ライフタイムラブ
字や、言葉がまちがっているところもあるかもしれませんが、最後までよんでいただけるととてもうれしいです。
ライフタイムラブ
1、胸に秘めた思い。
私は中学一年生の秋白 美鈴。
私は陸上部に入部している。
私には小学校から好きな人がいる。
その人は野球部に入部している。
その人の名前は那小崎 友治。
那小崎とは小学六年生で同じクラスになった。
那小崎はどっちかっていうと人気者の面白い人クラスに二人くらいいるような奴。
那小崎はすっごく足が速くて短距離で優勝したこともあるほど足が速いのに、なぜか野球部に入部したのだ。
そのわけはきっと那小崎が小学校の少年野球チームの「アクアフリームズ」に入っていたからだと私は思う。
その少年野球チームはすっごく強くて練習試合でも大会でも優勝しかしなかったというほど強いチームだったらしい。
私と那小崎は同じクラス。
でも、那小崎には私はただのクラスメート。
那小崎は私の気持ちになんて絶対に気づいてない。
那小崎はすっごくそういうの鈍感だから。
私はこのことを心友以外には誰にも言っていない…って言ったってみんな私の顔でわかっちゃうみたい。
私はすっごく顔にでちゃうタイプだからみんなにはお見とうしになるの。
でも大丈夫。
那小崎はわかってないから。
って何が大丈夫なんだよー!!。
私はみんなに告白しろって言われる。
でも、私は今の関係が壊れちゃうんじゃないかって怖くてしょうがないの。
一緒に笑って、過ごすこの一番幸せなときがなくなっちゃうんじゃないかって怖いの。
心友の梅沢 亜夏羽にはちゃんとことのことを言ったの。
そしたら、「自分の気持ちには正直になったほうがいいと思うよ。」って言うんだよ。
やっぱり、告白したほうがいいのかな?でも、振られたら立ち直れそうに無いからやめておこう。
2、苦しい気持ち……。
私は今教室で亜夏羽と友だち二人と話している。
でも、ここで話していると、かすかに那小崎の声が聞こえるんだ。
そのかすかに聞こえる那小崎の声が私は好きなんだ。
これってある意味ストーカーかな?ま、そのことは置いといてっと。
「なあ、那小崎ってさ好きな人とかいんの?」
私はその言葉を聞いたとき胸が急に苦しくなった。
何かが突き刺さったような感じだった。
私はそのことを聞きたくなかったから。
ガガ……。
「どうしたの?美鈴。急に立ち上がっちゃって。」
友だちの一人が私に問いかけてきた。
「私、トイレ行ってくるね。」
私はここから一刻もはやく立ち去りたくなった。
「あ、じゃあ、私も行く。」
亜夏羽は私の腕を掴みながら言った。
「今時連れしょんかよ。」
友だちの一人がまた言った。
「ちがうよーっだ。」
亜夏羽は舌を出しながら言った。
すたすたすた……。
「そんなにいや?那小崎の好きな人聞くの。」
亜夏羽にはお見とうしだったみたい。
「いやだよ。那小崎は私のことただのクラスメートとしか思ってないよ。」
私は苦しい心をおさえながら言った。
「でも、もしかしたら、那小崎の好きな人が美鈴かもしれないじゃん。」
亜夏羽はなぐさめるように言った。
「絶対ない。だって……。」
私は何かを言おうとした瞬間。
涙があふれて来た。
ポタッ…ポタポタッ……。
「ごめん、言い過ぎた。」
亜夏羽は私の涙を拭いながらあやまってくれた。
亜夏羽が放った言葉は私の耳に優しく染み込んできた。
私は首を振るだけだった。
そして、涙はがんばってとめたけど。
目が赤くなっちゃったからぬらしたハンカチを目に優しくあてた。
すると、どんどん赤みが引いていった。
「よかった。もう赤みはとれたよ。大丈夫?」
亜夏羽は心配しながら問いかけてきた。
「うん。もう大丈夫。ありがとう。」
私は少し笑いながらお礼を言った。
ギュッ……。
「どうしたの?亜夏羽。いきなり。」
私は何が何だかよくわからなくなった。
「私ね、実はGLなんだ。だから美鈴のことが好きなの友達じゃなくて女の子として。」
亜夏羽は私のことを抱きしめながら言った。
「それって告白?」
私はわからなかったので聞いてしまった。
「うん。でも、私は美鈴の大心友だから。那小崎と美鈴の恋を応援するよ。」
亜夏羽は私を抱きしめたまま言ってくれた。
「うん。ありがとう。」
私は亜夏羽に心の底からお礼を言った。
「さ、教室い戻ろ。」
亜夏羽は私から離れて言った。
「うん!」
私は亜夏羽のおかげで元気を取り戻した。
すたすたすた……。
「おお、やっと帰ってきた。遅いよー。大のほうかと思っちゃった。」
友達の一人のほうが私と亜夏羽に言ってきた。
ポコンッ。
亜夏羽は軽く叩いた。
「痛い何すんのよ。」
友達の一人が怒りながら言った。
「あんたそれでも女かよ。」
亜夏羽はあきれながら言った。
「大じゃないから安心して。」
私はさりげなくフォローした。
「わかってるって。ん?何かあったの?美鈴。さっきよりも明るくなったじゃん。」
もう一人の友達のほうが私に言ってきた。
「ん?ちょっとだけね。」
私は笑顔でもう一人の友達に言った。
「何があったのよー。二人だけズルイよー。教えてー。」
もう一人の友達が言った。
『な・い・しょ。』
私と亜夏羽は二人そろって言った。
3、何考えてるの?
