第2章「目的」(3)
「ARMOR・ARMY自体が正式に結成されたのは今から大体半年前、つまり今年の1月1日よ」
「へぇ、結構最近ですね」
ARMOR・ARMYの結成が思ったよりも最近のことで驚いたが、極端にリアクションするほどでもなかった。
そこで気になってくるのはやはり、
「それじゃあ結成するまでにかなりの準備を要してたことに?」
「その通りよ。構想そのものはパパが25年以上前から温めていたのよ。結成するまではその期間の大半はさっき言ったとおりに技術習得。メンバー集めに1年間って感じ」
やはり、いつ来るかわからない本来の任務のために大半の期間をただただ技術習得していたのはすごいと思う。うん。
「メンバーはトップシークレットな計画だから全員RF社正社員の親族関係者で構成されているの」
正規の軍人とかじゃなくて大丈夫なのか?!と一瞬は思ったけどさっきの太浪さんの戦闘を思い出し大丈夫かと納得した。
「そしてパパは結成前にチーム構成を決めたの。一つはアメリカ本土にて外部に移動するAIsたちを撃滅する複数のチーム。二つめはAIsからパパを護衛するチーム。そして最後の一つがあなたをAIsから守るあたしたちのチーム」
一つめは良く分かる。けど、世界有数の大企業の最高責任者と同じように護衛任務の対象になる私とは・・・。
「実はあなたを守る任務は最初から少数精鋭部隊ということが決まっていて、チームAは贔屓とかなしで任務開始前の最終テストにて40人以上いるメンバー中の上位成績4位までの人しか入れないの」
ということはチームA以外の他の各チームはもっと大人数になることなのかしら。
そして、アリシアさんや太浪さんたちは・・・
「つまり、ここにいる4人の方たちは実力で40人以上の中からチームAに入ることができたのですね!」
「そ!あたしは最高責任者の娘とか関係なしで実力で上位成績を勝ち取ったのよ!」
アリシアさんはそのことをまるで自慢するかのように声高だった。
「ちなみにアリシアさんは何位なのですか?」
「1位」
アリシアさんの実力はまだわからないのもあって、一気に私は疑い深くなる。
ちょっといじわるしたくなったので、あまり信じてないような口調でアリシアさんに
「ふーん。本当なのですかねー?」
と言い返した。
「ちょっ・・・!怪しまないでよ!ちゃんと実力で1位取ったんだからね!」
ムキになったのか、アリシアさんは少し頬を紅くした。