第1章「転入生」(6)
「太浪さん・・・あなた!?」
「後でちゃんとお話します!今は戦わせてください!」
「は、はい・・・」
グガンッ
「グッ・・・!」
太浪さんは、ロボットの腹部を力いっぱい蹴飛ばし、私から遠ざけた。
そして、ロボットは庭の木々の方まで飛ばされた。
その隙を見て加藤さんと瑠琉が私の方に近づき、私を抱えてロボットからより距離を取る。
「希々、大丈夫!?」
「わ、私は大丈夫。それより・・・」
ドサッ
「オ・・・オノレ!・・・ッ?!」
「どうしたのですか?それがあなたの本気で?」
ロボットが移動する暇もなく、太浪さんはロボットの目の前まで近づいていた。
また、先ほどの蹴りが強力だったのかダメージによりロボットの動きが鈍くなっているように見える。
「悪いけど、あなただけに時間を費やす訳にはいきません。ここで一気に片付けてもらうわ!」
「ナニヲ!」
「往きなさい!」
太浪さんの背中に装着してあるメカの先端にある砲身から、光の粒子のようなものが集まり、数秒後それが光線となってロボットに目掛けて放たれた。
「・・・・・・ッ!!!!」
ドォォォォン
大きな爆発音と共にロボットの動きが止まり、その場でばらばらと崩れ落ちた。