陸上部は八時ぐらいまでやってるの。
野球部は八時半までやってる。
私はいつも八時半までやってる。
だからいつも片付けるのは私。
どうして練習するかって?私を誰だと思ってるの?人一倍努力する努力人だよ。
人一倍負けず嫌いなんだ。
だから朝練習も毎日出てるし、部活時間だってとっくに過ぎてる時までやってる。
それに野球部の練習も見られるからね。
やっぱりストーカーなのかな?ま、いいや。
亜夏羽も陸上部なんだけど。
私は走り幅跳びで、亜夏羽は高飛びなの。
亜夏羽はそこまで背高くはないんだけど。
ジャンプ力だけは誰にも負けないぐらいすごいんだ。
だから亜夏羽は入って早々レギュラーになっちゃったの。
すごいよね。
私の自慢の友達です。
私じゃないんだから意味ないか……。
そして、今日はもう八時。
みんなもう帰って行く。
「じゃあ、お先にー。」
先輩はいつも手を振りながらさよならしてくれる。
だから今の先輩は優しくて大好き。
「はーい。片付けはしときますからー。」
私は先輩に手を振りながらさよならをした。
「さ、もう一息がんばろう。」
タタタタタタ・ヒュッザバー……。
「よし、今日はここまでにしよう。新記録も達成できたし。」
私は片付けようとしたとき。
「よー。がんばってたねー。随分。」
那小崎がスポーツバックを肩からさげながら言った。
「何よ。もう帰り?」
私は那小崎に睨みをきかせながら言った。
「ああ。片付け手伝ってやろうか?」
那小崎は笑いながら私に言ってきた。
「おお、サンキュー。助かるよ。じゃあ、メジャー戻してきて私はその間に着替えちゃうから。」
私はいつもと同じように接した。
「何だよそれー。俺だけかよー。」
那小崎はちょっと怒りながら言った。
「ありがとうねー。じゃあ、頼みますわー。」
私は無理矢理那小崎に言った。
「じゃあ、一緒に帰れよな。」
那小崎は怒りながら言った。
「はいはい。待ってます。」
私は嫌みみたいに言った。
あまり変わったことではないの。
よくあるんだ。
帰りに時々会うの。
だから時々一緒に帰るの。
そして……。
「おー、サンキューね。」
私は那小崎に言った。
「ったく。」
那小崎はちょっと怒っていた。
「ごめんってば。許して。」
私は舌を出しながらあやまった。
「まあ、いいや。」
那小崎はあきれながら言った。
こうして私と那小崎は中学校を出た。
「家まで送ってやるよ。」
那小崎は私に優しく言ってくれた。
「うん、ありがとう。」
私は普通に那小崎と話していた。
「あのさ、秋白って好きな奴いる?」
ドキッ。
那小崎は私に問いかけてきた。
「何で?」
私はとりあえず聞き返した。
「え?何で?なんでってお前のことが……。」
バッ。
「きゃ。何?なんだ、亜夏羽かびっくりさせないでよ。心臓止まるかと思った。」
私の後ろから抱き着いてきたのは亜夏羽だった。
「あ、で、何?那小崎。何か言いかけてたけど。」
私は聞き返した。
「え?あ、いや、なんでもない。」
那小崎は苦笑いしながら首を振った。
「そう。」
私はあまり気にしなかった。
「じゃあ、バイバイ。二人とも。」
私は那小崎と亜夏羽に手を振った。
『バイバイー。』
那小崎と亜夏羽は私に手を振りながら帰っていった。
・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・
4、那小崎VS亜夏羽。
そのころ、那小崎と亜夏羽はというと……。
「美鈴は渡さないよ。お前なんかに。」
亜夏羽は那小崎に言った。
「は?何が。秋白がなんだよ。」
那小崎はあまり相手にしていない。
だが。
「お前美鈴のこと好きだろ。」
亜夏羽は那小崎に睨みをきかせた目で言ってきた。
「は?馬鹿じゃん。俺が秋白のことが好き?笑わせるなよ。」
那小崎は笑いながら言った。
「ふーん。じゃあ、そのこと美鈴に伝えてこよう。」
亜夏羽は那小崎に嫌みな顔をしながら言った。
「や、やめろよ!!。」
那小崎は怒りながら言った。
