは怒りと不甲斐なさが入り混じった表情で顔を染めながら、テーブルの上で手を強く握る。


「……気にしないで良い。国民の安全を第一に思う貴方は愚王などではない。それに、この問題に関わると俺から言い出した事なんだ。必ず終わらせる」


 秋斗は決意の篭った目をルクス王に向ける。

 ルクスとロイドは、秋斗の目を見てから目尻に涙を浮かべて深々と頭を下げた。


 ポタポタとテーブルに染みを作りながら頭を下げる2人が落ち着くまで、秋斗は黙りながらも問題に取り組んできた王達へ敬意を浮かべていた。



 2人が落ち着いた後、再び会話を再開させた。


「向こう側の王は奴隷被害について何と言ってるんだ?」


 秋斗はルクスの怒りも当然だと思いながら状況を聞いていく。


「西側に抗議文を送っても無視され、さらには労働者確保の名目で我々に戦争まで仕掛けてくる始末。我々も長きに渡って西側と戦ってきましたが、東も西も片方を滅ぼすまでの決定打がありませんでした」

                

 秋斗は西側のやっている事に呆れ果てる。


「さらには最近になって、帝国に賢者様と同じような存在が現れた、という噂を得たとレオンガルドから聞いておりまして……どうするかと各国で協議しようとしていたところに秋斗様がお目覚めになったとケビンから報告を受けたのです」


「なるほどね。リリから聞いた帝国の賢者とやらか。そいつについては正直、わからん。炎を操るって聞いたが」


「はい。帝国に現れた炎を操る者は賢者時代を生きていたと言っており、帝国が最近侵攻した西側の小国との戦いで一騎当千の戦果を上げたと」


 一騎当千ねぇ……と秋斗は帝国の賢者の実力を疑うが、これについてはやはり置いておく事にした。


「まぁ、相手がどうであろうと奴隷問題については、もちろん力を貸すよ。前にアランさんやジェシカさんにも言ったんだが、国境沿いに壁を作ろうと思ってる」


「その件はアランとジェシカからも聞いております。各国の者が到着次第、秋斗様の提案について話し合いたいと思います。国境沿いとなると、我が国の領土以外もあるので……」


 確かに大陸の端から端までとなるとエルフ王国以外の領土もあるので、現段階でやってくれとは即答できないだろう。

 そんなものなりふり構わず壁を作る事も秋斗には出来るが、さすがにそこまで強行的にやるのも迷惑が掛かりそうだ、と秋斗は考える。


「まぁ防ぐのも大事だが、向こう側にいる被害者を救うのも考えなきゃだし……レオンガルドに相談しないとダメか」


「そうですね。慎重に動かないと警戒されて向こう側へ侵入する事すら出来なくなるかもしれませんし」


 向こう側の状況がわからない秋斗が勝手に動き、派手な事をしてレオンガルドの救出部隊に対する邪魔をしてしまっても迷惑をかけてしまう。

 すぐに動けるようマナマシンだけ作り、各国の者達が集まってから話し合うべきかと思いとどまる。


「わかった。……あっちに奴隷被害者の人質が全くいないのを確認できればなぁ。話は簡単なんだが」


「どういう事です?」


 秋斗の呟きにルクスが反応する。


「いや、あっちに人質がいなければ国を潰せば終わるでしょ」


 秋斗の言葉に食堂内がシーンと静寂に包まれる中、最初に口を開いたのはルクス。


「ええっと? 潰すとは、西側の国を滅ぼすってことですか? 可能なのですか?」


「え? 滅ぼせるよ。超高度から爆撃するなり中型マナマシンで囲って、あっちの王族ごと首都を更地にすればいいんじゃない? 地形変わるまで戦略兵器撃ちこめば逃げてもどっかで死ぬだろうし。まぁ向こうに暮らす一般人全員が巻き添えになるからやらないけど」


 秋斗が平然とした顔で言った発言に、ルクスとロイドは顔を引き攣らせる。

 ケリー監修である、過去の戦争で秋斗が戦っている描写を描いた英雄譚は、昨日のサイン会からも窺えるように大変有名である。ルクスもロイドもメイドや執事達も――食堂内にいる秋斗以外の全員がその本を読んでいる。


 その中で語られている賢者時代の戦争は、開戦すれば草木も生えない程に大地が抉れ、人は大量に死に、戦地は人が暮らせない大地となると語られている。

 秋斗が出来ると言った滅ぼすというのは「あの本に描かれている戦闘」と全員が描かれた描写を脳裏に浮かべて、顔を青くしていた。

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