第4章「チームA」(1)
「AIsだ!近くにいるぞ!」
加藤さんが急に私たちの方を向いたと思うと血相を変えて叫んだ。
「なんですって・・・!?」
「そんな・・・このブレスレットがあれば効果があるんじゃなかったの?」
「そんなはずは・・・おそらくですが、この施設に入ったのを敵の目視によって発見されたのかも知れません!」
私は先ほどまでの楽しかった気分は消え、昨日の彼らに対する恐怖と戦慄が脳内に綺麗に蘇ってきた。
「敵影3機は確認したワ!早くてあと5分でこっちにくるヨ!」
シャロンさんが右腕に巻いている腕時計を模したようなレーダーを見て、敵の数とこちらまでの到達時間を教えてくれた。
「とにかく、やっつけるしかないようね。シャロンと鈴乃はあたしと一緒に来て!東は希々たちを他の人たちの危害が及ばない場所へ!」
「「「了解!」」」
アリシアさんら3人は、ショッピングモールの出入口へ向かって全速力で走っていった。
1人残った東さんは、敵がもうすぐ来るとは思えないほど落ち着いた表情で私と瑠琉に安全な回避ルートを教えてくれた。
「さぁ、私たちも逃げましょう」
「そうですね・・・今は3人が勝つことを祈るしかないです」
私が少し不安げな言葉を漏らすと、東さんは私に向かって微笑んだ。
「安心してください。私も含めてチームAはARMOR・ARMYの中でも特に最強なメンバーで構成されてます。そう簡単には負けないわ」
「最強・・・ですか・・・」
信じるしかない。
私は無意識に握りこぶしを胸に当てていた。