「だって好きじゃないんだろ?それなら別にいいじゃんか。わざわざ隠さないでも。」
亜夏羽は何かたくらんでいるような顔をして言った。
「わかった。認めてやるよ。俺が秋白が好きだって。でも、言うんじゃねぇぞ!!。絶対だ。俺が自分の口から言うんだから。」
那小崎は怒りながら言った。
「ふーん。ま、そうこなくちゃ楽しくないよねえ。俺はお前なんかに美鈴は渡さないよ。」
亜夏羽は那小崎に喧嘩をうるような目でにらみながら言った。
「お前、男?」
那小崎は驚きながら言った。
「ちがう女だよ。だけど男よりも女が好きな女ってわけ。馬鹿だからわかんないかもね。」
亜夏羽は嫌みったらしく言った。
「GLってことだろ。」
那小崎は怒りながら言った。
「ああ、そういうこと。伝えたよ。負けないって。じゃあね。」
亜夏羽は那小崎に嫌みったらしく言いながら去っていってしまった。
スタスタスタスタスタ……。
「俺だって負けねえ。」
那小崎は決心を決めたみたいだ。
・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・
翌日……。
私は目覚ましがなる前に起きた。
私は那小崎が口にした言葉が気になった。
「え?何で?なんでってお前のことが……。」
那小崎が言いたかったことって何だろう?まさか、私のことが好き?……。
なーんてあるわけないか。
そんなこと。
ピリリリリリリー!!!!……。
いきなり鳴り出したからびっくりした。
目覚ましを止め、私は髪の毛をくしでとかし、一つにいわき。
いつも着ている制服に着替える。
ここまでは全然毎日と変わらない。
ご飯を食べ。
歯を磨き。
学校に行く準備をして。
「いってきまーす。」
そして、家を出る。
いつもと変わらない。
はずなのに。
ポンッ。
いきなり肩を叩いてきたのは那小崎。
「よっ!!」
那小崎は私に元気よく言ってきた。
「びっくりした。今日は一体なんで来たの。」
私は驚いたまま那小崎に言った。
「あのな。言いたいことがあって。」
那小崎は頬を薄く赤くしながら私に言ってきた。
「何が?。」
私はちょっと警戒しながら言った。
「あの……」
バン。
いきなり抱きついてきたのは亜夏羽だった。
「びっくりした?」
亜夏羽は意地悪な顔をして、私に聞いてきた。
「びっくりしたよ。今日はまた早いねー。会うのが。」
私は今もドキドキしてる心臓のあるあたりをなでながら亜夏羽に言った。
「だめ?」
亜夏羽は私がウルウルな目が苦手なことを知りながら私に目をむけてくる。
「だ、だめじゃないけど……。」
私は目をそらしながら言った。
(やっぱりこの目は苦手だ。)
「何で来たんだよ。」
那小崎は亜夏羽を睨みながら言った。
「いいでしょ。私だってこの道とおってくんだから。」
亜夏羽は小さい子みたいに舌を出しながら言った。
「くすくす。二人って仲いいね。」
私は笑いながら言った。
『仲良くない!!!!』
亜夏羽と那小崎は二人で怒りながら言った。
「ご、ごめん……。」
私は小さくなりながらあやまった。
『べーっだ。フンッ。』
二人は同時に違う方向を向いた。
「あはは……。」
私は苦笑いをした。
「そろそろ行かないと怒られちゃうから行こう?」
私は二人をあやしながら進んだ。
「うんそうだね。私の美鈴なんだから触らないでよね。」
亜夏羽は小声で言った。
「ん?何か言った?」
私は振り向きながら聞いた。
「ううん。何にも……。」
亜夏羽は苦笑いしながら言った。
「そう。」
私はあまり気にせず言った。
「うん。」
亜夏羽はうなずいた。
私はこの日々が続いていてほしかった。
この日々が変わらないでほしかった。
・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・
5、思いがけない告白。
キーンコーンカーンコーン……。
部活動の始めりのチャイム。
私は帰りの用意をしてユニホームに着替えた。
グラウンド……。
「秋白ー。」
