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さかさか…?  作者: れん
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一匹いたら30匹

 (暑い、暑い)

目玉焼きでも焼けそうなアスファルトを、脇目もふらず一心不乱にペダルを踏んでいる。

 (後少しで坂道終わりー)

左側はけっこうな崖。右側は緩やかな向日葵の大群。

 (かき氷はいちご味で、陽ちゃんにコミュ英の必勝法聞いて。)

足に力を込めて、坂道を登りきる踏み込みで。

まさかの陽ちゃんが降ってきた。

しかも、両足揃えて着地の体制で足から。


なぜ。


 「おはようございます。今日も元気に一日過ごしましょう。」

 元気な声がスピーカーから聞こえてくる。今年も暑い日が続いていた。 


 

 (?確か今日は放送当番私の番だったはず?この声誰だろう。ってか、視界が暗い?あ、体動かない?え、声も出ない?…おお。全身めっちゃ痛いわ。)

 少し眠そうな放送の声を聞きながら、自分の身に起こった出来事を反芻してみる。

 (めっちゃ坂道こいでて、あ、かき氷食べてないー。ってか、あれ、今って朝?3時すぎじゃなく?え、え、陽ちゃんが。)


 「降ってきたよね。足から。ってー陽ちゃん!!」


 「はい、おはよう、春陽。叫ばなくても聞こえてるし。かき氷は残念だけど、コミュ英の必勝法なら教えてやるぞ?」


 そんないつもの陽ちゃん…田辺陽太の落ちついた声が右肩から聞こえて。

 反射的に振り向くとチッチャイ陽ちゃんが座っていた。うん。肩の上に。

 「?!!」

声にならない声を上げて反射的にチッチャイ陽ちゃんを払い落とす。 や、訳わからんし。

 「って~何て事しやがる!落ちたら怪我するじゃないか!気をつけてくれよなっ!!」

右肘にしがみついてさっきの定位置に戻った陽ちゃん(?)はプンスカ怒ってる。あ、触覚生えてる。あ、羽生えてる?なんか見た目…

 「一匹いたら30匹…?」




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