第2章「目的」(4)
「まぁ、そういうわけでAIsの脅威が収束するまで、あたしたちはあなたの護衛任務につくわけになったから、これからよろしくね」
「はい。こちらこそよろしくお願いします」
そう言ってアリシアさんは私に手を差し伸べた。どうやら挨拶的な握手のようだ。
ひとまずはアリシアさんたちを信頼するしかない。そう思いながら、私は彼女と厚く握手をした。
さて、これから一体どうなることやら・・・。
「突然こんなことになってしまって本当に申し訳ありません・・・東山さん」
太浪さんは私に謝罪した。
「別に謝らなくても。太浪さんは別に何も悪くないですよ」
悪いのは、そんな殺戮兵器に目を付けられた私なのだから・・・。
「ありがとうございます。あと、その・・・」
「何ですか?太浪さん?」
まだ何か私に言っていないことでもあるのだろうか?
「その太浪さんって苗字・・・男の人の名前っぽいのでできれば名前の方で呼んでいただけませんか?」
あぁ、なんだ呼び方か。たしかに「たろう」じゃ男の子みたいな名前だもんね。
「じゃあ、東さんで!東さんも私のことは希々と名前で呼んでいいですよ!」
「はい!では・・・希々さん、ありがとうございます」
「東さんこれからよろしくお願いしますね」
「喜んで!あなたを絶対に守りきります!」
太浪・・・いや東さんは今日一番の笑顔で私にそう言った。
本当に東さんの笑顔は可愛らしいくて素敵だな。
でも、彼女の笑顔をどこかで見たことがある気がするのは何故だろうか?