那小崎が私のこと呼び止めてきた。
「何?」
私は那小崎に聞いた。
「今日、一緒に帰れるか?」
那小崎は照れながら私に言ってきた。
「え?い、いいけど。」
私は顔を熱くしながら言った。
「じゃあ、部活終わったら待ってて。じゃあ、後で。」
那小崎はそう言って部活に向かってしまった。
「うん。がんばって。」
私は赤い顔で応援した。
「お疲れー。先に帰るね。」
先輩はいつも様に手を振ってさよならをしてくれた。
「お疲れ様でしたー。」
私もいつもの様に先輩にさよならをした。
タタタタタタ・ヒュッザバー…。
「おし、そろそろおしまいにしよう。」
私は自己ベストの新記録を出したからおしまいにしようとした。
バンッ!!
私は後ろからいきなり押された。
「ちょっとー。あんた、那小崎君に手を出してるっていうじゃない。」
一年上の先輩が私をいきなり押してきた。
「何するんですか。先輩。」
私は冷静に先輩に聞いた。
「何で冷静なわけ?」
先輩は私に怖い顔して聞いてきた。
「すみませんが帰っていただけません?ここはまだ陸上部が使ってるんですけど。先輩達は何処の部活の先輩ですか?」
私は先輩達に目を光らせながら言った。
「わ、私達は美術部よ。」
先輩は私に言ってきた。
「レギュラーですよね?」
私は先輩達に目を光らせながら言った。
「そ、そうよ。」
先輩は私を怖がり始めた。
「そうなら、いいですけど。私も一年だけど、レギュラーです。4メートル飛べます?」
私は怖い微笑みを見せながら言った。
「無、無理に決まってんじゃない!!!」
先輩は後ずさりしながら言った。
「私、飛べますけど。」
私は微笑みながら言った。
「とにかく。那小崎君に手出ししないでよ!!!」
先輩は私に言ってきた。
「すみません。俺がこいつを好きなんです。」
那小崎が私の前に立って先輩達に言った。
「な、那小崎君…が……?」
先輩は悲しそうな目をしながら言った。
「すみませんが、帰ってくれます?」
那小崎は怖い顔をして先輩達に言った。
「ひ、ひどいー!!!!!」
先輩は泣きながら去っていった。
「はあー。だから女は嫌いなんだ。」
那小崎はため息をつきながらボソッと独り言を言った。
「私のことも?」
私は那小崎を見つめながら言った。
「……。あ!!俺いつのまにかお前に告白してんじゃん?!」
那小崎は以外と天然だったことを忘れていた。
「あははは、自分で言ったこと覚えてろよー。」
私は笑いながら言った。
「だってー。」
那小崎はあきれながら言った。
「あははは、さ、帰ろう?」
私は笑いながら那小崎に言った。
「ああ、そうだな。」
那小崎は私に微笑みながら言った。
・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・
6、暗い道で不器用なキス
「私もね。実は那小崎のこと好きだったんだ。」
私は顔を赤くしながら言った。
「そうだったんだ。じゃあ、もっと早くに言っとけばよかったかもな。」
那小崎は考えながらいった。
「え?もっと前から好きだったの?!」
私は驚きながら言った。
「え?知らなかったんだ。俺六年の一学期から好きだったんだぜ?お前のこと。」
那小崎は微笑みながら言った。
「うそー!!!!!」
私は大声で言ってしまった。
「本当。でも、いいじゃん。こうやって誰にも見られずに チュッ キスだってできるんだし。」
那小崎はいきなり優しいキスをした。
「……。」
私は思ってもいなかったことがいきなりおきたので何が何だかわからなくなった。
「あはは、そのまま一生わからないままでいいよ。」
那小崎はもう一回私にキスをした。
そのキスはとても暖かくて、優しくて不器用なキスだった。
一生こんなのないんじゃないっかってぐらい長い時間のキスだった。
まるで時が止まったかのようで。
信じられない。
でも、このときが長くは続かなかったの。
7、苦しみの契約。
翌日……。
私はいつものように学校に向かった。
でも、ところが、バッ。
