ある朝。
初長編小説です。よろしくお願いします。
side:シロ
――ちゅんちゅん。
外でスズメさんが鳴いています。朝です。スズメさんも朝から大変ですねー。毎日鳴いてて疲れないのでしょうか。
ボクは隣で寝ているクロちゃんを起こさないように、そっとベッドから抜け出します。クロちゃんはいっつもお寝坊さんです。太陽の光が入ってきても、ちっとも起きそうにありません。ぐーぐーいびきなんかかいちゃって。気持ちよさそうですねー。
ボクはそんなクロちゃんを横目に、いつものように朝食の準備に取り掛かります。今日はパンの日です。
パンを2枚焼いたら、その上にハチミツをかけて、切っておいた野菜を添えて出来上がり。クロちゃんにの分にはハチミツをこれでもかとかけておきます。クロちゃん、甘いものが大好きで、このくらいかけないといつも少ないだのなんだの騒ぎますからねー。面倒くさいのであらかじめかけておく訳です。
さて、朝食の準備もできたことですし、そろそろ寝坊助さんを起こしますかねー。
「クロちゃん、そろそろ起きてくださーい。朝ですよー。」
ボクはそう言いながら、クロちゃんをゆすります。でもなかなか起きません。・・・よし、ちょっと悪戯でもしてみましょうか。
「ほーらっ、早く起きてくださーい!」
クロちゃんの肩をもって激しめにゆさゆさ揺らします。ゆっさゆっさ、ゆっさゆっさ。
しばらく振っていると、ゆっくりとクロちゃんが目を開きます。
「・・・お・・・お・・・。」
「お?」
クロちゃんが何か言いたげです。そのまま揺らしててあげましょう。
「お・・・お・・・
おろろろろろろろろろろろ」
「ぎゃーっ!?」
出ました。クロちゃんの体の中から。液体が。
――――――
side:クロ
「まったく、加減ってものを知らないのあんたは!?」
「はい、すみません・・・。」
私は今、正座をしているシロの前で仁王立ちしている。理由は言わずもがな、朝っぱらからシロにリバースさせられたからだ。そのおかげでベッドやシロの服が汚れるわ、部屋ににおいが充満するわで朝から気分は最悪よ・・・。
「もう・・・悪戯するのが悪魔なのかもしれないけど「そうですよ!」・・・開き直らないの。時と場合を考えなさいよね。」
「ということは、時と場合を考えれば悪戯しても構わないということでしょうか!」
「調子に乗るなこのアホ悪魔。」
ごちんっ。
「あいたぁ!?」
こいつは反省のはの字もないわね、まったく。どうすればいいのかしら。
「・・・もういいわ、早く食べましょう。冷めちゃう前に。」
「・・・お説教なんかしなければ「何か言った?」いいえ何も!」
もとはといえばあんたの責任でしょうが!はぁ、朝から疲れた・・・。
ご感想お待ちしております。