私はいきなり口をおさえられ息ができなくなり気絶してしまった。
一体何がおきたのかわからない。
私は目隠しをされ、どこかに座らせられた。
そしてロープで腕と足を縛られた。
腕と足にロープの感触がくい込むのがわかった。
スルッ。
目隠しが外れた。
目の前には亜夏羽がいた。
「んんんー!!」
私は口がふさがれていた。
「美鈴。美鈴はずっと俺のもんだよな?」
亜夏羽は私の耳元でささやいた。
私は涙があふれてきた。
「怖いよな?だってナイフが近くにあるんだもんな?」
亜夏羽は怖い声で私に言ってきた。
「んー!!」
私は泣きながら叫んだ。
「そうか、このガムテープとったほうがいいよな?とってやれ。」
亜夏羽は男のような声で言った。
ビリッ。
「どうして、どうしてこんなことするの?亜夏羽は私の心友でしょ?」
私は泣きながら必死に亜夏羽を説得した。
バッ。
「その心友という言葉を二度と俺の前でほざくな。」
亜夏羽は怖い顔をしながら私に言ってきた。
「……。」
私は何も言えなくなった。
「今ここで。俺の物になると誓え。誓わないと俺の手が勝手に動きだすぜ?」
私の首にナイフの感触がある。
どんどん近づいているのがわかった。
「10秒以内に答えろ。ヤダと言ってみろお前の命はねえぞ?」
亜夏羽は怖い顔をしていった。
「10。」
「やめて。」
「9。」
「亜夏羽ー!」
「8。」
「や…。」
「7。」
「やめてよー!!」
「6。」
「亜夏羽。心友でしょ?」
「5。」
「やめて……。」
「4。」
「3。」
「2。」
「わかったー!!!誓う誓うから。」
「1。」
「いいだろう。許してやる。その代わり今後一切あいつとしゃべるな。」
亜夏羽は怖い顔をしながら私をおどしてきた。
「あいつって……。」
私は泣きながら言った。
「そう、あいつ那小崎とだよ。」
亜夏羽は私に不気味な笑みをしながら言ってきた。
「もし、あいつと一言でも話してみろ。お前の命もそして、あの野球バカも命が無いと思え。さあ、そろそろ学校へいこうか?美鈴。」
亜夏羽は笑顔で言ってきた。
「卑怯者!!」
私は亜夏羽に泣きながら言った。
バシンッ。
「お前に何ができる。」
亜夏羽は私を一回叩いてから怒った。
「ひどい。」
私は泣きながら言った。
「美鈴のロープをほどいてやれ。」
亜夏羽は男勝りな声で言った。
「一緒に学校へ行こう?美鈴。」
亜夏羽は私に笑顔で手を差し伸べてきた。
「自分で立てるからいい。」
私は亜夏羽の差し伸べてきた手を無視しながら立ち上がって。
進んだ。
「よし。行こうか。」
亜夏羽は私の手を掴んできた。
「気安く触らないでよ。」
私は亜夏羽に怒った。
「秋白ー!!!!」
那小崎が後ろから追いかけてきた。
たたたたた……。
私は走って逃げた。
「あれ?聞こえなかったのかな?」
那小崎は首をかしげながら言ってきた。
こうやってどんどんどんどん。
私と那小崎の距離は離れていってしまった。
私はとても苦しくなった。
何回も何回も振り向けない那小崎にあやまった。
ごめんね。
ごめんね。
と。
何回も何回も泣きながら。
・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・
8、那小崎の優しさ。
ギュッ。
「やっと捕まえた。どうして逃げるんだよ。」
那小崎は後ろから私を抱きしめてきた。
「……。」
私は泣きながら黙っていた。
「どうして泣くんだよ?」
那小崎は困りながら言った。
「ご……。ごめ……。ごめん。」
私は泣きながらあやまった。
「あやまってるだけじゃ、わかんねえって!!」
ギュッ。
「誰がお前をそんなに苦しめてるんだよ?」
那小崎は私のことをもっと強く抱きしめながら聞いてきた。
「亜、亜夏……羽。」
私は小声で言った。
「お前の心友って言ってる奴か?」
那小崎は聞き返してきた。
コクン。
私は小さくうなずいた。
「そっか。大丈夫。俺がお前のことを守ってやるから。絶対に。」
那小崎は強く私のことを抱きしめてくれた。
・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・
部活帰り……。
校門に誰かがいた。
「那小崎?」
私は聞いた。
「ああ、そうだよ。」
那小崎は微笑みながら言った。
「どうしたの?こんなところで。」
私は小声で那小崎に言った。
「毎日送ってく。家まで。朝はあいつらよりもはやく迎えに行くからはやくおきといて。インターホン鳴らすから出てくれよ。」
那小崎は微笑みながら言った。
「うん。でも、大丈夫かな?亜夏羽に見つかったりしない?」
私は心配な顔をしながら那小崎に言った。
「大丈夫。俺がお前を守る。だから。栄養補給として。お前からキスしてくんない?」
那小崎は顔を真っ赤にしながら言ってきた。
「え?い、いいよ。」
私も顔を赤くしながら言った。
チュッ。
「一回だけじゃたんない。」
那小崎はちょっと意地悪な顔をしながら私に言ってきた。
「もう。」
チュッ。
私は恥ずかしがりながらキスをした。
・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・
9、やっとの契約の解約。
翌日……。
ピーンポーン……。
いつもより早い時間に向かう学校。
何だかちょっと怖い。
けど、いつもとちがうのは隣に那小崎がいるってこと。
「手、繋ぐ?」
那小崎は私の顔を覗き込みながら言ってきた。
「え?どうして?」
私は那小崎に聞き返した。
「いや。俺が手を繋ぎたかったから。」
那小崎は私に照れながら言ってきた。
「自分で言って照れないでよ。いいよ。手繋いでも。」
私は笑顔で那小崎に言った。
そして、私達は手を繋ぎながら登校した。
「これですむと思うなよ。」
影で亜夏羽がささやいたことは私達にはわからなかった。
キーンコーンカーンコーン……。
お昼休み。
「美鈴。トイレ行かない?」
亜夏羽が私に言ってきた。
「うん。そうだね。」
私は笑顔で亜夏羽に言った。
そして、トイレ。
バンッ。
「言ったよね?あいつと一切しゃべるなって。死にたいの?」
亜夏羽は怖い顔をして言った。
「お前みたいな奴を秋白が好きになるわけないじゃんか。」
那小崎がトイレの扉のところに立って言い出した。
「お前、ここは女子トイレだぞ?!男子が入ってきたらどうなるかわかってるのか?!!」
亜夏羽は驚きながら那小崎に言ってきた。
「ご心配なく。清掃中っていう看板を置いたから。大丈夫。」
那小崎は笑いながら言った。
「ちっ。」
亜夏羽は舌打ちをした。
「俺こう見えても小さい頃野球だけじゃなくて柔道もやってたんだよね。」
那小崎は柔道のかまえをしながら言った。
「はっ!!!」
那小崎はいきなり亜夏羽のナイフを持っているほうの腕を掴みながら、反対のほうに背負い投げをした。
そして、ナイフを取り上げた。
「那小崎ってある意味かっこいいよね……。」
私は苦笑いしながら言った。
「かっこいいだろう?」
那小崎はきめポーズをとって言った。
「亜夏羽。これにこりたらもうあんなことしない。って約束して。それで契約を解約してくれる?」
私は優しく亜夏羽に言った。
「わかったよ。」
亜夏羽は悲しそうな顔をしながら私に言ってくれた。
私は振り向き那小崎を見つめながら笑った。
・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・
「これでやっともとどうりだね。那小崎。」
私は笑顔で那小崎に言った。
「そうだな。これからはもっといいことに変えていこうな。二人で。」
那小崎は私にそう言って優しくキスをしてくれた。
「これからも私のことを守ってくれる?」
私は那小崎に言った。
「ああ。ずっと守ってやるよ。」
那小崎は笑顔で言ってくれた。
一生あなたを愛し続けます。
(ライフタイム ユー ラブ カンティニュー)
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